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夢幻水滸伝

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第十七話 淡路合戦その二

「波も抜けられる」
「これまでの船より遥かに大きく重く」
「波にも負けません」
「そして大きな大砲も多く備えられています」
「しかも木は燃えやすいですが鉄です」
「守りも固いです」
「これが科学を使って造った船か」
 吉川は呟く様に言った。
「錬金術もかなり入っているがな」
「これもまた素晴らしい力ですね」
「科学もまた」
「これだけの船を造られるとは」
「実に素晴らしいです」
「全くだ、しかしこの船でもだ」
 吉川は後ろにいる将兵達にこうも言った。
「科学では初歩の初歩だ」
「ほんの、ですね」
「その程度なのですね」
「これだけのものでも」
「アメリカの今の科学から見れば」
「あの国の科学は最先端だ」
 この世界でのというのだ。
「他の術もそうだがな」
「特に科学がですね」
「あの国は発展しているのですね」
「そして最先端の科学ではですね」
「これよりも遥かに強い船が出来ているのですか」
「その様だ、こうした船達でもだ」
 最早というのだ。
「アメリカでは旧式だ」
「これだけの船でも」
「アメリカではそうなのですか」
「恐ろしい国ですね」
「人口も資源も多いですし」
「強大な敵ですね」
「そうだ、強い」
 アメリカのことをだ、吉川ははっきりと言い切った。
「あの国と戦う時が来ればだ」
「その科学のことを考え」
「そしてですね」
「戦うべきですね」
「さもないと勝てませんね」
「科学をはじめとした技術、人口、国力とだ」
 そうした諸要素においてというのだ。
「アメリカは日本を圧倒している」
「これだけの船達が旧式ですから」
「それはわかります」
「それも嫌になる程」
「アメリカは最大の敵ですね、日本の」
「中国もそうですが」
「あの二国に勝たずして我々の覇権はないが」
 しかしと言う吉川だった。
「容易に勝てる相手ではない」
「その通りですね」
「一体どれだけの技術があるのか」
「そのアメリカと戦うとなると」
「苦戦は免れません」
「だが勝つ」
 吉川は腕を組み毅然として言った。
「そうしてみせる、必ずな」
「技術や国力、人口で劣っていても」
「それでもですね」
「アメリカにも中国にも勝つ」
「そうなのですね」
「そうだ、そして東南アジアとオセアニアも手を結び大きな勢力となったが」
 しかしというのだ。 
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