FAIRY TAIL ー唯一の滅竜魔導士ー
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語られる過去
前書き
今回はエルザ視点です!
凄く長いと思われます、はい。
いきなり長くすんなよって思いますよね、すみません…
この部分の話は好きなんです…!
では、本編へ!
私は、あの後ひたすら走り続けると目の前にナツ、ルーシィ、グレイ、ジュビアに会った。
「お前達、こんな所で何をしているんだ!早く帰れ!」
「俺達はエルザとハッピーを助けに来ただけだ!」
「アルマが別行動で1人で動いてんだ、合流するのを手伝ってくれエルザ!」
「まだハッピーが見つかってないの、お願いエルザ!」
「エルザさん!」
ナツとグレイ、ルーシィとジュビアに話を聞くと本当はアルマも一緒にいたが二手に別れて探そうという話になったらしい。
──不味い…!
「何故、アルマを一人にさせた!」
ルーシィとジュビアは顔を伏せ、グレイも悔しそうな顔をして俯いた。
「言い返せなかった。」
「どういう事だ、ナツ?」
ナツがぼそっと話し始めた。
「アイツ、何でかは分かんねぇけど何かとケリを付けるって顔をしてた。作戦とか言って俺達と分かれたけど、そんな顔をした奴を止められねぇよ。」
ナツは「俺の直感だけどな。」と付け足した。
「……ハッピーを連れ去ったのは多分、ミリアーナだ。」
そう私が言った瞬間、ナツは飛び出して言ってしまった。
「とりあえず、お前達はもうここから…」
「何言ってんだよエルザ。」
「そうよ、あの人達がエルザの昔の仲間なら私たちは今の仲間じゃない。」
「そうですよ、エルザさん。」
「お前だって偶には怖がったって良いんだよ。」
私はあまりにも嬉しい言葉であり、勿体無い言葉で涙を流した。
「……私がお前達の前に居られる今の内に話しておこう。」
私は話す事にした、この場所は何かや私の過去を。
「ここは"楽園の塔"と呼ばれる場所だ。昔、私や今回の首謀者であるジェラール、私を連れ去ったショウ、ウォーリー、シモン、ハッピーを連れ去ったミリアーナだろう。そしてもう1人。」
私は深呼吸をしてからゆっくりと。
「アルマだ。」
「「「な(え)!?」」」
「この塔に集められたのは、男女問わずに色んな村から連れ去られた子供や老人達が奴隷のような扱いを毎日受け"Rシステム"という物を建立させていた……」
私は思い出したくない過去を語った。
『皆で逃げよう…!』
ショウの立案で始まった逃亡。
『でも怖いよ……、私知ってる…兵士に見つかった後…どうなるか…』
『エルザ…』
『大丈夫、怖くないよ。』
そう言ってくれたのは、ある日この場所で仲良くなったジェラール。
『俺達が着いてる。』
『自由を、手に入れよう!』
ジェラールともう1人、私の憧れの人がそう言った瞬間私の中で恐怖は薄れた。
『うん!』
だが、結果的には兵士に見つかった。
そして立案者のみを懲罰房送りにすると兵士が言った。
この時、私をかばったのが……
『エルザ、かばわなくていいよ。』
黒髪に一部が赤髪に染まっているアルマだった。
『僕が立案者です。』
そしてアルマが懲罰房送りにされ、皆で再び牢屋に戻された。
『俺、アルマを助けに行ってくる!』
『無茶だよジェラール!』
『アルマは俺の相棒なんだ、俺が助けに行く!』
『待って!』
私はアルマを救いに抜け出そうとするジェラールの手を取ってはっきりと言った。
『わ、私も助けに行く…!』
ジェラールと私は剣を握り、懲罰房にいるアルマを助けに向かう。
『アルマー!』
私とジェラールが駆けつけた時には、アルマは柱に縄で縛られていた。
『そんな…!』
『アルマ…!』
アルマは顔色が悪く、どれだけ呼びかけても返事がない。
更にアルマの眼は片目を失っていた。
『何で…何でなんだ…俺達は何もしてないのに…!』
『ジェ…ラール…エル…ザ…』
『アルマ…!』
意識を取り戻したアルマをジェラールが肩で運び、私が反対側から支える。
でも、目の前に現れたのは……
『魔道兵団……!』
その後、ジェラールだけが懲罰房に連れていかれ私とアルマは皆のいる牢屋に戻された。
私とアルマが戻ってきたのに、ジェラールがいない事に不審になったショウ、ミリアーナ、ウォーリー、シモンが心配の声を上げ、ショウは泣き出してしまった。
『大人しくしねーかクソガキ!!』
『うわ~ん!』
『落ち着けショウ!』
『ショウくん…大丈夫だよ、おじいちゃんがついてるからね』
私はアルマを支えるので必死で何も言えなかった。
『アルマくん…まさか…。』
ロブおじいちゃんがアルマにそう聞くと、微かにアルマは頷いた。
『姉さん、兄さん……!』
──ジェラールを助けに行かなきゃ……
《バキッ、ドカッ!》
『姉さん…?』
『エルザ…?』
私は兵士から奪った剣を握って。
『ここに、自由なんてない!どれだけ願っても、このままじゃ駄目なんだ!』
『自由が欲しいなら戦え!反乱だー!』
『『おー!』』
「私は自由のため、そしてジェラールを救うために立ち上がった。」
「あの頃のアルマはとても泣き虫であまり活発的な男の子では無かったが、いざとなると頼れる私の憧れだった。」
グレイ、ルーシィ、ジュビアは何とも言えないという顔をしていた。
「ジェラールも正義感が強く、皆のリーダー的存在だった。」
「だが。」私は少し間を置いてから、ゆっくりと話す。
「ある時を境にジェラールはまるで別人のように変わってしまった、もし、人を悪と言うならば私は…ジェラールをそういうだろう…」
そこから反乱を起こし、兵士を倒した。
『今日中には懲罰房の階まで行かなきゃ…』
『それは無理だ!兵士があちこちにいるんだぞ!?』
『それでも、ジェラールを助けなきゃ…!』
そう私がシモンに反論すると、ウォーリーが何やらシモンに言った。
『こりゃ脈はないみたいだぜ、シモンくん。』
シモンは顔を赤くして私の方を見てから口を開き。
『え、エルザはジェラールの事が好きなのか?』
『い、今聞く事じゃ無いよ!』
そう話しているといきなり爆発が起こった。
『シモン!』
目の前で倒れているシモン。
『ま、魔道兵団だ…!』
ウォーリーがシモンを肩で支えて、ショウも近くにいる。
『魔道兵団は無理だー!』
『待って!逃げないで!』
どれだけ声を出しても皆は遠ざかる。
──駄目、ジェラールを助けなきゃいけないの…!
『皆…逃げないで…!』
『邪魔だ!』
大人の人に押され、私は地面に転ぶ。
前を見れば既に近くまで近づいている魔道兵団。
『あ……』
私の身体は恐怖で動かない。
そして魔道兵団が魔法を私に向けて飛ばしてきた。
『姉さーん!』
『エルザー!』
でも、いくら待っても私の元に魔法は来ない。
『ロブ…おじいちゃん…?』
その後全て私に飛んできた魔法はロブおじいちゃんの魔法で弾かれ、魔道兵団を消した。
でも、その代わりロブおじいちゃんは死んでしまった。
『ロブおじいちゃん……!』
──魔法は信じていれば、いつか必ず使えるよ。
エルザちゃんなら大丈夫。
その瞬間、私は魔法に目覚めた。
『あぁぁぁぁぁー!』
近くにあった剣たちが浮かび、魔道兵団に放つ。
私が剣を持って戦おうとした時、後ろから肩を叩かれた。
『ここは僕が戦う、エルザはジェラールを助けに行って。』
『アルマ、何言って…!』
『僕も戦える。』
すぐ側まで迫っていた魔道兵団にアルマが私をかばうようにたった。
『黒竜の咆哮!』
アルマの口から出た黒い魔法に魔道兵団は一気に倒されていく。
『アルマ…魔法が…』
アルマは私に微笑んでから『内緒にしててごめんね。』と言ってからポンと私を押した。
『ほら、早く行って。ね?』
私はアルマに背中を押されて、ジェラールのもとに走った。
私がジェラールのもとにたどり着いた時には、アルマもいた。
『ジェラール!アルマ!』
『エルザ…』
『来たか。』
『ジェラール全部終わったよ!アルマも助けてくれて、戦ったの!シモンは重傷でロブおじいちゃんは死んじゃって、他にも怪我人は沢山いるけど、勝ち取ったよ!』
私がそう言っても、アルマは何故か悲しそうな表情でジェラールは変わらない様子。
『エルザ、今すぐここから離れるんだ。』
『え…?何言ってるのアルマ…?』
『エルザ、本当の自由はここにある。』
ジェラールはまるで壊れた人形のように高笑いし始めた。
『ジェラール…?何を言ってるの…?』
『エルザ、この世界に自由などない。本当の自由は"ゼレフの世界"だ!』
そうジェラールが言った瞬間、人を殺していった。
それからすぐに私に魔法を飛ばしてきたが、アルマが全て私から守ってくれる。
『ジェラール…!』
『エルザ!』
アルマが影に隠れ、私の肩を両手でギュッとしてから焦ったように言った。
『僕がジェラールを止める、だからエルザはここから逃げるんだ。』
『何言ってるの、アルマ!』
『また会おう。お互い生きていれば、いつかまた会えるから。』
そうアルマは笑顔で私に優しく言うと、ジェラールに向かって走り出した。
その後、私は無我夢中でアルマの言いつけを守るために走り塔から逃げた。
「私はジェラールを…倒すんだ…!」
後書き
長かったですね( *¯ㅿ¯*)
いつも短文なのにすみません…
次回はアルマ視点…の予定です。あくまで予定です。
では、また次回!
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