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夢幻水滸伝

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第十六話 内政その五

 よしと判断した事柄が書かれた書類に判子を押す、そうして一枚一枚裁決をしながらだった。
 中里は太宰と弥生にだ、こんなことを言った。
「一枚一枚かいな」
「はい、そうです」
 太宰は中里の十倍、弥生は二倍の速さで判子を押しつつ応えた。
「裁可してです」
「内政を進めてくんやな」
「左様です」
「成程な、ただな」
「ただ?」
「自分も弥生ちゃんも判子押すの速いな」
 裁決した書類に判子を押すのを観て言うのだった。
「どんどんやな」
「それは慣れです」
「慣れかいな」
「はい、書類を読み内政対象地域の状況を把握しますと」
 それでというのだ。
「この様にです」
「裁決もやな」
「速くなります」
「そうなんか」
「中里君も一枚一枚ごとにです」
 太宰は中里のそれを見て言った。
「速くなっていますよ」
「そうやけどええけど」
「はい、飲み込みは速いです」
「そやとええけどな」
「ですから内政は回数をしていくことです」
「そして慣れればか」
「裁決も速くなります」
「そやねんな」
「ただ会長さんいえ宰相さんの裁決はめっちゃ速いですにゃ」
 弥生も速い裁決をしつつ言う。
「流石関西全土の内政の一人でやっていただけはありますにゃ」
「そやねんな」
「もっとも私一人ではです」
 その太宰の言葉だ。
「限度がありまして」
「幾ら仕事が速くてか」
「はい、積極的に進めることは出来ず」
「現状維持かいな」
「それが限界でした」
 そうだったというのだ。
「私一人では」
「そやねんな」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「お二人が来てくれて有り難いです」
「そやねんな」
「これで山陽、四国の星の方々が来れば」
 彼等がというのだ。
「より人手が増えますので」
「内政もか」
「進められます」
「やっぱり人手か」
「はい、それでお二人が裁可してくれていますので」
 だからだというのだ。 
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