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ドールハウスが好きで

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第四章

「そこでなの」
「ああ、あそこね」
「あそこのスーパーね」
「うちの生徒や先生もよく行ってる」
「あそこね」
「そう、あそこよ」
 まさにその店だというのだ。
「あそこに面接に行くから」
「あのスーパーだったら行くのも楽ね」
「下校の時にそのままだから」
「それで終わったらそのままお家に帰られる」
「丁度いいわね」
「採用してもらえたら」
 知美は心から言った、そこには強い希望がった。
「嬉しいわ」
「そうよね」
「ここは是非ね」
「採用してもらいたいわね」
「あそこならね」
「それじゃあ今日面接行って来るわ」
 こう言ってだ、知美はこの日も面接に行った。そしてその面接から一週間程でだ。彼女は友人達にクラスで笑顔で話した。
「採用になったわ」
「あっ、よかったじゃない」
「おめでとう」
「じゃあ晴れてね」
「知美ちゃんお金稼げる様になったわね」
「アルバイトで」
「放課後から九時までレジ打ちに入るから」
 おおよそ四時から閉店の九時までというのだ。
「頑張るわ」
「頑張ってね」
「それでお金稼いでね」
「そのうえでドールハウスね」
「あれ買うのね」
「買うわ、お金があったら」
 それこそとだ、知美は目をきらきらと輝かせて話した。
「ドールハウスも買えるし」
「他のお人形もね」
「買えるわね」
「人形作りの道具もね」
 そちらもというのだ。
「もっと買えるから」
「じゃあ頑張ってお金稼いでね」
「やっと採用してもらったし」
「ええ、私頑張るわ」
 こうしてだった、知美は晴れてアルバイトでお金を稼げる様になった。そして実際に思いきり働いてお金を稼いだが。
 ドールハウスを買ってもアルバイトは続けた、友人達は知美にそれはどうしてかを尋ねた。
「やっぱり他のお人形も欲しいから?」
「作る道具も」
「それでなの?」
「それもあるけれど」
 それだけではないとだ、知美は友人達に笑顔で答えた。
「アルバイトが楽しくて」
「アルバイト自体が」
「それでなの」
「そう、だからね」
 だからだというのだ。
「今もしているの」
「成程ね」
「それでなのね」
「そう、これからも続けるわ」
 笑顔で言ってだった、知美はこの日もアルバイトに励んだ。人形だけでなくそちらも趣味になったことに喜びながら。


ドールハウスが好きで   完


                  2017・7・29 
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