オズのジュリア=ジャム
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第二幕その四
「だからね」
「はい、またですね」
「会いましょう」
「皆が王宮に戻って来た時に」
「宜しくね」
「では皆暫しのお別れをして」
そしてとです、オズマが皆に言いました。
「それぞれの冒険に出ましょう」
「今から行ってきます」
ジュリアはそのオズマににこにことして挨拶をしました。
「人魚の国まで」
「旅は王宮の鏡で見守っているから」
「はい、何かあればですね」
「任せてね」
「そのことも宜しくお願いします」
こうお話してです、皆はそれぞれの冒険に向けて出発しました。ジュリア達は都のマンチキンへの門、東門からです。
都を出てでした、マンチキンの国に向かって出発しました。そして緑の草原が左右にある黄色い煉瓦の道を歩きつつです。
皆で楽しくお喋りをしていました、かかしは神宝達ににこにことして言いました。
「故郷に戻るからね」
「だからですね」
「楽しみなんですね」
「そのことも」
「そうなんだ、やっぱり僕の故郷はね」
そこはといいますと。
「マンチキンだよ」
「それは僕もだよ」
木樵もにこにことして言います。
「故郷はマンチキンだよ」
「そうですね、木樵さんも」
「マンチキンで生まれられてでしたね」
「ドロシーさんとお会いするまでおられたんですね」
「そうでしたね」
「冒険ではよく行くけれど」
それでもというのです。
「実は最近は行ってなかったんだ」
「僕もなんだよね」
かかしもそうだとお話します。
「これがね」
「そう、僕だよ」
ジャックも言います。
「僕はギリキン生まれだけれどね」
「ああ、三人共最近の冒険では確かにね」
モジャボロも気付いて応えました。
「マンチキンには行っていないね」
「そうなんだ」
「それでそろそろ行けたらって思ってたんだ」
「そうね」
「それで丁度オズマからお誘いがあったから」
「まさに渡りに船だったよ」
「是非にって思ったよ」
三人共だったというのです、まさに。
「だからここまでうきうきとして来たんだ」
「暫くぶりにマンチキンに行けるって」
「そう思ってね」
「どの国にも何度も行ってるけれどね」
モジャボロはこれまでの冒険を思い出しつつ言いました。
「けれど最近行っていない国はね」
「どうしてもだよね」
「ついつい行きたくなるよね」
「どうしてもね」
「そうだよね、僕もそうだよ」
モジャボロにしてもというのです。
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