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白き竜の少年 リメイク前

作者:刃牙
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班編成

卒業試験の日から数日。今日は説明会で、ハルマ、ナルト、レツ、カナの四人は席に座り時間まで待っていた。

「へえ。じゃあ、無事に卒業出来たのね。良かった」

優しい笑みを浮かべて言ったカナにナルトは若干、顔を赤くしながらも笑顔で返答を返した

「おう‼︎いや〜良かったってばよ!」

「巻き込まれたこっちは笑えないけどな」

ミズキがあの後、駆け付けた暗部によって連れて行かれると同時にイルカも木ノ葉病院で治療を受けた。幸いにもハルマ達は怪我をしなかったが、それはミズキが油断をしていたところが大きい。ナルトの影分身の数に動揺したというのもあるが。一歩間違えれば大きな怪我を負っていただろうということを考えると、本当に笑えないとハルマは思う。少し皮肉気味に言ってしまったが、そこは四人の中でナルトとムードメーカー的ポジションを確立しているレツがフォローする

「はは。まあ、いいじゃねえか‼︎四人とも同じ下忍になれたんだしよ!

「そうだってばよ!」

少し楽観的だと言えるが、確かに今は四人全員が卒業出来た事を喜ぶべきだと思い、指摘をすることはなかった

イルカが教室に入って来る。教壇の前に立ち、教室に響くくらいの声で話す

「さあ、席に着け!え〜今日から君達は忍者になった訳だが、まだ新米の下忍。本当に大変なのはこれからだ」

「これからの君達には里から任務を与えられる訳だが、今後は3人1組〈スリーマンセル〉の班を作り・・・・各班ごとに一人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと任務をこなしていくことになる」

イルカの説明にハルマは顔を顰める。元々同世代の大半が自分達とは距離を置くのだ。上手くやっていけるかと聞かれたら無理だとハルマは答えるだろう

「(スリーマンセルか。レツ達以外とやっていける気はしないな)」

「(ハルマ達がいいけど、一人余るんだよな?まあ、俺は多分大丈夫だってばよ!)」

ナルトはどこからその自信がくるのか問いかけたくなる程にハルマ達と同じ班になれると思っているが、それが俗に言うフラグであることに気付いていない

「(ハルマ達と組めるのがベストだけど、まあ日向の者以外なら誰でもいいわ)」

「(とりあえずハルマとは組みてえな)」

まあ、四人とも似たような考えではあった。次々と呼ばれていく班。そして、第6班の名にレツの名が挙がると同時に皆、顔を上げる

「第6班!猿飛レツ!千手ハルマ!日向カナ!」

ナルト以外は明らかに安堵するが、次の瞬間にはナルトの顔を見ていた。固まっていて、ショックを受けている様子で、更に第7班のメンバーの名前を聞くと顔を青くし始める

「第7班!うずまきナルト!うちはサスケ!春野サクラ!」

「(最悪だってばよ。サスケはともかく、サクラちゃん達の女子グループって苦手なんだよな・・・・それより何でカナとじゃないんだってばよ〜⁉︎)」

頭を抱えて机にうずくまるナルト。明らかに落胆している様子にハルマ達の視線が集中する

「落ち込んでるな・・・・」

「その前に絶望してるだろ。こりゃ」

「まあ、メンバーからしてしょうがないとは思うけどね。うちははともかく、春野というより女子の大半からあれだったし」

小声で話す3人の会話は精神的に追い込まれているのかナルトには聞こえておらず、そんなナルトの様子を見ていたイルカは不安を覚えていた

「(大丈夫か?ナルトのやつ)」





一方、その頃。三代目火影 猿飛ヒルゼンは右目以外が額当てとマスクで隠れた男 はたけカカシと両頰に犬塚一族のような痣がある女性を伴ってハルマの家に来ていた。今までは千手一族の集落の外れにある小さな家に住んでいた。しかし、下忍になるにあたり、千手一族の集落で暮らせなくなる為、引っ越し作業中で現在は部屋にダンボールが置かれている

「ここがハルマの家じゃ。と言っても数日後には完全に引っ越すがの」

カカシは部屋に置かれたダンボールや、周りの状況を見て簡単な評価を下しリンは部屋を見た感想を口には出さずに呟く

「(ナルトと違ってインスタント類は全然ないし、やっぱりちゃんとした性格してるね。知ってたけど)」

「(部屋は綺麗だなぁ。引っ越し途中だから当たり前かもしれないけど、荷物は少ないかなぁ)」

「リンよ。お主の班にはハルマの他に儂と同じ一族のレツと日向カナといる」

ヒルゼンの言葉にリンは反応する。面白くなりそうなメンバーに期待を寄せていた

「(確か全員アカデミーで上位の成績だった子達だね。なんか楽しみだな)」

しかし、ヒルゼンの言い淀んだ様子にリンは何かあるのかと思えてきた

「お主にはあやつらに技術よりも心を鍛えてやってほしい」

「心・・・・ですか?」

小さく頷き、ヒルゼンはカカシをチラッと見る。

「そうじゃ。あやつらの場合、技術は対して問題はない。あやつら3人とも天才という他ない才能の持ち主。だが、3人共規模は違えど他者から拒絶されてきた。それゆえに他者を安易に信用しようとはせぬ。一番それが酷いのはハルマじゃ。あやつには殊更、気を付けてくれ」

彼の言葉にリンは力強く頷く

「はい!」





昼食を摂り、ハルマ達は四人で固まって座っていた

「ナル。二人の所に行かなくていいの?一緒の班になるんだしいた方がいいんじゃない」

「だってさ!サクラちゃんさ、サスケにくっついてるんだぜ!俺ってば邪魔じゃん‼︎」

確かに。そう思った3人はそれに関して言及するのは止めることにした。既に幾つかの班はいなくなっている。次に来るのはどこの班かと教室全体が緊張感に包まれていた

「第六班の子はいるかな?」

リンが入って来て、自分達の上忍師だと知ったハルマ達は席を立ち上がる。しかしその際、これからの下忍生活に不安を感じているナルトにフォローすることも忘れない。ハルマ、レツ、カナの順にナルトへ声を掛ける

「じゃあ、頑張れよ。ナルト」

「大丈夫だって!付き合って見れば今まで見たことのない一面が分かるってもんだし、付き合いやすい奴らかもしれねーしな‼︎」

「お互いに頑張ろ?ナル」

「おう‼︎」

3人はリンの近くへ向かう。彼らに今、共通するのはこれからの生活への期待。知らず知らずのうちに3人は笑みを浮かべていた。階段を降りる度に高揚感が高まっていくのをハルマは感じていた

「(面白くなってきたな。見てろよ。里の奴らを、親父。あんた達に俺という存在を認めさせてやる!)」 
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