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気になっていて

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第三章

「身体全体がすらりとなりたいの」
「そこまで言うなら仕方ないわね」
「じゃあささみとかお魚にしてね」
「わかったわ、お母さんやお姉ちゃん達に言っておくわ」
「そうさせてもらうわ」
 こう言ってだ、そしてだった。
 恵は食事も本格的に変えてダイエットに励んだ、その結果。
 確かに脚も身体全体もだ、すらりとなった。だが。
 ダイエットに成功した恵が更衣室で体操服に着替える様子を見てだ、彼女のクラスメイト達は首を傾げさせて彼女に言った。
「何かね」
「それでいいの?恵ちゃん」
「恵ちゃん的には」
「そうなって」
「ううん、実はね」
 恵自身も言う、スカートを穿いたまま半ズボンを穿きながら。
「想像していたのとはね」
「違うわよね」
「そうよね」
「すらりとなると思ったら」
 それがというのだ、見れば。
 恵の脚は以前より筋肉質になっていた、確かに痩せたことは痩せたがほっそりとではなくそちらになっていた。
「それがね」
「逞しくなったわね」
「強い感じね」
「キック力ありそう」
「強そうね」
「ささみとか食べて」
 そしてというのだ。
「低カロリーでね」
「それでも蛋白質は摂って」
「運動熱心にしたら」
「身体が自然に鍛えられて」
「脂肪が減って」
「こうなったの」
 筋肉質になったというのだ。
「この通りね」
「ううん、お腹もね」
「痩せたけれど」
「身体全体が確かに」
「けれどね」
「こうなったのよ」
 今度はブラウスのボタンを外して脱いだが腕も腹もだった。ついでに背中の方も肩もである。
「筋肉質になったの」
「鍛えられたからね」
「しかも低カロリー食事だったから」
「それで泳いで走ったら」
「自然と脂肪が減って筋肉がついてね」
「こうなったの、モデルさんみたいになりたかったのに」
 それがというのだ。
「こうなったわ」
「想い通りにはならなかったってことね」
「モデルさんみたいになりたかったのに」
「逞しくなったのね」
「アスリートみたいに」
「そうみたい、測ったら脂肪率は凄く減ってたわ」
 見てわかる通りにというのだ。
「けれど体重はかえって増えてね」
「筋肉って思いからね」
「かえって体重は増えるのよね」
「どうしてもね」
「体重はいいとして筋肉になったのは」
 痩せてもモデル体型ではなくそれが目立つ様になったことはというのだ、当の恵にしても。 
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