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夢幻水滸伝

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第十四話 攻めるものその十二

「うち等の内政はかなり上手くいってるねん」
「そやねんな」
「組織が充実してるとな」
「無事にやな」
「内政が出来るんや」
 そうだというのだ。
「農業も商業も建築もな」
「内政全般がか」
「ああ、産業も育ってるし」
「お陰で国も豊かになってるか」
「そやねん」
「ほな山陽や山陰もやな」
「官僚組織も使って内政してくで」
「それぞれの内政を治める役所を置いてです」
 具体的な組織の在り方もだ、太宰は話した。
「そこにピラミッド型の官僚システムを造るのです」
「官僚型やな」
「そうです、我々の世界と同じです」
 官僚組織の在り方はというのだ。
「各地の学校もそうして設けていっています」
「ああ、学校な」
「本来室町時代は公立の学校が置かれていませんでした」
「ああした公立学校とかは明治時代からやな」
「ああした風にしていますが」
「学校もあっちの世界を参考にしてか」
「整えています」
 実際にというのだ。
「教育に関しても」
「そこまでしたんか」
「はい、寺社を治める部署も設けていますので」
 宗教分野もというのだ。
「僧兵等の統制も出来る様になっています」
「そうやと一向一揆とか比叡山みたいなこともないな」
「織田信長さんがかなり苦労しましたが」
 それもというのだ。
「こちらの世界では私が来て最初に整えました」
「凄いことしたな」
「万全の統治があればこそです」
 まずはというのだ。
「国も勢力を拡大出来ますので」
「それでか」
「はい、中里君も内政に頑張ってもらいますが」
「官僚組織はしっかりしてるからか」
「後は使い方を把握して下さい」
 その官僚組織をというのだ。
「何かと学ぶべきこともありますが」
「組織についてか」
「そしてそれぞれの内政の分野もです」
 そうしたこともというのだ。
「学んでです」
「そしてやな」
「やっていって下さい」
「わかったわ、ほなな」
「一緒にやっていきましょう」
 その内政をとだ、太宰は中里に微笑んで述べた。そしてだった。
 そうした話をしてだ、そしてだった。太宰は今度は綾乃に言った。
「それで傭兵の娘達ですが」
「娘達?」
「はい、そうです」 
「皆女の子達かいな」
「はい、ただ」
「ただ?」
「四人いますが」 
 その傭兵である星達はというのだ。
「四人共それなりに腕が立ち内政も出来る様ですが」
「それって結構ええやん」
「はい、しかも悪人でもないですが」
「それで何かあるん?」
 そこまで備わっていればとだ、綾乃は思って言葉にも出したが太宰はその彼女にさらに言った。
「はい、どうにもです」
「どうにもって」
「まあご本人達にお会いされて下さい」
「そやな、その目で会わへんとな」
 それこそとだ、綾乃は笑顔で応えた。
「わからへんしな」
「それでは」
 太宰は難しい顔になってそのうえでだ、両手をポンポンと叩くとだった。彼等が今いる朝議の間の入口にいきなりだった。彼女達が現れたのだった。
「お待たせしました!」
「呼ばれて飛び出てジャジャジャーーーーン!」
 賑やかな声と共に出て来た、そのうえで挨拶をしてきたのだった。


第十四話   完


                  2017・4・15 
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