転生とらぶる
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ペルソナ3
1766話
「ここよ」
結局月光館学園の近くではなく、少し離れた場所にあるポロニアンモールという場所に俺とゆかりはやって来ていた。
ポートアイランドの辺りも結構栄えていたが、ここはそこよりも栄えているな。
ゆかりの話によると、この辺りで一番発展している場所らしい。
もっとも、都心の方に出れば発展している場所は他に幾らでもあるらしいが。
ともあれ、ゆかりと俺の姿は携帯ショップの前にあった訳だ。
「今更だけど、別に俺が一緒に行く必要はないんじゃないか?」
今回名目的にはゆかりの携帯を購入することになっている。……実際は俺のだが。
ともあれ、そんな訳で俺が一緒に行くのは正直どうよ? と思わないでもない。
まさか店員の前で、ゆかりとどの機能が欲しいとか、どの色がいいとか、そんな話をする訳にはいかないだろう。
いや、それだけであれば問題はないだろうが、その話を店員が聞いていれば俺が携帯を買いに来たという風には理解出来ると思う。
だが、それで結局契約するのがゆかりだったら……さて、どう思うだろうな。
それこそ女を騙して足のつかない携帯を手に入れようとしているようにしか思えないだろう。
……客観的に見れば、それって実は間違ってないんだよな。
うわ、何だかヒモやジゴロにでもなった気がしてきた。
実際昨日はゆかりの部屋に泊まっているし。
「あのね、別に店員の人がいる時には話を合わせればいいでしょ。大体、私が好きな携帯を選んで、それがアクセルの好みじゃなかったらどうするのよ?」
「……別に、ピンク色とかじゃなければ、特に気にしないけどな。ああ、これ」
そう言えば、まだ携帯を買うための金を渡していなかったなと思い、取りあえず2万円を渡す。
「ちょっ、これちょと多すぎじゃない!?」
「そうか? 俺が知ってる携帯は、大体このくらいだったと思うんだが……まぁ、余った分は手間賃だと思ってくれ」
「いらないわ。きちんとお釣りはアクセルに返すから」
妙なところで生真面目というか、何というか……まぁ、こっちとしてはどっちでもいいんだが。
金に困ってる訳でもないし、その気になれば幾らでも金策は出来るし。
……表沙汰に出来ない金を持っている組織の目星はつけておいた方がいいだろうな。
微妙に物騒なことを考えつつ、俺とゆかりは店の中に入っていく。
思ったよりも広い店内には、幾つもの携帯が飾られている。
それら全てが売り物なのだろう。
勿論、こうして飾られている物は、紐でしっかりと台座に繋がっている。
「いらっしゃいませ」
俺達が店内に入ってきたのを見つけた店員が、素早くそう声を掛けてくる。
それに適当に返し、俺とゆかりは飾られている携帯を見ていく。
もっとも、携帯はゆかりと連絡が出来ればそれでいい。
カメラとかそういうのは、あってもなくても構わない。
取りあえず通話とメールが出来れば、特に不満はないんだよな。
色に関しても、さっきゆかりに言ったようにピンクとかじゃなければ特に問題はないけど。
女が好みそうな赤も、俺にとってはパーソナルカラーに等しい代物だけに、特に違和感はないし。
そう告げると、ゆかりは少しだけ不満そうな表情を浮かべる。
「……おい、もしかして本当にピンクを選ぶつもりだったんじゃないだろうな?」
「べ、別にそんな事はないわよ? それより、他に何か欲しい機能とかはないの?」
「ああ、必要最低限の物があればいい」
「そう、じゃあデザイン的には?」
「そっちも特に問題はないな。使いやすければそれでいい」
こうして、予想外にあっさりと携帯の候補は決まる。
まぁ、機能も最低限、デザインも使いやすければ特に拘らないのだから、それも当然か。
そんな訳で結局携帯は赤い色とありがちなデザインの物にし、ゆかりと俺は店員の下に向かう。
そうして手続きを始めたのだが……
「よければ、そちらの彼氏さんも契約しませんか? 今なら恋人割引きがあるので、普通に契約をするよりもお得なのですが」
「っ!? ……彼氏じゃありませんから」
まさかここでも恋人と間違われるとは思わなかったのだろう。
ゆかりは何かを叫びかけ、ここが店の中であるという事を思い出すと、やがて押し殺したような声で俺との関係を否定する。
そんなゆかりに何かを感じたのだろう。店員は同情するような視線を、何故か俺の方に向けてくる。
いや、何で俺?
一瞬そう思ったが、その辺りは特に気にしない方がいいだろうと判断し、そのままスルーした。
そうして保護者の同意書とかその他諸々の手続きを終えると、無事に携帯を手に入れる事に成功する。
そのまま俺とゆかりの2人は店から出て、近くにあるハンバーガーショップの中に入った。
安さよりも美味さを追求した高級ファーストフード店。
ここに入ると言った時、ゆかりが驚いた顔をしていたが……確かに普通の、それこそ100円前後のハンバーガーとかを売ってるような店に比べれば高いが、それでもそこまで高いって訳じゃなない。
普通のラーメンを一杯食べるのと、そう値段は変わらない。
携帯のお礼だということで俺の奢りだと言うと、ようやくゆかりは店の中に入る事を納得した。
そこでロースカツバーガーを3つとフライドポテトの3L、チキンナゲット2つ、シェイクのLLを頼む。
……何故かそれを見ていたゆかりは、結局ポテトとシェイクだけを頼んだだけだったが。
「はい。私の番号は入れておいたから」
そうして椅子に座り、ロースカツバーガーに手を伸ばそうとすると、ゆかりが俺に携帯を渡してくる。
「ああ、悪いな。取りあえずこれで連絡が取れなくなるって事はないな」
「そうね。後は、アクセルの住む場所だけど……どうする気?」
「カプセルホテルとかなら……」
「ないわよ。いえ、あるのかもしれないけど、少なくても私は知らないわ」
「……そうか」
カプセルホテルのような簡易的な場所であれば、それこそ泊まるのに身分証とかが必要ないのかもしれないと思ったが、残念ながらそうはいかないらしい。
どうするか……と迷っていると、ふと思いつく。
早速だが、荒垣に頼ってみるのはどうだろうか、と。
「取りあえず心当たりは、あるにはあるけど……」
「本当?」
「ああ」
確認するようなゆかりの言葉に頷き、ロースカツバーガーを口に運ぶ。
ほんのりと甘く柔らかいパンと、サクっとした歯応えの揚げ立てロースカツ、新鮮なレタスやトマト……といった具合に、高級ファーストフードと言われているだけの味ではあった。
勿論、本物……それこそ色々な世界で呼ばれた国家元首が参加するようなパーティで出された料理や、本物の一流の店といいった店とかと比べると、数段落ちる。
だが、値段を考えれば、十分に合格範囲内だろう。
実際、こうして店の中を見回しても、客の数はそれなりに多い。
……まぁ、値段が値段だけに、高校生の姿は殆どないが。
「じゃあ、今夜から行動を始めるって事でいい?」
「今夜、ねぇ。……けど、今夜も昨日と同じような現象に巻き込まれるとは限らないだろ?」
ゆかりにそう言葉を返しつつ、恐らく今夜もあの妙な現象に巻き込まれるんじゃないのかというのは、予想していた。
この世界の原作の事を考えれば……いや、まだ原作が始まっていなければ、必ずしも巻き込まれるとは限らないのか?
ともあれ、もし今日は巻き込まれなくても、結局将来的に巻き込まれる事になるのは変わらないのだ。
だとすれば、今のうちからゆかりにはあの現象に慣れておいてもらう必要があるのは間違いない。
……当初はゆかりを連れてあの現象の中を移動するなんて事は全く考えていなかったんだけどな。
ただまぁ、その辺りはもういい。
ゆかりが自分の意思で今回の件に関わってくる以上、もしここで俺が強引に突き放しても、恐らく自分だけで勝手に動き出すだろう。
それで死なれでもしたら、それこそ後味が悪い。
いや、後味が悪いどころの話じゃないか。
そもそも、ゆかりはこの世界で俺が唯一接触しているキーパーソンの1人だ。
ここで下手にあの現象に関わらせ、それでいて俺がいない状況でスライムもどき……もしくはそれよりも更に強力な敵と遭遇して死んでしまったりすれば、最悪この世界が詰む可能性というのは十分にある。
そこまでいかなくても、本来なら助けられただろう相手を助けられなかったり……という事も、あるかもしれない。
……まぁ、実はゆかりがチョイ役か何かで、本来なら原作が始まる前に死んでいたという可能性もない訳じゃないが。
こうして考えると、やっぱり原作知識がないってのは、痛いな。
いやまぁ、この世界で生きている奴は原作知識を持っていないのが当然なんだから、それで悔やむのはおかしいかもしれないが。
「行くわ。絶対に行く。もしアクセルが協力してくれなくても、私は行くわよ」
「……だろうな」
ゆかりの気の強さを考えれば、俺の予想通りの結論になったらしい。
「なら、夜に近くなったら一度ゆかりの部屋に迎えに行くって事でいいか?」
「そうしてくれると、こちらとしても助かるわ」
「一応あの妙な塔を探索する予定だが、最初は様子見ってところだな。どういう敵がいるのか、そしてあの塔がどんな場所なのか。その辺りを最初に調べてみる。……ただ、言うまでもなく、それは今夜もあの現象になったらだからな」
「分かってる。……その辺りはしっかりと考えてあるわ。一応矢の方も用意はしてあるし」
真剣な表情で頷くゆかりだが、シェイクを握っている手が微かに震えているのは、見て分かる。
初めて自分から生き死にに関わる現場に向かおうとしているのだから、これが普通なのだろう。
ましてや。ゆかりは別に戦闘訓練を受けていた訳でも何てもない、気が強いだけの女子高生なのだから。
どうするか一瞬考え、ここで止めるかと聞いても間違いなくそれは却下される以上、しょうがないとそっと手を伸ばす。
シェイクを握っているゆかりの手に触れ、そのまま包み込むように触れる。
俺に握られたゆかりの手、緊張している為か……それとも冷たいシェイクに触れている為か、冷たい。
「……きゃっ、ちょ、ちょっと、いきなり何をするのよ!?」
ここで俺の手を振り払えば、握っているシェイクが周囲に被害をもたらすと理解している為だろう。ゆかりは悲鳴は上げつつも俺の手を振り払うようなことはなく、その代わりに気の強さを発揮して、強い視線で睨み付けてくる。
そんなゆかりの視線をじっと見て……
「どうやら震えは止まったようだな」
「え?」
俺の言葉に、ゆかりは意外そうな声を出して自分の手を……俺に握られている手を見る。
そこにあるのは、間違いなく震えの止まったゆかりの手。
自分でもそれが分かったのだろう。ゆかりは俺の方を見る目の感情を、怒りから驚きへと変える。
……が、やがて俺を見る目は更に変わり、ジト目となる。
「ちょっと、震えはもう止まったんだから、そろそろ離してくれない?」
「そうだな。周囲の注目も集めているみたいだし」
「……え?」
俺の言葉に、慌てて周囲を見回すゆかり。
すると、そこには近くの席にいる客達が様々な感情の視線を俺達に向けているところだった。
ゆかりが美人な為だろう。男からは嫉妬の視線を感じられる。
一応このファーストフードにいるのは高校生ではなく社会人とかそういう年代が多いのだが、そういう年代の者にとっても、ゆかりは十分に射程範囲内にいる存在なのだろう。
そして女達からは、微笑ましそうな表情をしている者が多い。
「っ!? ……ほ、ほら、ここを出るわよ! いつまでもこんな場所で話していられるような余裕はないでしょ! アクセルの宿を探さないと!」
周囲からの視線に気が付き、顔を真っ赤にしながらゆかりは俺の手を引く。
幸い……と言うべきか、既に俺の前にあったロースカツバーガー含め全ての料理は食い終わっており、店から出るのに何の支障もない。
結局俺とゆかりは、周囲から色々な視線を向けられながら店を出た。
「全くもう……何だかアクセルといると色々と妙なことにばかりなってる気がするんだけど」
「そうか? ……ちなみに、手はいつまで握ってるんだ? いや、俺は別にいつまででもいいんだけど、お前は不味いんじゃないか?」
「なっ!?」
俺の言葉に、ようやくゆかりは自分が俺の手を握ったまま街中を移動しているというのに気が付いたのだろう。
慌てたように手を離すが……うん、月光館学園の制服を着た何人かが俺とゆかりが手を繋いでいるのを見てるし、もう遅いような気がする。
勿論、その辺りを直接口に出せば、またゆかりが興奮して騒ぐ事になるだろうから、それを口にはしないが。
……にしてもこいつ、本当に男に対する免疫がないよな。
そんな風に考えながら、取りあえず俺は宿をどうするのかに考えを巡らせるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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