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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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52部分:第五話 張飛、馬超、顔良及び文醜と競うのことその六


第五話 張飛、馬超、顔良及び文醜と競うのことその六

「遊ぶの好きだな」
「しかも下らない遊びばかりな」
「あの武闘会はいいとしてだ」
 それはいいというのであるがだった。どうも今行われていることには抵抗がある彼等であった。
 その次に行われるのは。
「お、おい張飛」
「どうしたのだ?」
「あたし変じゃないよな」
 衣装部屋で赤い顔をしながら張飛に言っている。
「特におかしくないよな」
「奇麗なのだ。いいのだ」
「そ、そうか?」
「早く行くのだ。鈴々はもう準備できてるのだ」
「御前はそれでいいのか?本当に」
「全然平気なのだ」
 こんな話をしながら二人で出る。まずは張飛だった。
「あはは、何か最高に似合ってるな」
「だよな、もう異様にな」
「何であんなに似合うんだ?」
 観客達が笑いながらその彼女を見ている。何とピンクの虎の着ぐるみを頭から被ってそのうえで楽しげに動いているのである。
「がおーーがおーーーー」
「えーー、張飛選手は虎になりました」
 実況はここでも真面目に行われる。
「さて、そしてです」
「もう一人だよな」
「どんな格好で出て来るんだ?」
「一体」
「や、やっぱり恥ずかしいな」 
 馬超は舞台裏でもじもじとしている。
「何かな。やっぱりな」
「早く出るのだ」
 だが張飛はその馬超のところに来て声をかける。
「恥ずかしがることはないのだ」
「どうしてもか」
「そういう話みたいなのだ。だからなのだ」
「わかった。じゃあな」
 こうして何とか出る。するとだった。
 淡い黄色のワンピースを着ている。その姿の馬超は誰がどう見ても美少女である。普段はない可憐さまで出ていて美しさが際立っている。
「あ、あまり見るなよ」
「おいおい、凄い美人だな」
「ああ、何だよあれ」
「予想以上だよ」
「へえ、これはまた」
 ビリーはその馬超を見て言う。
「別嬪さんになったじゃねえかよ」
「おい、随分態度が変わったな」
「どうしたのだ?」
 アクセルとローレンスはそのビリーに対して突っ込みを入れる。
「何かあったか?」
「気に入ったのか?」
「まあ俺のタイプだな」
 右手のその棒を肩に担ぎながら楽しげに言う。
「リリィの次には可愛いな」
「相変わらずだな、御前のその趣味は」
「私には何処がいいのかわからないがな」
 ローレンスはこんなことを言う。
「女子供というのは好きにはなれん」
「ローレンス、御前さん前から思っていたけれどよ」
「まさかと思うが」
 ビリーとアクセルの目がここで不穏なものを見るものになった。
「あれか?そっちの趣味か?」
「反対はしないが拒否はするぞ」
「そうではない。私にはちゃんと妻がいる」
 はじめてわかる衝撃の事実だった。
「しっかりとな。だからそれで充分なのだ」
「っていうか世帯持ちだったのかよ」
「はじめて知ったぞ」
 こう言って唖然とする。二人も知らないことだった。
「俺なんかまだ相手すらいないんだぞ」
「俺もだ」
「二人共そういう機会はないのか?」
「あるわけねえだろうが」
「そうだ、ある筈がない」
 何故かムキになる二人だった。
 
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