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レーヴァティン

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第十三話 狩人その三

「やっぱり身に着けた方がいいか」
「その分生きられる確率も高まります」
 傷を回復出来る術を使えればというのだ。
「そうなります」
「そうだよな、じゃあな」
「はい、そうされますか」
「ああ、少しずつでも覚えていくか」
「ではこの書を」
 順一は持っている荷物からあるものを出して久志に渡した、それは一冊の分厚い書だった。
「僧侶の術について書かれています」
「これを読んで覚えるとか」
「はい、僧侶の術が使えます」
「そうか、それじゃあな」
「それとおそらくですが」
「おそらく?」
「貴方の職業ですが」 
 順一は久志を見て彼のそれの話もした。
「戦士ではないですね」
「あれっ、そうなのか?」
「はい、君主ですね」 
 それになるというのだ。
「どうやら」
「へえ、俺は君主だったのか」
「そうかと」
「それで君主だったらどうなるんだ?」
「そういったことは書では」
「ちょっとな」 
 やや後悔してだ、久志は順一に答えた。
「そこまでは読んでなくて聞いてなかったな」
「そうでしたか」
「それぞれの職業のことはな」
「この世界は様々な職業がありまして」
「あんたは司祭だよな」
「はい」
 その通りという返事だった。
「魔術師と僧侶の二つの系統の術が使えます」
「それで君主はか」
「戦士の様に戦えますが」 
 それと共にというのだ。
「僧侶の術も使えます」
「それは便利だな」
「ですから強くなりますと」
 それと共にというのだ。
「術も使える様になります」
「そうか、それはいいな」
「はい、それでは」
「強くなるな」 
 意を決した顔になってだ、久志は順一に答えた。
「それでな」
「僧侶の術もですね」
「使える様になるぜ」
「そうなって下さい、是非」
「そうします」
 こう話してだ、そしてだった。
 順一は今は金塊を取ってそうしてだった、順一に彼にその五分の三を渡してからこう言った。
「御前が倒した分な」
「その分ですか」
「ああ、それが御前の取り分だ」
「いえいえ、二人で倒しましたから」
「半分か?」
「それでいきましょう」
 是非にとだ、順一は久志に笑って話した。 
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