レーヴァティン
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第十二話 港においてその十二
「これからのことは」
「こちらこそ」
ここでだ、二人共手を差し出し合ってだ。その手を握り合った。それが二人の絆のはじまりだった。
そのうえでサラミスを出ることになった、その途中で。
ふとだ、久志は順一にこう言った。
「おっと、神父さんにな」
「忘れていません」
順一はその久志にわかっているといった顔で答えた。
「私も」
「そうか、じゃあな」
「神父様、これまでです」
順一は神父に向き直って挨拶をした。
「有り難うございました」
「お話は聞きました」
神父は二人の会話をずっと聞いていた、それで冷静に答えたのだ。事情を全て知っているからこそ。
「それでは」
「はい、行って参ります」
「吉報をお待ちしています、それに」
「また機会があれば」
「お会いしましょう」
そうしようというのだ。
「是非」
「そうですか、では」
「またお会いしましょう」
永遠の別れの言葉ではなかった。
「サラミスに来られれば」
「その時は」
「私はいつもここにいますので」
「だからですね」
「お会いしましょう」
「その時は」
「そうしましょう」
二人は笑顔で握手をしてだ、そうして一時の別れをした。そのうえで順一は久志と共にだった。
冒険に入った、ここで久志は順一に言った。教会を出て冒険を再開したその時にそうしたのだ。
「それじゃあな」
「これからテーバイに向かいます」
「それでその途中でか」
「狩人の彼を誘い」
「そしてだよな」
「そうです」
こう久志に話すのだった。
「彼に会ってです」
「仲間に誘ってか」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「そのテーバイで、です」
「もう一人と会ってか」
「まずは三人です」
順一自身を含めてというのだ。
「そのうえで、です」
「ことを進めていくか」
「残り九人を集めれば」
「十人全員な」
「それからです」
「本格的に物事がはじまるか」
「この世界において」
「そうだな、じゃあな」
「はい、彼等に声をかけていきましょう」
「まあ仲間になって欲しいな」
すぐにとだ、久志は自身の願いも述べた。
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