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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十五話 長崎へその八

「行って来るよ」
「わかったわ」
 ダオさんは僕の言葉を聞いて微笑んで頷いてからこう言ってきた。
「楽しんできてね」
「うん、そうしてくるよ」
「それで長崎っていうと」
 ダオさんはこの街について視線を上にやって考える顔になってこんなことを言った。
「ちゃんぽん?」
「それが最初なんだ」
「あとカステラ?」
 次はこのお菓子だった。
「そういうのよね」
「うん、実際にどっちも食べるつもりだよ」
「あと教会とか出島とか中華街とか」
「そういったのが観光資源になってるよ」
「そうよね」
「あと原爆のことでもね」
「そうそう、あそこも落とされたのよね」
 大戦中にだ。
「広島と一緒で」
「そうだよ、あの街と同じでね」
「そういえばね」
「このことでも有名なんだよね」 
 実際は小倉か北九州に落とすつもりだったらしい、広島にしても実は軍港のあった呉を狙っていたと聞いている。それが風の関係で変わったとのことだ。
「長崎は」
「そうね、まあダオにとってはね」
「原爆はなんだ」
「ちゃんぽんの次ね」
 優先順位としてはというのだ。
「ああ、カステラもね」
「その次なんだ」
「もっと言えば教会とかよりもよ」
 それこそというのだ。
「下よ」
「そんな感じなんだ」
「確かに戦争や平和は大事だけれど」
 それでもとだ、ダオさんは僕に話した。お皿の上にさらに乗せながら。
「そればかり言うのも」
「好きじゃないんだ」
「ダオはね」
 こう僕に話した。
「だから優先順位低いわ」
「そうなんだ」
「ええ、じゃあ今日はそっちね」
「行って来るね」 
 ダオさんに微笑んで話した。
「長崎にね」
「それじゃあね」
 こうしたことを話してだ、僕達は。
 一旦別れた、そうして僕は自分が食べたいものを全部自分のお皿の上に乗せてから自分の席に戻った。そのうえで。
 サラダやソーセージを食べつつシャンパンを飲んでだ、笑顔でいると同じ席にいる畑中さんがこう言ってきた。
「朝からです」
「こうして食べてですね」
「エネルギーを補給してまして」
「頑張るべきですね」
「そうです」 
 畑中さんもシャンパンを飲みつつ述べた。
「この様に」
「そうですよね」
「豊富な肉類とお野菜、果物にです」
 畑中さんはゆで卵も食べていた、そしてヨーグルトもある。 
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