| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

345




 露に暮れ

  絶へて久しく

   影も見ず

 現も夢も

   然して変わらじ



 梅雨の空…小雨が降り続く中、陽もとうに暮れた宵闇…。

 あの頃は…田舎で彼と不意に会うこともあったが、今はもう…。

 夢の中でさえ会えず…現実にも会うことは叶わず…。


 寂しく悲しいだけならば、夢も現実も然程変わりなく…ただただ、虚しいだけだ…。



 光りなく

  雲に閉じにし

   天の原

 想い侘しく

    雨音ぞ聞く



 雨雲に覆われ、月も星も見えぬ漆黒の闇…。

 これだけの広大な空に…光一つ見つけられないとは…。

 まるで…この広大な地で愛した人に会えも出来ない自分…そう思うと、光なぞ見つかる訳もないと苦笑する…。

 雨の止む気配はなく…その雨音は、一人寂しくもの思う心に沁みた…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧