八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十五話 長崎へその二
「一番ですね」
「そうです、では私もです」
「畑中さんも」
「今から入らせて頂きます」
「わかりました」
僕は畑中さんに微笑んで答えた。
「では入られて下さい」
「その様に」
「やっぱりその木刀を千回二千回となると」
それプラス他の鍛錬もあるしだ。
「相当ですね」
「カロリー消費がですね」
「汗もかいて」
「ですから何百も振っていますと」
「お酒もですか」
「相当抜けています」
「やっぱりそうですか」
僕も聞いていて納得した。
「そうなりますか」
「はい、冬でも汗をかきます」
「真冬でも」
「真冬の朝でもです」
十一キロの木刀を千回二千回と振っていると、というのだ。
「そうなります」
「ううん、真冬の朝でもですか」
「汗をかきます」
「相当な鍛錬ですね」
「それが直新陰流です」
「相当強かったらしいですが」
何でもこの流派の人に千葉周作が負けたとか聞いたことがある、あの江戸時代後期を代表する剣豪がだ。
「その鍛錬があってこそですね」
「そうだったと思います」
「そして勝海舟もですね」
「この流派の免許皆伝でした」
「頭がいいってイメージが強いんですよね」
またこの人の話になったけれど本当にだ。
「口も強くて気風もいい」
「いい意味での江戸っ子ですね」
「はい、ちょっと口は悪いですが」
「確かに実際そうした方だった様ですね」
「船酔いはしたらしいですが」
だから咸臨丸の時は全く動けなかったらしい、それで同乗していた福沢諭吉は終生勝海舟を馬鹿にしていたらしい。
「それでもですね」
「頭と口、気風の方ですね」
「どうしても、ですが」
「剣術も相当だったのです」
「多分鬼みたいに強かったんでしょうね」
「やはり」
「免許皆伝だけあって」
どの流派でもそこまでいくと凄いだろうけれどだ。
「腕力とかも」
「足腰もです」
そちらの方もというのだ。
「凄かったのでしょう」
「十一キロの木刀を毎日千回二千回ですから」
「やはりです」
「足腰、腹筋や背筋も」
勿論腕全体の筋肉もだ。
「相当でしたね」
「そうだったかと」
「畑中さんにしましても」
やはり免許皆伝だけあってだ。
「相当ですしね」
「筋肉がですか」
「お見事ですよ」
お歳からは全く考えられない位にだ。
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