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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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42部分:第四話 張飛、馬超と会うのことその六


第四話 張飛、馬超と会うのことその六

「このアースクエイク選手は」
「今大会優勝候補筆頭です」
「はい、それに対して張飛選手がどう健闘するか」
「それに注目です」
 こう話してだ。そのうえで闘いを見守る。アースクエイクは目の前に立つ張飛を見下ろしながらせせら笑って言うのであった。
「おいおい、子供かよ」
「子供でも鈴々は強いのだ」
「強いっていうのか!?」
「そうだ。かかって来るのだ」
「はっ、じゃあな。容赦はしねえぜ」
「はじめ!」
 声がかかった。それがはじまりだった。
 アースクエイクはすぐに鎌を出してきた。それは張飛に向かって飛ぶ。
「ぐっへへ!」
「さあ、早速鎌を出してきたアースクエイク選手!」
 アナウンサーがそれを見て叫ぶ。
「鎖から伸びてきます!」
「これをかわすのは容易ではないわ」
 ここでまた言う審配だった。
「そしてかわせなければ」
「まずいですか」
「ええ、間違いなく」
「さて、どうするか張飛選手」
 アナウンサーの実況はその中でも続く。
「この鎌を。どう防ぐのでしょうか」
「こうするのだ!」
 そしてその張飛が動いた。その手にある蛇矛を鎌に向けて一閃させた。
 するとであった。鎌は吹き飛びだ。アースクエイクの手から離れた。
「何っ!?」
「今なのだ!」
 張飛は前に突進しその足元を蛇矛で払った。それでアースクエイクを瞬くの間にこかせてしまった。それで決まりであった。
「うぐぐ・・・・・・」
「一本なのだ」
「何と、小兵張飛選手勝利です!」
 アースクエイクは五体満足なままだ。しかしそれでも武器は飛ばされ倒れている。勝敗は誰の目から見ても明らかなものだった。
「何とも意外な展開になりました!」
「あの張飛という娘」
 審配の目がここで強いものになる。
「どうやらかなりの強さのようね」
「はい、確かに。そして続きましては」
 試合はさらに進む。馬超も闘いの場に出た。
 対するは緑の肌に粗末な黄色い服を着た腰の曲がった小男だ。顔は醜く歪んでおりその左手には巨大な大きい爪がある。その男が彼女の相手だ。
「けけけ、主では無理じゃ」
「また随分と変わった奴が出て来たな」
「さあ、涼州の名門馬家の出身馬超選手と」
「馬超!?」
 その名前を聞いた麹義がふと声を漏らす。
「まさか。こんなところまで来ているなんて」
「あれ、お知り合いだったんですか?」
「あのやたらと長いポニーテールの娘と」
「ええそうよ花麗、林美」
 こう二人にも返す。
「私も涼州の出身だから」
「そういえばそうでしたよね」
「黒梅さんのお生まれは」
「ええ」
 こう顔良と文醜にも返す。
「そうよ。今では馬家の若き当主」
「そんなのがここにですか」
「来ていたなんて」
「その腕は涼州でも随一」
「凄いことになってきたっていうか」
「この武闘会って」
 高覧達も言う。
「しかし。涼州っていったら」
「そうそう」
 そしてある話になるのだった。
「そこってこれから私達が進出しようとしているところだし」
「都の北からね」
「馬氏は今は」
 麹義がここで言う。
 
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