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ライフワーク

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第四章

「そして描き続けることにしたよ」
「ライフワークが終わってもだね」
「まだ描き続けることにした」
「そう決めたんだね」
「うん、ある作品を読んでね」
 そしてというのだ。
「こうした作品を自分も描きたいと思って」
「成程、断筆を決めていた人間にまた描かせるとはね」
「凄い作品もあったものだ」
「全く以て」
「考えてみたらこれまで四コマはなかったよ」 
 このジャンルの作品を描いたことはというのだ。
「だからね」
「四コマを描くんだ」
「これからはそうしていくんだ」
「そうなるよ、しかしね」
 ここでだ、カサロヴァは笑ってこうも語った。
「ライフワークと思っていてもね」
「それでもだね」
「自分でそう思っていても」
「長く描いてきても」
「それが自分の最後の作品だと思っていても」
 それでもというのだ。
「違ったりするんだよ」
「自分ではそう思っていても」
「描きたい作品は全部描いたと思っていても」
「まだ描きたい作品が出たりする」
「そうなんだね」
「そう、ライフワークと思っていても」
 描いている作者がだ。
「違ったりするんだよ、だから僕はこれからもね」
「描いていくんだね、漫画を」
「そうしていくんだね」
「そうするよ、筆を折らずにね」
 この考えは捨ててというのだ。
「描いていくよ」
「よし、じゃあ頑張ってくれ」
「君の作品は実際に面白いからね」
「これからも描いていってくれよ」
「ライフワークと思っていた作品は終わっても」
「これからもね」
「そうさせてもらうよ、やっぱり漫画を描くことはね」
 このこと自体についてもだ、彼は笑顔で言った。
「楽しいよ」
「そうなんだね、じゃあね」
「これからも楽しんで描いていってくれ」
「そうするよ、自分が描きたい作品をね」
 友人達に答えた、そして実際にカサロヴァは描いていった。自分が描いたいと思っている作品を。


ライフワーク   完


                 2017・4・13 
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