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歌集「春雪花」

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 溜め息を

  つきてや草木の

   濡れにける

 降りたる雨に

    想いつのりし



 もうメールも返ってこない…。
 所詮はそんなものだと割りきってはいても…寂しさに溜め息をつく…。

 生憎の雨に青空も見えず、雨に打たれる草木だけを…ただ虚しく見詰める…。

 雨は降り続く…人の心なぞ知らぬと言うように…。

 そして…彼への想いを静かに募らせてゆくのだ…。



 思う間も

  心も知らぬ

   露空の

 落つるは淋しき

     涙なりけり



 真っ暗な空…人の心なぞ知る由もない…。

 こうして彼のことばかり考え…彼に会いたいとひたすら願い…寂しさに堪えかねて見上げた夜空に、星の一欠片も見せてはくれぬとは…。

 星影を落とす代わりに…ただただ寂しさの増すだけの雨を降らせるとは…。


 あぁ…雨なのか涙なのか…もう私には解らない…。



 
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