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夢幻水滸伝

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第十一話 岐阜城にてその八

「ロシアとかインドとかな」
「氷帝とか雷帝とかか」
「あそこは必要やって思ったらな」
 その氷帝や雷帝がだ。
「平気でそうしてな」
「魂も消してか」
「そうして勢力拡大させてるらしいわ」
「鬼みたいな連中やな」
「他にそんな連中はおらん」
 氷帝や雷帝だけだというのだ。
「アメリカや中国も連中も強いけどな」
「その連中はそこまでせんか」
「どっちも六将星の奴が二人ずつおる」
 米中にはというのだ。
「ちなみに東南アジアとオセアニアは四智星が一人ずつ、中南米には六将星が一人」
「それでこっちは僕と自分と綾乃ちゃんやな」
「そうなってるんや」
 神星のいる場所はというのだ。
「そんでどの連中もそこまでせん」
「捕虜にする前に皆殺しとかか」
「そこまではせん、賊は殲滅しててもな」
「その辺りの勢力をそうせんか」
「連中街を消し飛ばすことすらしてるしな」
 氷帝、雷帝共にというのだ。
「それぞれの力を使ってな」
「イワン雷帝みたいやな」
「まあまんまやな」
 芥川は中里が出した彼等の世界においてあまりにも有名なロシアの皇帝のことを否定せずにこう返した。
「それは」
「やっぱりそうか」
「ああ、敵とみなしたら容赦せん」
「圧倒的な力でやな」
「皆殺し、粛清や」
「そうしたやり方か」
「攻め方もえげつない、しかし統治はええ」
 氷帝や雷帝のそれはというのだ。
「恐怖を見せてそのうえでしっかりした内政をやってる」
「飴と鞭かいな」
「そうや、そうした統治をしてな」
「まとまってるんやな」
「そうなってるわ」
「つまり統治の為の皆殺しか」
「そういうこっちゃ」
 彼等も好きでそうしたことをしている訳ではないというのだ。
「政治の為や」
「粛清をしてそのうえで反対者を黙らせるか」
「一人を消して百人を静かにさせる」
「まあ正しい政治の一つやな」
「そやろ、ただな」
「それが出来る奴はやな」
「そうそうおらん」
 芥川は中里にこう話した。
「それが氷帝と雷帝や」
「成程な」
「こっちとは全然ちゃう」
「日本とはか」
「いや、太平洋とはや」
 日本だけでなくというのだ。 
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