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夢幻水滸伝

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第十一話 岐阜城にてその一

                 第十一話  岐阜城にて
 関ヶ原の戦での趨勢は決した、東海の軍勢は崩れだした。それは山の本陣だけでなく。
 滝沢と雅が率いている騎馬隊もだった、二人は芥川と激しい死闘を繰り広げていたがその彼等の周りの騎馬隊にもだった。
 大蛇は息による攻撃を浴びせた、するとだった。
 騎馬隊も崩れた、元々関西の軍勢の鉄砲や槍に防がれて攻めは停滞していたがここで彼等も崩れたのだ。
 その状況を見てだ、雅は眉を顰めさせて呻く様に言った。
「これでは」
「もう、か」
「はい、終わりかも知れません」
 ここでの戦はというのだ。
「本陣のある山もです」
「攻撃を受けているな」
「大蛇の、こうなりかねないことはわかっていましたが」
 それでもとだ、雅は歯噛みしたまま滝沢に話した。
「だからこそ軍勢に仕掛けたのですが」
「完全に裏をかかれたな」
「はい、そして星の力を使わせてしまいました」
「相手が使わせたくない力を使う」
 芥川はニヤリと笑ってだ、歯噛みする二人に言った。
「そういうことや」
「やられました」
 雅は芥川にも苦い顔で述べた。
「まことに」
「負けを認めるってことやな」
「はい、残念です」
 これが雅の返事だった。
「実に」
「ほなこれからどうするんや」
「雅、ここは任せろ」
 滝沢はここで雅にこう言った。
「自分はすぐに棟梁のところに行け」
「そうしてですね」
「棟梁は今頃正宗と一緒に本軍を退かせてる」
 中里達との戦いを中断してというのだ。
「そして騎馬隊もな」
「滝沢君がですか」
「まとめる、だからな」
「はい、では」
「ここは任せろ」
「わかりました」
 雅は滝沢の言葉に頷いた、そしてだった。
 二人で術、煙幕のそれを芥川に向かって放った。芥川はそれを自分の術で無効化させたがその無効化させる一瞬を利用してだった。
 雅は坂口のところに行き滝沢は騎馬隊の采配に戻った、そのうえで将兵達に言った。
「退け!」
「ここはですか」
「そうしますか」
「そうだ、動ける者は全員護ってだ」
 そうしてというのだ。
「すぐにこの場を退くぞ」
「わかりました」
「それでは」
「後詰は私がする」
 率い戦うというのだ。
「そうする、いいな」
「そしてですか」
「生きている者は全員ですか」
「退かせる、いいな」
「はい!」
 将兵達が応えてだ、そしてだった。
 騎馬隊は急いで洗浄を離脱した、滝沢は自分で言った通り自ら後詰となり戦い将兵達を退かせる。その彼等にだ。 
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