レーヴァティン
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第八話 神殿にてその十五
「本読んで話をしてな」
「修行していたと思うが」
「毎日な」
実際にそれも忘れていなかった、久志も英雄も日々刀剣を振りそうして激しく汗をかき鍛錬も忘れなかった。馬術についてもそうしていた。
しかしそれでもだとだ、久志は言うのだった。
「けれど冒険とは違ってただろ」
「ああして常に歩いて戦ってはか」
「なかったからな」
「つまり精神的にか」
「けだるかったんだよ」
そうした心情だったというのだ。
「ずっとな」
「そうか」
「ああ、それでな」
「冒険を再開出来てか」
「嬉しいな、けれどな」
ここでだ、久志はこうも言った。
「命懸けなのはな」
「念頭に入れておかないとな」
「そうだよな、そこは」
「その通りだ、しかし俺達は抜いた」
「レーヴァティン、天羽々斬をな」
「それぞれな、その力は絶大であることは間違いない」
「だよな、今は振ってるだけだけれどな」
鍛錬の時にだ、振ってみた感覚はどちらも軽い。巨大jな剣身を持つレーヴァティンでも片手で振れる位の軽さだ。炎や氷は二人がそれぞれ出すなと思うと出ないのかどちらも普通の刀剣と変わってはいない。
「それでもな」
「感じるな」
「持っているだけ、いや腰に差しているだけでな」
「そうだな」
「はっきり感じるぜ、とんでもない力があるぜ」
「伊達に世界を救うだけの力があるって言われてないな」
「俺達の世界ではそれぞれ世界を燃やし尽くし神を滅ぼした」
レーヴァティン、天羽々斬はというのだ。
「それだけにだ」
「滅茶苦茶な力があるな」
「だからこれからの冒険や行動はだ」
「これまでより遥かに楽か」
「それに防具も揃った」
英雄はこちらの話もした。
「鎧、兜とな」
「小手や膝当ても買ったしな」
「御前は片手で振れるから盾も使える様になった」
こちらもというのだ。
「これまでとは全く違う」
「その面でもだな」
「そうだ、これからはだ」
「武器や防具が全く違ったからか」
「遥かに楽だ」
そうだというのだ。
「俺も御前もな」
「そうなるか」
「俺はまずはだ」
「ずっと言ってるな」
「港町に行く」
東の島に行く空船が出入港しているそこにというのだ。
「そうする」
「そうか、じゃあそこまで一緒だな」
「御前も来ると言っていたな」
「約束は守るぜ」
「約束した覚えはないが」
「俺に約束したんだよ」
そうだとだ、久志は英雄に笑って話した。
「俺自身にな」
「そういうことか」
「じゃあいいな」
「好きにしろ」
英雄はここでも久志にこの言葉で返した。
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