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レーヴァティン

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第八話 神殿にてその十三

「仕方ないな」
「やるしかないな」
「あのレーヴァティンが抜けなかったらな」
 その場合からだ、久志は英雄に話した。
「もうな」
「別にだな」
「適当に傭兵なり冒険者なりで暮らしていただろうな」
「そうだな」
「けれどな」
「それがだな」
「ああ、変わったからな」
 久志は目の光を強くさせて英雄に言った。
「それがな」
「そうだな」
「ああ、もうな」
 それこそというのだ。
「レーヴァティン抜いたからな、俺は」
「俺は天羽々斬を抜いた」
「だったらな」
「この世界を救うしかなくなった」
「そういうことになったからな」
「わかるな」
「ああ、選択肢は一つだ」
 久志は鋭い目になり英雄に答えた。
「俺も御前もな」
「二つの島をそれぞれ統一してだ」
「そして軍勢をまとめて」
「それぞれ十二人集めてだ」
「魔神自身とも軍勢とも戦ってだな」
「勝つしかない」
「そうなったな」
「魔神のことはまだよくわかっていないことも多いが」
 神殿の書を読み漁り神官達から片っ端に近い形で聞いていてもだ。
「しかしかなりの力を持ち尚且つ強大な力を持ちだ」
「世界を脅かそうとしてるな」
「この二つの島もな」
「やっぱりこの二つの島が壊滅させられたら俺達もだよな」
 久志は考えつつ英雄に話した。
「当然な」
「鍋が壊れてその中の具は無事か」
「そういうことだな」
「俺達が今いる島が破壊されでもしたらだ」
「そこにいる俺達も終わりだな」
「ならわかるな」
「ああ」
 一言でだ、久志は答えた。この時もこうした。
「そういうことだな」
「俺達が生きる為にも」
「そうだ、魔神とその軍勢を倒さないといけない」
「この世界での俺達自身が生きる為にもか」
「あちらの世界にどう影響するかは知らないがな」
「影響がなかったらいいな」
「俺もそう思う、しかしだ」
 英雄はただでさえ鋭い目をさらに鋭くさせて言った。
「俺達がこの世界で生きる為にはだ」
「この世界でも全力を尽くさないとな」
「そうだ、生きるにはだ」
 それならというのだ。
「それなりに力を尽くさないとならない」
「だからだな」
「俺も当然だが」
「御前もやれっていうことだな」
「そうしなくてもいいがな」
 選択肢は一つしかないとは言った、しかし英雄はそれでいて久志にこうも言った。 
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