レーヴァティン
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第七話 炎の剣と氷の刃その十三
「その分だけ危険が多いってことだからな」
「それぞれの寿命まで生きられてもな」
「寿命はわからない」
これのことはとだ、英雄の言葉はシビアだった。
「人のそれはな」
「それぞれだよな」
「そうだ、人間の寿命はだ」
まさにそれはというのだ。
「これ以上わからないものはない」
「人間が何時どうして死ぬかはな」
「神のみぞ知るだ、だが死んでも生きることが出来る」
間違いなく、というのだ、
「このことは覚えておくことだな」
「お互いにな」
「そうだ、ではまた夜にだ」
「行こうな」
「それでだが」
英雄はここでまた話を変えてきた、今度の話はというと。
「御前はこの世界ではどうするつもりだ」
「どうするって普通の学生生活送ってるぜ」
「違う、御前はあちらの世界でそうした店に興味があったな」
「そうした店ってか」
「こちらの世界にもある」
にこりともせず鋭い目をだ、英雄は久志本人に向けて問うた。
「リアルの世界ではどうする」
「それはな」
「金がないか」
「いや、それだけはあるさ」
風俗に行く位のはとだ、久志は英雄に答えた。
「バイトもしてるしな」
「なら行くか」
「いや、そう言われるとな」
戸惑いを顔に出してだ、久志は英雄に言葉を返した。
「ちょっとな」
「行かないか」
「だから俺はな」
「そうした経験がないからか」
「そうだよ」
だからだというのだ。
「そうしたことは何ていうか大事にしたいだろ」
「そういうものだと考えているからか」
「ちょっとな」
それはというのだ。
「考えたいな」
「そうしたことはか」
「お店に行くにしてもな」
「そうか、なら考えることだ」
「そうして決めろってことだな」
「御前のことだからな」
だからだという返事だった、英雄のそれは。
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