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提督していない提督による騒がしい日常

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過去編、彰人が提督となったきっかけ

 
前書き
またまたお待たせしました
今回は3つですね
とりあえずこれで1回過去は終了かな?
飛龍のブチギレも書きたいですが
それはまた今度 

 
ふと目が覚めると、ただ真っ白い天井が見えた
体を起こしても見慣れぬ光景だった
「病...院?」
なぜかじっとしていられなくて動こうと思った矢先、片足が異様に重い
布団を捲り、見てみるとギプスが付けられていた
「あれ...足なんて折れてたっけ?」
記憶に無い、なぜ病院に居るのかもだ
必死に思い出そうとしたが、すればするほど頭が割れるように痛くなる
あまりの痛みに起きてられなくなった俺は再びベッドに寝っ転がった
様子を見に来たのだろうか
看護婦が俺を見るなり血相を変えて走り去って行った
「なんだ...?なんかしたのか?」
俺が分かるのは自分が何者であるか、それぐらい
先ほど走り去って行った看護婦が男を連れて戻ってきた
「彰人くん、目が覚めたのか」
「は、はぁ...」
「一応、健康診断受けてもらうけどいいかな?」
俺は言われるがままに連れてかれ、検査をされたが医者曰く、異常は何も無いそうだ
「君はしばらく安静にしててね、足も折れてるし」
動こうにも動けないんだよなぁ
なぜかわからんが個室になってるし
入院代とか誰が払ったんだろうか
しばらく考えていたが思い当たる節は無し、親戚も居ないし...
「ん?なんだこれ...」
近くの小さな机になにやらすこし大きめの画用紙にアルバム、そして本が2冊、置いてあった
『暇になったら読めよ by幸宏』
クラスの連中が置いていったものだった
画用紙を見るとなにやら心配されていたようだ
困った時は頼ってくれだの相談に乗るなど書かれていたのだが
「もう、立ち直れなさそうだよ...」
自分でもわかるような悲しい顔をしながら、独り言を発した
そして俺は幸宏が置いていった本を手に取り、中身を見る
『エロティック侍』
投げ捨てた
「あのやろう...ぶっ殺す...」
気を取り直し、もう1冊を開く
『脳筋ばかりの世界で俺は頭で生き残る』
異世界ものだった
「はぁ、嫌いじゃないからいいか」
それはそうと腹が減って仕方が無いが大人しく寝ることにした

次に目を覚ますと目の前の小さな机のようなところに朝ごはんが置いてあった
...昨日寝たの昼過ぎだったんだけど..
のんきに朝ごはんを食べていると看護婦さんが部屋に入ってきた
「朝ごはん食べた?」
俺は軽く返事をして本を手に取る
すると看護婦は用があったようで話しかけてきた
俺は本を読むのを止め、話を聞く
「今日彰人くんにお客さんが来てるんだよね」
「客ですか?俺に?」
クラスのやつかな?でもこの前寝てる間に来たらしいけどな
俺はすぐ近くの画用紙を見ていた
おっと、話を戻そう
「何時頃来るんです?」
「えっ...とね...今」
そうか、もう来てんのか...
「って?今!?」
看護婦は呼んでくるわね、と言って部屋を出ていった
しばらくすると扉がノックされた
入室していいか?と聞かれたので俺は了承する
すると扉を開けて入ってきたのは...
どこかで見た事のある白い軍服を着た人だった
「今日は君に話したい事と渡したいものがある」
俺はその人の服装を見て、何かを思い出す
「...父...さん」
ふと口から言葉がこぼれる
「...やはり見ていたのか...」
そして目の前の人が制帽を取る
「すまない、紹介が遅れたな」
「俺は白石雅人、君のお父さんの直属の部下だ」
階級は少将らしい
「君に、これを受け取ってほしい」
そう言って白石は懐から古びた日記を取り出す
「君のお父さんの日記だ、読んでみてくれ」
俺はその古びた日記を開く、すると1枚の写真が落ちた
俺はそれを拾い 見た瞬間、とめどなき衝動に駆られる
そこには1人の提督、そして1人の艦娘、そして間に座る少年
その3人の表情はとても明るかった
不意に俺の頬に一筋の涙が流れる
これは...最初で最後の家族写真だった
俺は涙を拭うことなく日記を開く
日記には日付が年単位で書かれていて
その日あったこと、艦娘の要望だったり当時の練度などが事細かく書かれていた
だが、毎回日記の最後の方になるにつれて何かを心配する文が書かれている
「父さん...俺は...ちゃんとやってるよ...」
俺を心配する文が毎回書かれていた
俺が通う学園の体育祭に意地でも見に行こうとしたが止められたなども書かれていたが...
俺は涙を止めることはできなかった
「...時間を空けるか?」
俺は鼻を啜りながら大丈夫です、と答える
「...わかった、話を続けよう」
「単刀直入に言おう、君に横須賀を継いでほしい」
俺は医者を目指していたが、それも今日まで
「父さんは遺言を残してましたか?」
「あぁ、横須賀を頼む...と」
やはり父さんはわかっていた
俺が提督をやることを...
「やっぱり...父さんとつくづく同じだな...俺は...」
結局は幼いころに抱いた憧れと、尊敬を忘れることができなかった
夢を...諦められなかったのだ
「やって...くれるかい?」
俺は決意を込めた声音で悲しみを押さえ込みながら答える
「もちろんやります、やらせてください」
俺が夢を継ぐ、父さんが目指した世界を創る
「とりあえず提督の素質があるのは子供の頃に測定済みだから」
あれ?いつのまに?
「普通の提督の遥かに凌駕していた照彦さんを遥かに超えてたから」
ん?ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙?
「ちなみに普通の提督だと艦娘とケッコンできるけど君のお父さんは例外だったんだよ」
「どういうことですか?」
「指揮系統って言われてるのが提督の素質なんだけど艦娘の力を常に最大限引き出せる人間が稀にいるんだ」
普通の提督が指揮レベル3だとすると父さんは7くらいあったんだとよ
「ちなみに彰人君は10だよ、5以上からケッコンが結婚に変わって10を超えるとまた例外で重婚が許される、なんとも羨まけしからん」
俺、ちょっと自分を見失ってきたかも...
「とりあえず学校には行ってもらうよ」
「いまの学校はどうするんですか...?」
「辞めてもらう」
うぅぇぇぇぇぇえ!?
せっかく3年目だったのに...
「だけど彰人君の学習能力を信じて1年だけにしてあげるから1年で3年分頑張って」
1年で...3年分?辛っ!!
「ちなみに本来そのあとにも憲兵か本部に2年くらいやらされるけどそれも1年にしてあげるから」
「2年分の働き...か」
理解が早くて助かる、と言われてしまった
「では私はこれで、編入手続きがあるんでね」
「わかりました」
「ちなみに階級は少佐か中佐から始まるよ」
結構上なのな....
そう言い残し白石は部屋を出ていった
俺は日記と写真を重ねて置く
深く息を吸い、冷静になる
きっと、実現してみせるさ




艦娘と人間の完全共存世界
艦娘が兵器だという感覚を完全に撤廃するために
俺は父さんの遺志を継いで代わりにその道を進むんだ


ナニガ...アッテモ... 
 

 
後書き
若干闇がありました
あとこの主人公、ありとあらゆる才能を詰めておりますが基本は無駄遣い、宝の持ち腐れです
実際指揮力に差なんてねぇ!!と言いたいですが
それはもうすこし先に... 
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