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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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139部分:第十三話 曹操、袁紹と官渡で会うのことその一


第十三話 曹操、袁紹と官渡で会うのことその一

               第十三話  曹操、袁紹と官渡で会うのこと
「ねえ麗羽様」
「何ですの?」
「何進将軍から手紙が来てますよ」
 文醜が君主の座にいる袁紹に対して述べる。隣には顔良がいる。袁紹の左右には田豊と沮授がいる。政治の話をしている時はこの二人だった。
「どうされますか?」
「大将軍からでして」
「はい、読まれますか?」
 こう主に対して言うのだった。
「何ならあたいが読みますけれど」
「いいですわ。自分で読みますわ」
 それは自分でするというのだった。
「それでは」
「はい、それじゃあ」
 こうして文醜の手から袁紹に手渡される。そのうえで読まれるのだった。
 読み終えるとだ。田豊と沮授がすぐに主に問うてきた。
「それでどう言っていますか?」
「大将軍は」
「異民族のことですわ」
 それだと二人に返すのだった。
「そのことですわ」
「異民族ですか」
「そういえば烏丸が最近」
「ええ、不穏な空気を見せていますわね」
 このことを話すのだった。
「それまでは異民族の中では比較的大人しかったというのに」
「はい、それでこのまま取り込めると思ったのですが」
「上手くいかなくなってきました」
 こう話す田豊と沮授だった。
「それどころか攻め込んできかねません」
「ですから」
「ええ。征伐ですわね」
 ここで結論を言う袁紹だった。
「ここは」
「それで大将軍からもですね」
「そのことで」
「では私達が出ます」
「すぐに征伐してきますよ」 
 顔良と文醜がこう言ってきた。
「花麗ちゃんと林美ちゃんもいますし」
「黒梅姉さんだって涼州から戻ってもらって」
「いえ、まずは華琳と話すように言ってますのよ」
 ところが袁紹はここでこう四人に言うのだった。
「華琳と二人で準備をするように書いてますわ。この征伐は大将軍直々に出られるそうですし」
「えっ、大将軍がですか?」
「それ本当ですか!?」
 顔良と文醜は今の袁紹の言葉にその目を思わず丸くさせた。
「普段は洛陽におられるのに」
「また今度はどうして」
「そうですね。おかしいですね」
「これは」
 田豊と沮授もこのことにはいぶかしむ顔になっていた。
「宦官達との争いを放っておいてですか」
「それで都を出られて」
「そうした事情はわたくしも知りませんが」
「はい。都の内情は今神代ちゃんが調べてますし」
「もうすぐ戻ってきますけれど」
「そうですわね。ただ」
 袁紹はここで考える顔で述べた。
「都を空けられるようになったのは間違いありませんわね」
「はい、そうでなければとても」
「そうしたことはできません」
 それは田豊と沮授も頷く。少なくとも政治に関することでは袁紹は決して無能ではなかった。そのことは周りもよくわかっていた。
 
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