Blue Rose
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最終話 薔薇は咲いてその三
「買わないと」
「そう、車はね」
「あるとないのとで全然違うわね」
「だから私も大学に合格してすぐに免許取ってね」
「それでよね」
「車もね」
それもというのだ。
「買っておいたのよ」
「あの時よく買えたわね」
「中古で思いきり安いの買ったから」
「いけたのね」
「そうよ、何とかね」
「あの時姉さんまだ働いてなかったけれど」
「それでも買ってね」
そうしてというのだ。
「足を確保していたのよ」
「そうだったのね」
「だから貴女もね」
「免許は持ってるし」
大学一回生の時に早速習得した、優子が絶対に持っていた方がいいと言ったのでそれで教習所に
行ったのだ。
「だからね」
「後は車ね」
「それもあったらね」
「かなり助かるのよね」
「いざという時にもね」
危急の事態が起こり急いで行かねばならない時もだ。
「助かるのよ、本当に」
「それじゃあね」
「ええ、じゃあこれからのことは」
「ゆっくりと考えるのね」
「このお家を出ることはね」
「そうね、じっくり考えていいわね」
「ええ、もう一人暮らしの経験もあるから」
長崎でのことをまた思い出す、優花にとってはいい思い出の一つとなっている。
「私も自信があるわ」
「そうよね」
「何につけても楽しくやっていきたいわ」
「そうしてね」
「そうするわね、本当に就職も決まって」
「ほっとしてるわよね」
「女の人として」
そうなっていた、成長するにつれて。
「生きていってるのね、私は」
「そうよ、もうね」
「男の子だったことは過去のことで」
「貴女は完全に女の人よ」
「そうよね。もう過去のことで」
「これからもよ」
「女の人として生きるのね」
優花はこのことをまた深く思った、そのうえで言葉を出した。
「若し結婚しても」
「奥さんになるのよ」
「そうね、子供も産んで」
「それが出来るなんて思えないでしょ」
「赤ちゃんね」
子供のことはだ、優花はこれまで話したこと以上にだ。不思議な感触で行った。
「私が赤ちゃん産んでお母さんになるのね」
「女の人は誰でもなれるのよ」
「誰でもなのね」
「そう、ただいいお母さんになれるかどうかは」
そのことはというと。
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