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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八話 プールサイドからその二

 そしてだ、僕達は三人でプールの中を回り続けた。確かにカップルや親子連ればかりの場所だった。水着姿の。
 ここでだ、僕はまた二人に言った。
「目の毒かな」
「あら、義和もなの」
「そうしたこと興味があるの」
「同性愛じゃないからね」
 そうした趣味はない、本当にだ。
「だからね」
「女の子にもなのね」
「興味があるのね」
「そうだよ」
 否定すれば嘘になる、だからこう答えた。
「実際にね、ただ」
「ただ?」
「ただっていうと」
「親父みたいにね」
 あのとんでもない女好きの親父と比べるとだ。
「こうした時に一人の人を見ると声をかけることはね」
「しない」
「そうなのね」
「うん、しないよ」
 全くとだ、僕も答えた。
「そうしたことはね」
「そうね、義和はね」 
 テレサさんも僕のその言葉に頷いて言った。
「そうしたことはしないね」
「うん、性分じゃないんだ」
 そうしたことはだ。
「だからね」
「それでなのね」
「しないのね」
「そう、だから」
 僕はまた言った。
「興味があるけれどそれだけかな」
「交際は?」
 イタワッチさんは僕に顔を向けて聞いてきた。
「それはないの?」
「うん、まだね」
「ないのね」
「告白されたりとかは」
 ついでに言うとこちらからしたこともだ。
「ないよ」
「もてないの」
「というか女の子とは」
 これまで生きてきた限りではだ。
「普通に会話が出来てるけれど」
「お友達なのね」
「そうした関係の娘ばかりで」
「交際とはなのね」
「いったことがないんだ」
 一度もだ、それこそ。
「最初からそうした関係になったこともないし」
「意外ね」
「意外かな」
「義和普通にね」
「普通に?」
「平均点高めだから」
 だからというのだ。
「彼女もいそうだけれど」
「いないよ」
 僕はまたイタワッチさんに話した。
「本当にね」
「そうなの」
「僕は親父とはね」
「正反対なのね」
「奥手だから」
 自分でこう言った。
「そうしたことはなったことがないよ」
「自分から言ったら?」
 今度はテレサさんから僕に言ってきた。 
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