レーヴァティン
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第五話 神殿でその三
「もう一匹欲しいな」
「荷物運びの仲間にか」
「荷物が多いからな」
だからだというのだ。
「もう一匹と思ったが」
「そうか、金があればか」
「馬を飼ってだ」
「ロバもか」
「買っておこう」
「金はあるしな」
前の村に入る時よりもずっとだ、それだけ多くのモンスターやならず者達を倒してきたということでもある。
「買うか」
「そうしておこう」
「何か旅のものの方に金を使うな」
「防具を買う以前にか」
「そうなってるな」
「これが冒険というものだろう」
「実際にするとか」
「ものを買う」
どうしてもというのだ。
「そうなっていく」
「食いものも買わないといけないしな」
「そうだ、だからだ」
「防具とかは先か」
「食えてものを運べてだ」
「泊まれてだな」
「それからだ」
あくまでというのだ。
「全部出来てからだ」
「シビアなものだな」
「飲むことは言うまでもなくな」
「現実そうなんだな、じゃあこの町では馬を飼ってだな」
「ロバもだ、あと必要なものはまだあるか」
旅にというのだ。
「町の市場を見て考えるか」
「ああ、この町結構大きいしな」
「店もものも多い筈だ」
「それで市場に入って見回ってか」
「調べるぞ、いいな」
「ああ、それじゃあな」
「そして情報も集めるか」
久志はこちらのことも話した。
「神殿、そしてこの世界のこともな」
「そうするか」
「一番いいのは酒場に入ってだ」
「そこで親父や客から聞くか」
「ああした場所が一番情報が入るからな」
店にいる者達から聞いてというのだ、親父なり客なりからだ。
「そうするか」
「そうだな、これまで考えてみれば世界のことはあまり聞いてなかったな」
「神父さんから聞いた話以外ではな」
「それじゃあ不十分だな」
「情報は多い方がいい」
聞くそれはというのだ。
「そしてもっと言えばその情報が正確かどうか」
「それを見極めるのも大事だな」
「偽の情報は知らないよりタチが悪い」
「間違えるからだな」
「過ちは無知よりも害だ」
英雄は鋭い目になり言った、久志そしてパンシャと共に人の多い道を進みつつ。
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