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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七話 朝御飯の後でその三

「もっとね」
「楽しむこともか」
「すればいいってね」
「お父上の言葉か」
「そうなんだ、まあ親父はね」
 うちの親父の場合はだ。
「また極端だけれど」
「享楽主義者だな」
「根っからのね」
 それこそだ、とにかく親父は禁欲主義というものとは縁がない、酒に美人にととにかく遊べるだけ遊んでいる。
「本当にそうだよ」
「そうだな、私はだ」
「禁欲主義だよね」
「否定しない」 
 自分のこの主義をだ。
「だから朝からだ」
「こうしたご馳走はだね」
「どうしても抵抗がある」
「わたくしもですが」
 円香さんも言う。
「これはいいのかと」
「しかし支払うものを支払っているとか」
「よいのですね」
「そうした考えもあるから、そもそもね」
 また話した僕だった。
「こうした朝からご馳走を楽しむこともある」
「そう思ってか」
「いいのですわね」
「そうだよ、まあ肩肘張らずに」
 何かとだ。
「今は楽しもうね」
「それでは」
「今は」
「そうしようね」 
「どうも釈然としないが」
「ですが」
 留美さんも円香さんも言う。
「義和殿がそう言うのなら」
「わかりましたわ」
 二人共頷いてくれた、妥協ということか。留美さんも円香さんも妥協する人ではないにしてもである。
 それで、だ。二人共だった。
 用意された席に座った、それからだった。
 二人共ソーセージや卵料理、サラダにパンを持って来た。そしてシャンパンを飲みつつ食べはじめて。
 そうしてだ、僕にこう言った。
「確かにな」
「美味しいですわ」
「これは朝食とは」
「とても思えませんわ」
「和食では考えられない」
「凄いものですわね」
「和食だとね」
 僕は二人と同じ席だった、とはいってもこのことはたまたまだ。畑中さんは今はダオさん達と一緒の席でお話をしつつ食べている。
「こうしたものはないね」
「白い御飯にめざし、納豆に卵焼き」
「お味噌汁ですわね」
「そして海苔だな」
「野菜のお浸しも」
「そうした感じだな」
「日本ですと」
 二人で話すがだ、ここでだった。
 二人共ふと気付いた顔になってだ、二人の間で話した。
「そうしたものがバイキングで出るとな」
「はい、外国では」
「かなり豪勢に感じるか」
「そうですわね」
「焼き魚に漬けもの、卵焼き、味噌汁に海苔とな」
「納豆やお豆腐と」
「そこまであるとな」
 欧州等ではというのだ。 
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