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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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課外授業のデイウォーカー
  謁見後の感想×前魔王ルシファーのバカ息子登場

謁見の間を出た俺達は、用意されていた部屋まで案内された。マリウスとのやり取りで終始不機嫌な様子のアザゼル、ずっと平然としてられたCB側は今後の相手をどう叩こうか考えてた。朱乃と白音にイリナも戦えるが、グレモリー眷属の相手が出来そうな相手ならしてもらうか。

「・・・・吸血鬼とは思えない異端の男だな」

「あいつに関してはスルーでいいだろう。それより邪龍とあの野郎がここにいるかが問題だ」

「でもあの男は私達も要注意だわ。誇りや血筋よりも己の欲求を満たす為に動いている吸血鬼は早々居ないわ」

俺らとリアス達では考え方が違うようだけど、まあ気持ちは分からなくてもない。あのマリウスという男、エルメとは明らかに違う性質だと思う。言動もそうだが、アイツは己の欲求しか考えていない。

「たく、あんなのは厄介に極まりすぎる。手合いだけど、種族の定めたルールを全速力で突き破っているからか。このクーデターもそこから始まったのだろう」

「そうだな、それに乗っかった者達があそこにいた貴族共だ。マリウスは己の欲求の為、政治家に協力者が必要だった。アイツに乗った政治家=お偉い共は聖杯による強化と現政府への不満解消を同時に叶えた」

「そうね、あとは聖杯で邪龍を復活させたのか、王側の打倒も容易かったと思うわ。それらを行わせた切っ掛けはあのバカな子の仕業のようだし、私としては複雑だわ」

「まあそうだね~。一真君があの『バカ野郎』というのはCB側だけ知ってるけど、まさか『アイツ』の仕業だとわねー」

「鎖国されている国だからこそ、可能な腐った貴族とテロリスト共の宴だったな。唯一私達を知ったクロウ・クルワッハも発言前後で、貴族達とマリウスは動揺してた」

まあそうなのだが、ルシファー達とシャルロットを隠す必要が無くなったから解除した。他勢力と国交持たない国で起きた御家騒動、冥界であった御家騒動とはスケールが違う。本来のツェペシュ当主、王であるエドワードはどこに行ったんだ?と廊下を歩きながら聞いてきた。

瀕死の重傷を負って領土から離れた、と言うのが表で裏取引によりカーミラ側へ避難した。ま、あんな最強の邪龍筆頭格がボディガードしてるのなら。ホントは重傷負ってもすぐに回復させたし、カーミラ側以外に助けを呼んだのはCBと蒼い翼のみ。

「一ちゃんの予想通りだ。裏で『禍の団』が関わっている以上、他勢力も介入しようと根強く交渉しているそうだが今も叶えないだろうよ。俺達は特例で入れられたようなもんで、ここに一ちゃん達CBと蒼い翼が来てる事態がもう可笑しな状況だ」

「一国のピンチだろうが、吸血鬼以外に助けを求めた勢力は我々CBと蒼い翼ぐらい。秘密裏だけど、助けを求めないのが今の情勢。吸血鬼達の価値観ってのは、俺でも分からんが」

「ところで一真と彼女は誰と話していたの?」

先程謁見で気になったのか、リアスが俺に話しかけてきた。あれについてグレモリー眷属も気になったようだから、全員に聞こえるような大声出しても問題ないと判断した事で話した。

「・・・・あの世の亡者さ」

「それは地獄、冥府や冥界に行った人間の魂ですか?」

アーシアがそう言ってきたが、亡者といえば死者の魂とかで怨霊や邪霊とか思っていたようだ。それに教会なら悪魔祓いとかあるからか、あの世に行けない魂とかなのかと考えていたらしい。

「人間の魂もあればそれ以外の異形の魂もあるが、混在し過ぎて原形と言う元が何なのか俺にも分からん。現段階でどういう状況かについて、それすらも分からない存在と会話してたよ。まあ俺も話の輪へ入ってた本人でさえ分からんが」

「余りよく分かりませんが・・・・」

「この世には理解不能までがあるけど、存在が分からないモノと話してると思えばいいさ・・・・聖杯を酷使した所為で相当精神汚染されている」

精神汚染の事を話したら、何となく理解したアーシア達。あの表情からして、心も身体も汚染されていると感じたらしい。俺の言葉にリアスも頷くのだった。

「ええ、私もすぐに分かったわ。・・・・ヴァレリー・ツェペシュは心、感情も曖昧なものにしている、と」

「・・・・一体ヴァレリーに何があったんでしょう」

表情を曇らせたギャスパーであるが、俺が必ず解決すると言ったら少し笑顔となった。一番ショック受けてるのはギャスパーだし、ヴァレリーの顔を見てるとずっと泣きそうにしてた。対人恐怖症で、封印後のコイツだったらシクシクと泣いていたが今は一人で背負い込む必要はないと理解はしてるだろう。

「一番の精神汚染をさせたのが聖杯であり、アレは生命の(ことわり)に触れて命や魂を神器使えば使うだけで『作り方』を強制的に知る事になる。命の情報量ってのは膨大なデータと言う感じで、アレを使う度に生きてる者と死んだ者に様々な者達の精神や概念を取り込んでしまうんだ」

「一ちゃんの続きとしては、それを取り込む事で自身の心に魂。無数の他者の意識が、心に流れ込み浸食するのを想像して考えてみろ・・・・壊れたブリキロボのようになって当然ぐらいになる」

「一真の死者蘇生とは違うのですか?」

「俺の死者蘇生と聖杯では違うと言っておく。俺が使う死者蘇生は神の力の一つで、汚染も無ければ無数の他者意識が浸食してこない。聖杯は乱用しまくるとヴァレリーみたいに精神汚染されてしまい、あの世にいる幽霊や亡者とこの世に存在しない言語で話し出す。俺はあの世の事を霊界と言うが、力を貸す霊もいればこの世に留まった霊をあの世に行かせる事も可能だよ」

そう言ってるが霊界と繋がる門があるのも知ってるし、行くとしたら大閻魔化となって霊界に行く事が可能。ここは冥府と冥界があるようだけど、別の地獄があって日本で言う閻魔大王が居る所かな。天国と地獄を決める分岐点であり、たまに霊界からのコールがあると異世界の冥府に行き閻魔と死神らの愚痴を聞きながら飲み会してる。

「では、彼女は・・・・」

「想像の通り、アレは普通の状態ではない。亡者が話し掛けてくんのも特性の一端であり、亡者達と会話してる様子を見るに精神汚染はレッドゾーンまで進んでると想定するな。マリウスはヴァレリーの聖杯を酷使と言うより相当使ってる様子、滅んだはずの邪龍をも現世に蘇らせる程に。使い方は大規模で大胆かつ乱用極まりない」

「一ちゃんの見る目は凄いな、観察力が俺と同等だろうけど戦った事もあるグレンデル達も聖杯で蘇生させたのだろう。一ちゃん達が探してたと言うクロウ・クルワッハも聖杯で蘇ったかまでは分からんよ」

「恐らくクロウ・クルワッハは聖杯で蘇らせた感じじゃないような。ま、それについては後々分かる事だろ」

グレンデル達もそうだけど、他の邪龍も蘇らせたと俺の推測になるが恐らく当たると思う。現時点で確認対象の邪龍は先程見たクロウ・クルワッハとグレンデルと共に龍門で召喚されたアジ・ダハーカとアポプスだけだ。

創造神データバンクによると『宝樹の護封龍(インソムニアック・ドラゴン)』ラードゥン・『霊妙を喰らう狂龍(ヴェノム・ブラッド・ドラゴン)』八岐大蛇(やまたのおろち)・『外法の死龍(アビス・レイジ・ドラゴン)』ニーズヘッグと出ている。

『今後邪龍に関して考えてただろ』

『まあな。俺の未来予知と言うか創造神データバンクが更新されて見ていたが、今後出てくる邪龍を仲間にするのはとても楽しみではある』

『最早俺達に邪龍と相手しても負ける気配さえ感じないが、一応警戒はしておくさ。量産型邪龍は存在してるそうだが、強さ的には他より弱いと聞いている』

『ヴァーリや曹操でも今後に関してはお楽しみな。特にヴァーリとルシファーだと邪龍より「アイツ」に関してだろうし』

ま、今の内に強敵が現れるかについては言わない方が面白味が無くなる。それと『アイツ』に関して最近知ったが、俺がこの外史に来てから戦争後に生き延びたルシファーの息子が行方知らずだと。

この外史に来てからだと聞いたし、本来だと『禍の団』がサマエルを使ってオーフィスの力を吸収させた分身の少女を作った。名がリリスだと聞くが、そもそもサマエルは吸収前に仲間となったから存在してないと。

「一真先輩にアザゼル先生、ヴァレリーを助ける方法はないのでしょうか?」

「助け出す方法はあると言えばあるが、まずは聖杯の活動自体を停止させねば・・・・」

「そうだな。聖杯を使わなければ精神汚染されずに済むし、ヴァレリーを保護させねないと・・・・」

ギャスパーが俺とアザゼルに問うので、幾つかの案を出しながら顎に手をやりながら一緒に考えるアザゼル。すると会話を止めた事によりリアスはどうしたの?と聞かれるが、前方から来る先を見るとルシファーとヴァーリは嫌悪感出しながら負のオーラが。とりま念話で落ち着けと言ってレヴィアタンとベルゼブブと黒歌と美猴でガードし、こちらに来る輩は銀髪中年男性で歳は四十代。

『アザゼル、アイツがここに居るとは思わなかったな』

『ああ。ルシファーとヴァーリの嫌悪した表情だが、恐らくリアス達はアイツが身に着けてるもんを見て絶句してるな』

『全く奴がここに居る事は知ってたが、いきなり現れるとは』

『サーゼクス同様な魔王の衣装だが、真紅ではなく銀が目立つ。ルシファーの面影があるからか、グレモリーらはアイツと見比べてる様子だ』

オーラは悪魔で、底知れない不気味な雰囲気を出している。俺もアザゼルも念話チャンネルカットとなったからか、実質二人の密談とされたからかもしれん。二人は忌々しい表情をし、ソイツを迎える事になる。男性がこちらに気付くと見た目とは裏腹な無邪気さ全開のような笑みで来たようで。

「およよ?こいつぁ、奇遇だな♪」

「・・・・全く、やっぱテメエもいんのか」

「一ちゃんの言う通り、テメエなのか・・・・っ!」

「んほほっ!おっ久し振り振り♪黒鐵のおっちゃんにアザゼルのおっちゃん、元気そうじゃん?」

やはりこの外史にも居たのか、まあコイツも居る事自体は知ってたけど俺がこの外史に来た頃には既に行方不明とされてたし。ルシファーから聞かされた俺であるが、実を言うと一度だけ会った事はあったが、喋り方については軽い口調なのは変わらないようだな。

皆はアザゼルより年上だと思うが、コイツは俺とアザゼルにとってクソガキにしか思えんから。コイツは俺らの反応を見て、嬉々としてこっちに来た曰く中二病こじらせた精神お子様なバカ息子と。

「・・・・一真にアザゼル、誰なの?」

「・・・・リゼヴィム。若いお前でもこの名を親から聞いているだろう、グレモリーであれば知っていて当然のような男だ」

「それにルシファーとヴァーリの顔見れば即分かる事だろうに・・・・」

リアスにも覚えはないし、コイツの事を知る者以外は誰?と思ったそうだがアザゼルと俺が言ってかなり強張ったな。その名を聞いて二人を落ち着くようにし、なるべく顔見させないようにしてたが。グレモリー眷属は頭に疑問符が付いてるな。朱乃らでも知ってる情報だからか、驚愕してないがまさか本物が目の前に現れるとはと少々ビビってた。

「・・・・ッ!?・・・・ウソ・・・・でしょ?」

「・・・・残念ながら嘘ではない」

声が震える程に驚いてるリアスを見たグレモリー眷属は、その名に覚えがなく一体誰なんだと言う顔をしている。アザゼルがコイツを紹介しようとしてたが、ルシファーの盟友であり伴侶でもある俺が言うとなった。

「・・・・コイツの顔を見て一生忘れる訳ねえよ。『リリン』は聖書に書かれた名だったから今はこの名で通ってた気がしてならねえ。ここに居るルシファーの息子でヴァーリの祖父とも言われるが、コイツの名はリゼヴィム・リヴァン・ルシファー!」

「そーんな怖い顔をするなよぉ、久々のママンにも会わせてくれよ?黒鐵のおじちゃん♪」

「うっせ、それにルシファーは嫌悪感で漂っているから、久々の再会は止めておけ小僧。ヴァーリも殺意と嫌悪で浮かべてんだからな」

「そんな顔しない方がいいぞぉ?増々老けるぞい♪」

コイツの事を紹介後、驚愕していたのはグレモリー眷属のみ。ルシファーを名乗れるのは前魔王と現魔王と現白龍皇、悪魔にとって始まるの母たる『リリス』がこちら側に居るルシファーの名であり、その間に生まれた息子は『リリン』として聖書に刻まれた者。ルシファーの実子とヴァーリの祖父に当たるし、曾孫らしいが父親はどうなったかまでは知らん。

「ルシファーを名乗れるのはここに居る前魔王ルシファーと曾孫のヴァーリ・ルシファー、現魔王であるサーゼクスのはあくまで役職名だから。ルシファーの血族はここに居る三人だけと推測しても可笑しくあるまい」

「まあそうだろうよ。サーゼクスのは役職名だからコイツとは赤の他人だし、血縁者も一ちゃんの言う通り三人だけとなる」

俺がこの外史へ来た時には、既に夫が他界してたしルシファーの名も封印されてた。リリス・ルシファーと言う本名だけが残ってしまい、記憶封印後に新たな四大魔王として活躍してた。ルシファー以外も本名はあるらしいが、レヴィアタン曰く本名を名乗りたくないのだと。俺が来た時には夫も居ないから全員バツイチで、今は俺と暮らしてるし結婚式も挙げてないけど妻として接してるから問題ない。

「ヴァーリ、今は抑えるにゃん!」

「分かっているが、あの野郎を見ると途端に殺意が昇ってくる」

「ルフェイ、私と一緒にヴァーリの目をあの人にいかないようガードしますよ」

「分かってます、美猴もお願いします」

「俺っちは様子見だ、アイツがこっちに来ないように見張っている」

「全く、とんでもない所で再会するとは思わなかったな。で、この野郎が現『禍の団』首領。俺やアザゼルに前四大魔王らが『アイツ』呼ばわりしてた奴だ」

『・・・・ッッ!?』

俺らCB側とアザゼル以外の全員が驚きで言葉を失ってたが、当然の反応だろう・・・・この幼稚なオッサンが『禍の団』首領。俺も聞いた時はマジかと思ったが、ユーグリッドと治安維持部隊が言ってた新たなボス。『禍の団』は今回の吸血鬼のクーデターを裏で手伝ってたから、ここに居る事自体が可笑しくない状況。旧魔王派みたいに憎悪や嫌悪感持ってるかは知らん。

「確か前魔王の血族が冥界を支配してた頃、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーは当時まだ魔王じゃなかったサーゼクス・グレモリーとアジュカ・アスタロトと共に『超越者』と呼ばれてた。が、コイツが行方知らずになってから『超越者』は二人となった。だから現悪魔は現魔王が引っ張って来て、コイツは元々前魔王一派の中心の一角。だが平和や種の存続を願うサーゼクスと話など合わないバカだ」

「『超越者』について軽く説明するが、過去に呼ばれた悪魔三名しか呼ばれない存在であり他者と違い過ぎる桁違いの能力を持つ悪魔。イレギュラーな存在と言われ、サーゼクスとアジュカの力は悪魔なのか分からない程の持ち主。俺も一ちゃんもここに居る事自体驚きはしないが、ルシファーやヴァーリのように嫌悪感を抱いてる」

アジュカが何故そう呼ばれるかは知らんが、サーゼクスは『人型に浮かび上がる滅びのオーラ』が真の姿だと呼んでいる。全てを消滅する姿とされて、自身の意志関係なく滅びの力を周囲一帯に展開されて無差別に滅ぼしてしまうようだ。

今だとだいぶコントロールしたらしく、当時の魔力質量は前魔王ルシファーの十倍に相当すると言われてたが今だと百倍になったと報告されてるし、前魔王ルシファーはサーゼクスより千倍ぐらいあると。

「悪魔側の旧政府と反政府の内戦時、途中で姿を消した男が・・・・今更、旧魔王派の連中みたいに怨恨で動いてはいないだろ。何せ旧魔王派は一ちゃんが創造した惑星ナイトメアに居るし、俺ら三大勢力とも和平もしたし新政府は三大魔王として動いている。アイツらもお前が現れたと知ったらきっと驚くだろうよ」

「うひゃひゃひゃ、ま、やりたい事が出来たから帰ってきたっつーだけだ。黒鐵おじちゃんにアザゼルおじちゃんも元気してた?それと黒鐵おじちゃんには感謝してるんだぜぇ、何せ死んだとされるママンが生きてた事が。今の今まで信じなかった俺っちも目の前で見るママンに対して。あとは何か、全勢力と和平結ぼうとめっちゃ頑張ってるそうじゃん?俺、マジ応援したいわ~♪」

全くコイツのふざけた口調は戦争前から変わってねえな、まあ皆も発言一つずつ軽く邪気が飛んでるような。見た目は良い年代だが、心は相変わらずのようで軽々な口振りに調子が狂う。ヴァーリも殺意が昇っているようだが俺がルフェイに持たせたお守りで、先程よりかはマシになっていた。あれは殺気や憎悪を吸収させてくれるもんで、感情が高ぶる奴には効果的。

「口調は相変わらずのようだな、ヴァーリは何か言いたそうだから言ってみん?」

「いつか俺の手で殺してやる・・・・ッ!」

「うひゃひゃひゃ、あのビビりの息子何かに殺されるとか俺っちは御免だぁ。ところで紅髪のお嬢ちゃん、お兄ちゃんは元気かな?」

「・・・・お兄様に何か含むものでもあるのかしら?」

「無い訳じゃねーな。ここにいるママンやビビりの息子同様にルシファーを名乗ってんだしぃ、まあどうでもいいっちゃどうでもいいんだけどね。何れ、会いそうだから宜しく言っておいてちょーよ?」

「・・・・ッ!」

その口調で言うからか、リアスも眉間に皺が寄せた。相手の立ち位置が分かった事で、CB側はそのままだけどルシファーとヴァーリをガードしてたりグレモリー眷属全員は身構えてる。リゼヴィムは一向に戦闘態勢を取ろうともしない。まあ俺ら相手よりグレモリー眷属に対して、戦闘しても負けないとでも思ってるのか。

「まあ俺っちは惑星ナイトメアに居る新政府のような怨恨や憎悪は無い無い。そんなしょうもない事で動いてる訳じゃないし、悪魔の政治はサーゼクス君達で充分だろう。俺は俺で別にやりたい事を『禍の団』を使って実行したいだけなのよ~?」

「まあここでテメエをぶん殴るか半殺しして邪魔するのもアリだが、ここは俺達にとってまだ正式な協力関係を結んでいねえ中立国。簡単に手出し出来ないが、どうせお前の事だからこの国だと表面上正体偽ってVIP扱い受けてるんだろ?」

アザゼルはこめかみに血管を浮かべさせたり、前四大魔王もコイツの事は知っているのか言葉では発言してないが、コイツの聞こえないとこでは死ねとでも言っているんだろうよ。俺の問いにコイツは不快な笑いを発す。まあ俺にとってはコイツは通常運転のつもりだろう。

「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ、そうそう、その通り。俺はマリウス君の研究と革命の出資者でね。今の暫定政権にとっては国賓扱いなのですよ。ここで俺に手を出すのは得策じゃねぇな、負けるつもりはないけど黒鐵のおじちゃんには負けるなぁー。でも俺っちは何も準備してる訳でないんだよ?」

俺以外の者は何時の間にいた背後の小さな人影、気配もなく現れやがったが背の低い少女に黒いドレスに身を包んだのは・・・・一瞬こちらに居るオーフィスを見るが、俺的には他外史からやってきたっぽいな。

「我がもう一人?」

オーフィスが驚くのも無理はないし、俺以外の者達は驚きの顔をしてた。オーフィスとそっくりな少女、リゼヴィムはオーフィスそっくりな子の頭に手を置いていた。

「ホントだったらサマエルの力を使って奪ったオーフィスの力で再形成するはずが、奪えなかったあの時はショックを受けた訳なのよぉ。でもでも~そんな落胆してたら俺っちの目の前に現れたのがこの子な訳さ。この子の名前はママンの名を取ってリリスちゃんだ、我が組織のマスコットガール。でもここにママンがいるからその名で呼ぶとママンも複雑でしょー♪」

「一ちゃん、あれは一体どういう事だ?何か知っていそうな顔をしてるからさ、教えてくれよ?」

「まあアイツの言った通り、本来だと俺の中にいるサマエル使ってオーフィスの力を吸収して再形成するはずだった。だがサマエルはあの時から仲間にしたから失敗に終わったようだけど、ソイツは別世界から来たオーラを感じる。見た瞬間解析したら小型ゲートによって来た訳だが、ここと似たような外史から来た者と分かりあの子が居た外史も破滅外史になったんだろう。でだ、破滅外史に居たリゼヴィムがこちらに送ってきたと推測する」

俺の肩上にいるオーフィス同様、無言と無表情だからオーフィス以上に見た目から何も感じない。だが明らかに他外史から来たオーラ感じるし、恐らく他外史か正史に近い世界から送られて来たと考えても可笑しくない。ここにイレギュラーな俺が居るし、送信先をすぐに見つけれるかもしれん。ま、俺の仲間であるオーフィスとあの子では力の差は俺でも分からん。

「黒鐵のおじちゃんの言う通り、調べたら別世界の俺が送ったとリリスちゃんは言っていた。この子小っちゃいけどそっちにいるオーフィスと同じぐらい強いから要注意だよぉ?僕ちゃんの専属ボディガードでもあるの~ユーグリットが留守の間は、この子が僕ちんを守ってくれます!落胆してたけど、この子が出現したからオジさん超感激!ちっこい子が強いってロマン溢れるよね♪まあ僕ちんとリリスちゃんを倒せるのは、恐らくこの中だと黒鐵のおじちゃんか龍神二匹かなぁ~?」

先程居たクロウ・クルワッハと同じように畏怖すべき存在感を醸し出してるようだが、前魔王ルシファーと白龍皇ヴァーリでも倒せる程度の力を持ち合わせている。二人は怒気で前が見えてない状況となり、必死で各チームが抑えてる状態のようだ。

邪龍最強筆頭格・前ルシファーのバカ息子・他外史から来たもう一人のオーフィス、グレモリーにとって想像を超えた者達がツェペシュ側の城に集まる状況と考えられるようだ。

「んじゃ、俺はマリウス君にお話があるのでここを通らせてもらうよ?ここでは平和に過ごしましょうね~。ここはヴァンパイア君達のお家なのですよ~。ケンカはよくありませ~ん。プライドが高くて、鎖国なお国は最高です♪」

「うるせえな、そんぐらい理解してるわアホ!まあいつかテメエの頸を俺とヴァーリとルシファーでもらうんで、首洗って待ってろ。小僧」

「うひゃひゃひゃっ、楽しみにしてるよぉ!チャ~オ♪」

リゼヴィムの息子を愚息と呼んでたし、最後までふざけた口調のまま後ろ手に振りながら進むと破砕音が二つ聞こえた。誰だ?と思えばアザゼルとヴァーリであり、廊下の壁を拳で破壊したけど俺もその気持ちは分かるぜヴァーリにアザゼル。

魔境と化しているツェペシュ本城・・・・俺達は用意された部屋に移動後、地下室いるヴラディ家当主であるギャスパーの父親に会いに行く事にした。 
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