転生とらぶる
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ガンダムW
1666話
『どうした、武器を下ろしただけではない。武器を手放せ。それとも、降伏しないつもりか? それならそれでいいだろう。シャドウミラーは人質を取られてもあっさりと見捨てるのだと、そう表明すればいいだけの話だ』
オープンチャンネルでそう告げるOZの兵士だが……自分で言ってて分かっているのか?
その言葉をそのまま聞けば、それは自分達が人質を取るのだと、そう告げているのだという事を。
勿論これが戦争――正確には内乱――である以上、民間人ならともかく軍人を人質に取るというのは褒められた行為ではないが、責められるべき行為でもない。
それは間違いないが……それでも世間体とかそういうので考えれば、決してよくはないのは事実だ。
少なくても、トレーズであれば『エレガントではない』と判断するのは間違いなかった。
『どうした、降伏しろ! はっ……はははは、はははは! トレーズ閣下、これで私がOZの為に、一番の難敵を潰してみせます!』
喋っているうちにテンションが上がってきたのか、映像モニタに映っている男は高笑いを上げ……だが、次の瞬間、ビームによってこちらの軍艦やピースミリオンを囲んでいたトーラスの数機が、爆発する。
「何だ?」
その爆発が、囲まれている内側から行われた攻撃であれば、驚きはしたものの納得出来ただろう。
だが……攻撃の起点となったのはピースミリオンを中心とした連合軍がいた場所の、外側。
しかも、そのビームの威力はトーラスカノンよりも強力だった。
MDか有人機かは分からないが、何も反応すらさせずに破壊したのだから、その威力と技量が高いのは明らかだ。
一瞬綾子のトーラスがどうにかして包囲網を抜けて攻撃したのかとも思ったが、映像モニタにはピースミリオンの側に浮かんでいる純白のトーラスの姿がしっかりと映っている。
つまり、今の攻撃は綾子以外の者が行ったという事になるのだが……誰だ?
あの威力のビーム攻撃を出来るMSはそうそういない。
……もしかして、ヒイロのウイングガンダムか?
いや、けどヒイロがここにいるのか?
『貴様ぁっ! ここで攻撃するということは、人質がどうなってもいいという訳だな!?』
俺に向かって得意気に喋っていた男が、そう叫ぶ。
ちっ、向こうが興奮している時にこんな風な事になれば当然か。
どうする? ここで一気に……
『そこまでだ!』
攻撃するかどうかを迷った一瞬の隙を突くかのように、第三者の声がオープンチャンネルに響き渡る。
誰だ?
一瞬そう思ったが、すぐにその声に聞き覚えがある事に気が付く。
この声は……
「ゼクス・マーキス!?」
そう、その声は、間違いなくゼクスの声だった。
そして俺の言葉に合わせるかのように、映像モニタにはゼクスの姿が映し出される。
そこに映し出されたのは以前ルクセンブルク基地の攻略の時に捕らえたのはいいものの、最終的にはノインによって助け出され……それ以来、完全に行方を眩ましていた、ゼクスだった。
『ゼクス二級特佐!? 何故ここに……いえ、今の攻撃は何のつもりですか!』
感情のままに、男が叫ぶ。
……まぁ、分からないではない。
今まで散々OZに被害を与えてきた俺を捕らえるか何かしようとしていたところで、いきなり味方から攻撃されたのだから。
もしかして、既にゼクスはOZを抜けてミリアルド・ピースクラフトとして行動してるのか?
原作でもそんな感じで色々と宇宙で動いていたゼクスだったが……ただ、仮面を被ったままなのを考えると、少なくても今はミリアルドではなく、ゼクスとして動いているのは間違いない。
『トレーズ閣下は、このような行為を望んではいない!』
そう叫ぶゼクスの乗っている機体が、やがて姿を現す。
それは……
「トールギス……だと?」
勿論それは普通の……俺が使っているトールギスではない。
普通のトールギスと違って、立派なトサカがついており、機体色も白だったり、今の俺の深紅とは違って青が多用されている。
それがどのような機体なのかは、俺も知っていた。
それは……トールギスⅡ。
原作では、トレーズが自分の愛機としていた機体だ。
……実際には顔が多少変わって、カラーリングも白から青がベース色になっただけで、性能的には普通のトールギスと変わらないのだが。
いや、頭部が変わったって事は、カメラとか情報処理能力とか通信能力とか……そっちの方が強化されている可能性はあるかもしれないけど。
『トールギス!?』
映像モニタに映し出されていたOZの士官も、姿を現したトールギスⅡの姿に、叫ぶ。
うん、まぁ、気持ちは分かる。
原作ではトールギス=OZの機体といった感じだったが、この歴史ではトールギスというのはシャドウミラー……OZに対して莫大な被害を出している、敵対すべき機体なのだから。
元々トールギスⅡというのは、ゼクスのトールギスの余剰部品を使って作り上げた機体だった筈だが、この歴史では俺がトールギスを使っている。
そうなると、余剰部品とかではなく、1からこのトールギスⅡを作り上げたのだろう。
……まぁ、トールギスは元々OZの機体だったし、設計図が向こうに残っていてもおかしくはない。
それに、ゼクスが乗るのに相応しい機体がOZにはなかったのも事実だ。
俺と戦った時はリーオーに乗っていたが、そんなリーオーでどこまでゼクスの能力を発揮出来たのかと言えば、いいところ半分程度だろう。
いや、本来ならゼクスの愛機となる予定だった機体を奪った俺が言う事じゃないんだろうが。
ともあれ、現在のゼクスはようやくトールギスという、本来の自分の機体を入手した訳だ。
ルクセンブルク基地の戦いで捕虜にして、その後脱走した後で全く姿を見なかったから不思議に思ってたんだが、恐らくトールギスを作っており、そのトールギスを乗りこなせるように訓練していたのだろう。
原作ではトールギスを完全に乗りこなせるようになるまでには相当の時間が掛かったし、この歴史でも俺と会った時にトールギスに乗らせたが、その時も短時間しか乗ってないにも関わらず、酷く消耗していた。
まぁ、俺が乗ってるトールギスはノーマルのトールギスと比べてもスーパーバーニアをハワードによって改修して貰ってるからな。
そう考えれば、あの結果は納得出来るのだろう。
ともあれ、今のゼクスがトールギスを完全に……とまではいかないが、殆ど乗りこなしているというのは間違いのない事実だった。
でなければ、こうしてトールギスに乗って俺達の前には現れないだろう。
『ゼクス二級特佐! 一体、何故こんな真似をなさるのですか! この者達はシャドウミラー、OZの敵ですよ!』
『何度も言わせるな。このような手段でシャドウミラーを排除することを、トレーズ閣下は望まれていない』
そんなやり取りがオープンチャンネルで行われる。
こうして見る限り、俺としては時間が稼げるので好きなだけ舌戦……というか、言い争いを繰り広げて欲しいんだけどな。
『トレーズ閣下が……ですが!』
『何度も言わせないでくれ。ここは大人しく退け』
そう言われても、ただでさえ戦力不足のOZがここまで用意周到に準備をしたんだ。
すぐに撤退する訳が……
『分かりました。ライトニング・カウントがそう言うのであれば、ここは撤退します。ですが、向こうの戦力はどうするのですか?』
『私が何とかする。少なくてもお前が撤退するまでは、こちらで対処しよう。だから落ち着いて撤退しろ』
そう告げると、OZの兵士はそれ以上何も言わずに通信を切る。
同時に、ピースミリオンや軍艦を囲んでいたトーラスもその場から離れていく。
……トールギスⅡだけ、この場に残して。
『アクセル……聞こえているか?』
「ああ」
『出来れば以前の借りをここで返したかったのだが……今はそのような真似が出来る状況ではないようだ』
「だろうな。……まさか、トールギスとはな」
『正確には、トールギスⅡだな』
「……そうか」
まぁ、トールギスだと俺の機体名とそのまま同じで思い切り被るしな。
そう考えれば、トールギスⅡとした方が分かりやすいのも事実だろう。
それに、OZの技術者がトールギスを超えたという意味も込めて、そのような名前を付けたのかもしれないし。
俺も原作同様の名前の方が分かりやすいので、その件に関しては何も文句はない。
『驚かないのだな』
「いや、十分に驚いているさ。けど、予想はしてたからな。そもそもの話、俺のトールギスもOZから盗まれた代物だ。そうである以上、その設計図がOZに残っていても不思議ではない……どころか、当然だろ」
『お見通しか』
「ルクセンブルク以降姿を見せなかったのは、その機体を開発してたからだな?」
『ああ。生憎と設計図は残っていたものの、実際にトールギスを作ったのは初めてだったからな。どうしても時間が掛かってしまった。幾つか改良点もあった事だし』
「けど、それが丁度良かったんだろう? 以前俺のトールギスに乗った時、かなり疲労していたが、今は……普通に乗りこなせているみたいだしな」
『そう言われると、こちらとしても嬉しいな。……とにかく、これで私もアクセルと同じ機体を手に入れた。これで……機体性能で負けるという事はない』
出来れば、俺じゃなくてヒイロの方に向かって欲しかったんだけどな。
何故かは分からないが、いつの間にかゼクスのライバルの座をヒイロから奪ってしまったらしい。
オペレーション・メテオの時、ヒイロとゼクスは戦ってその機体性能やパイロットの実力を認めてはいた筈だ。
その後、海中でのデスサイズとゼクスではないOZのパイロットの戦いもあり、間違いなくゼクスはヒイロをライバルとして認識していた筈なのだが……どこでどうなってこうなった。
多分、最初に原作の流れから逸れたのは、やはり俺がトールギスを盗み出した事だろう。
その結果、ゼクスはトールギスを入手出来ず……そのトールギスを使っているという事で、俺に興味を抱いた。
そして実際に会った時に、短時間ではあるがトールギスに乗り、その性能を確認した。
だが、短時間で想像以上に疲労したゼクスと違い、俺は普通にトールギスを乗りこなしているというのが、ゼクスの琴線に触れてしまったのだろう。
そしてルクセンブルク基地で戦いを挑み……呆気なく負けてしまった。
まぁ、ゼクスはこの世界ではライトニング・バロンの異名を持っていた腕利きのパイロットだったが、純粋に操縦技術や経験という面で俺に比べると圧倒的に劣っている。
これは俺の経験上、仕方がないだろう。
それこそ、修羅王やアインスト、ダークブレインやクイーン・バジュラ、そして何よりネオ・グランゾンとの戦いの経験をそうあっさりと凌駕されたりしたら、ショックで泣いてしまう。
「とにかく、今日は顔見せ……といったところか?」
『そうなる。本来ならこのような場所ではなく、もっと正式な場所でお披露目といきたかったのだがな』
人質作戦はエレガントではない、か。
正直なところ、ゼクスのおかげで助かったというのは間違いのない事実だ。
元々万全ではないピースミリオンや、老朽艦の軍艦3隻を守って準備万端待ち伏せていたOZの部隊と戦えばどうなるのか。
最終的に勝ちはするだろうが、こっちにも相当の被害が出たのは間違いない。
それこそ、下手をすればピースミリオンが撃墜されていた可能性は十分にある。
「トールギスⅡについては、十分に驚かせて貰ったよ。ただ……俺が言うのもなんだけど、本当に良かったのか? この場でさっきのOZの兵士の行動に乗っておいた方が、結果的にOZのダメージは少なくなったと思うんだがな」
『ふっ、まさか助けたアクセルにそう言われるとはな。……だが、私もトレーズ閣下の意見には賛成しているのだ。アクセルを倒す時は、正面から実力で倒す。それでこそ、私の中にある自分に、胸を張る事が出来るのだから』
「……お前がそう言うのなら、それでもいいさ。で、どうする? 折角こうやって姿を現したんだ。俺と戦ってみるか? それが希望だったんだろう? ピースミリオンを守らなくてもいいのなら、少しはそっちの戦いに付き合ってもいいけどな」
その言葉に、ゼクスは一瞬沈黙する。
マスクで表情は見えないが、恐らく驚いた……といったところだろう。
だが、すぐにゼクスは首を横に振る。
『いや、止めておこう。戦うべき時はそのうち必ずやってくる。その時、全身全霊で相手をして欲しい』
「そうか。それならそれで、構わない。……行け」
俺が改めて挑戦を受けたと知ると、唇の端を少しだけ曲げて笑みを浮かべ……そのまま、スーパーバーニアを全開にしてトールギスⅡはこの場から去っていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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