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オズのアン王女

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第十幕その七

 お空に赤い丸い形のヘリコプターが飛んできていました、ドロシーはその色とヘリコプターの前にある紋章を見て言いました。
「あれはカドリングのヘリコプターよ」
「カドリングっていうと」
「そう、多分だけれど」
 こう前置きしてです、ドロシーはアンに言いました。
「グリンダのヘリコプターよ」
「魔法使いグリンダの持っている?」
「そう、ヘリコプターよ」
 それだというのです。
「あれはね」
「あの人ヘリコプターも持ってるの」
「そう、オズの国の魔法と科学を使ってね」
「造ったのね」
「オズマ、魔法使いさんと一緒によ」
「そうだったの」
「オズマも同じものを持っているわ」
 ヘリコプター、それをというのです。
「エメラルドの都のものは緑でね」
「エメラルドの都の色ね」
「もう三機、青と黄色、紫のものもあるわ」
 オズの国それぞれの色です。
「そして赤いヘリコプターはね」
「カドリングの国にあって」
「グリンダが持っているの」
「成程ね、それじゃあ」
 ドロシーのお話を聞いてです、アンは言いました。
「あのヘリコプターにはグリンダさんが乗ってるの?」
「どうかしら、グリンダならね」
 オズの国の偉大な魔法使いである彼女ならというのです。
「ヘリコプターに乗らなくても」
「普通になのね」
「ここまで来られる筈だから」 
 それもすぐにです。
「ヘリコプターで来ないと思うわ
「それじゃあ」
「ええ、あのヘリコプターにはね」
「グリンダさんは乗っていないのね」
「そういえば私達は」
 ナターシャはその赤いヘリコプターを見上げつつ言いました。
「グリンダさんには」
「あまりお会いしてないわね」
 恵梨香も言います。
「そういえば」
「色々な人達に会ってるけれど」
 オズの国のです、神宝も言います。
「グリンダさんにはね」
「これまであまりお会いしてなくて」
 カルロスもこれまでオズの国に来た時、今も含めて思い出して言いました。
「お話したこともね」
「なかったね、今回もなのかな」
 最後にジョージが言いました。
「グリンダさんにはお会い出来ないの」
「どうかしら、とにかくね」
 ドロシーは五人にはこう言うのでした。
「あのヘリコプターはカドリングの国のもので」
「グリンダさんが送られたことは間違いないです」
 そうだとです、大尉も五人にお話します。
「そのことは」
「誰がーー乗ってーーおられるか」
 チクタクが言うことはといいますと。
「降りられてーーからーーですね」
「ううん、降りてくる場所は」
 トトはヘリコプターの動きを見てその場所を分析しています。
「国の入口だね」
「そうね、じゃあそっちに行きましょう」 
 アンはトトの言葉を受けて皆に言いました。
「今からね」
「じゃあそうしましょう」
 ドロシーがアンのその言葉に応えてでした、そのうえで。
 皆は村の入口に向かいました、そうしてそこに行くとです。ヘリが着陸してでした。そこから出て来た人はといいますと。
 赤い詰襟のボタンや肩章は金色で軍服に膝までのスカートとブーツ、奇麗な帽子を付けた奇麗な女の人の兵隊さんが出て来ました。 
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