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レーヴァティン

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第三話 生きるか死ぬかその七

「絶対にな」
「別の世界に行くよりもか」
「俺達がこうしてここにいるよりもな」
「ないか」
「そうだ、ない」
 断言であった。
「別の世界に行く、いや」
「いや?」
「阪神タイガースが十連覇するよりもだ」
「そこまで言うかよ」
「ない」
 若く資産家で美貌の未亡人の伴侶になることはというのだ。
「絶対にだ、若しそんな話があればだ」
「さっきの奴隷の話みたいにか」
「裏がある」
「それが現実かよ」
「実際にそうした看板で実はサイコ殺人鬼だったという話もある」
 実際にあった話だ、そうして多くの男を殺した女がいたのだ。
「だからそんな話にもだ」
「近寄るな、か」
「上手い話には裏がある」
 これが英雄の言いたいことだった。
「その裏まで確かめてだ」
「そうして仕事だけじゃなくて奥さんもか」
「選べ、この世界でもな」
「そうするか」
「さもないと御前は泣くどころか命を失う」
 最悪の事態さえあるというのだ。
「その未亡人に殺されてな」
「ぞっとする話だな」
「なりたくないな、そんな風には」
「だからそれが運命だったら変えてやる」
 久志もこう言う様になった、言うまでもなく英雄の影響である。
「俺の人生の目標は百二十歳まで生きて曾孫の子を見てから大往生することなんだよ」
「百二十歳か」
「そうなんだよ」
「そうか、長い夢だな」
「そうだろ、それも太く長くな」
「細く長くではないか」
「細く長くなんてな」
 久志は笑って英雄に話した。
「当たり前過ぎて面白くないだろ」
「だからか」
「そうだよ、太く長くだよ」
 まさにというのだ。
「そうして生きたいんだよ」
「ではうどんか」
「ああ、うどんだよ」
 麺に例えるとそちらだとだ、久志は笑って話した。
「俺はうどんみたいに生きるんだよ」
「ならそうなる為にだ」
「運命を変えろか」
「貴様もそうしろ」
「奴隷になる運命でもか」
「どの世界にいてもな」
「悪いい運命なら変えろ、か」
 考える顔でだ、久志は呟く様に言った。
「俺自身の力で」
「そうしろ、貴様の人生は貴様で変えろ」
「わかった、じゃあ百二十で大往生する為にな」
「運命を変える様にしていくさ」
「そしてだ」
 さらにだった、英雄は久志に言った。 
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