転生とらぶる
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ガンダムW
1659話
D-120にシャトルが入港する。
そのシャトルは、MSが護衛についていた。
普通であればそのような事は滅多にないのだが、今そのシャトルにはそれを可能とする面子が乗っている。
即ち……
「ほう、これが連合宇宙軍の本拠地か。思ったよりも普通じゃな」
シャトルから降りるなりそう呟いたのは、アロハシャツとサングラスが特徴的な人物、ハワードだった。
そのハワードに続くように、他にも見覚えのある連中が降りてくる。
そう、俺がトールギスを調整して貰う時に色々と関わった、ハワードの部下……もしくは仲間達だ。
「ハワード!」
俺の隣にいたプロフェッサーGが、そう叫びながらハワードに近付いていく。
いつもの気難しい様子は嘘のように、嬉しそうな表情を浮かべていた。
まぁ、ガンダムを開発した5人の科学者の中でも、プロフェッサーGとハワードは他の者達よりも強い絆で結ばれているのだから、それも当然か。
また、プロフェッサーGが移動したのを追うように老師Oもハワードに近付いていく。
プロフェッサーG程ではないにしろ、老師Oにとってもハワードは旧友だという事なのだろう。
「おお、お主等か。こうして直接会うのは随分と久しぶりじゃのう。それにしても……随分と老けたな」
「抜かせ。儂が爺なら、お主も爺じゃろうが」
「全く、お前達は身体を鍛えていないから耄碌するのだ」
『黙れ同類』
老師Oの言葉に、プロフェッサーGとハワードが揃って声を上げる。
やっぱりこうして見ると、この2人は仲がいいんだよな。
ともあれ、いつまでも好き放題に話をさせておく訳にもいかない。
「ハワード、良く来てくれた」
「ほう、アクセルか。まさか、お主がこの老人共と手を組むとはな」
同い年くらいのハワードに老人と言われたプロフェッサーGが何かを言い返そうとしていたが、今はそれに構っている場合ではないと言葉を遮る。
「それよりも、ハワードが来るのを色々な意味で待ってたんだ。ここで話をするよりも、早いところプロフェッサーG達が使っている部屋に移動して、実際の話に移っても構わないか?」
「それは……いや、それは構わんが、そこまで急いでいるのか?」
「ああ。ちょっと愉快な出来事が起こってな。そう聞いてくるって事は、バルジの件は知らないのか?」
「……バルジの件? ふむ、一体何の事じゃ? 残念ながら、儂等は誰かさんが急いで来るように言ったから、情報収集をする暇は殆どなかったんじゃよ」
「そうか。なら、その辺の事情も詳しく説明する」
「待て、待て。……すまんが、儂はちょっと出てくる。機材の搬入の方は頼むぞ」
ハワードの部下達は、その言葉に軽く手を挙げて返事とする。
「シャドウミラー用に格納庫を一つ借りてるから、機材はそこに運び入れてくれ。場所は連合軍の軍人に聞けば分かるから」
荷物を運ぶ場所を教えてから、俺はハワードやプロフェッサーG、老師Oを連れて移動するのだった。
「バルジが……のう」
俺と3人の科学者が集まった部屋の中で、事情を説明されたハワードはしみじみと呟く。
それでいながら、やはり驚いた様子は隠せていない。
……サングラスのおかげで、あまり驚いた様子は見えないが。
「一体どのような勢力がバルジを占拠したのか、多少気になるの」
「だからって、シャドウミラーが出撃して様子を見てきたりはしないぞ」
その言葉に、ハワードは残念そうな表情を浮かべる。
まぁ、バルジが消えた時の事を考えれば、科学者に対してそこに興味を持つなという方が正しいのだろうが。
「ともあれ、バルジの件は今は置いておく。どのみち、今の俺達にどうにか出来る訳でもないしな」
既にバルジは再び俺の空間倉庫の中に戻されている。
そうである以上、今更バルジについて騒いでも、全く意味はなかった。
それよりもハワードがやってきた以上、今はもっと優先してやるべき事があった。
「シェンロンガンダム、デスサイズ、ウイングゼロ……出来れば他のガンダムを作った科学者も引っ張ってきたかったんだが……それが無理な以上、ここにいる3人でやって貰うしかない」
原作だとシェンロンガンダムとデスサイズの改修はドクターJ、ドクトルS、H教授の3人も協力して行った作業だが、今回は目の前の3人だけでやって貰う必要があった。
もっとも、原作と違って今回はその作業に集中するので、最終的には問題ないだろうと判断しているが。
ただ、そこにプラスしてウイングゼロと……そしてピースミリオンの件もある。
その辺りを考えると、この先も何度かバルジを使って宇宙を混乱させ、戦いを起こさない膠着状態にする必要はあるだろうが。
「それと、移動式のMSを建造可能な奴の件だが?」
「ピースミリオンか」
俺の言葉に、プロフェッサーGが呟く。
……そう、そのピースミリオン。俺はプロフェッサーGとハワードが独自に建造したものだとばかり思ってたんだが、連合軍のデータ……というか、歴史を調べていて、驚くべき事が分かった。
このピースミリオン、実はまだプロフェッサーGやハワード達がOZにいた時に、連合軍の将軍の要請により作った物だったらしい。
ただ、建造したのはいいものの、結局出番はないままに月の裏側に隠されていたとか。
ぶっちゃけたところ、その将軍が作ったピースミリオンをプロフェッサーGとハワードがパクって隠しておいた訳だ。
そもそも、ピースミリオン級という分類がある以上、連合軍の中にしっかりとピースミリオンがあってもおかしくはない。
ただ……どんな手段を使ったのかは分からないが、現在の連合軍のデータの中にはピースミリオンは完全に行方不明という扱いになっている。
恐らく、この辺はハワードとプロフェッサーG達がピースミリオンをパクった時に細工をしたのだろう。
……俺が空間倉庫に入れて奪ったバルジも、建造されるまでに12年もの間掛かった代物だ。
それを考えれば、バルジと同サイズに近いピースミリオンをハワードとプロフェッサーG、その知り合いとかで建造出来る筈がないんだよな。
いや、やろうと思えば出来たかもしれないが、当然そんな真似をすれば連合軍なりOZなりに見つかっていた筈だ。
にしても、バルジが完成までに12年掛かったのに対して、リーブラは数ヶ月で完成したのか。
勿論バルジを作った当時とは技術力も大きく違っているだろうし、OZが半ば完全に支配していたコロニーの資源と人材を豊富に使えたというのは大きいんだろうが……
「ピースミリオン、か。……ああ。そのピースミリオンがシャドウミラーの拠点として、是非欲しい」
「じゃが、ピースミリオンは現在月の裏側に隠してある。それを取りに行くにしても、それなりに労力が必要になるぞ?」
プロフェッサーG達を連れて行くにも、色々と問題はあるか。
そもそもハワード達はガンダムの改修とウイングゼロの統合設計の為に来て貰ったんだ。
そう考えれば、下手に連れて行く訳にもいかない。
だとすれば……
「ハワードが連れてきた部下を連れていけばどうにかならないか? ピースミリオンを動かすには、ある程度の人数がいるだろうし、出来ればそこに連合軍を加えたくない」
俺達の力を知っているセプテムが馬鹿な真似をするとは思えないが、今回は事が事だ。
バルジ、リーブラと並ぶだけの戦略拠点とも呼べる、ピースミリオン。
現在バルジがなくなったOZに対し、ピースミリオンを持ってくればかなりの力になるのは間違いない。
……まぁ、バルジやリーブラと違って、ピースミリオンは純粋な戦力として見ればビーム砲程度しかない。
勿論そのビーム砲も十分な威力を持ってはいるんだが……宇宙にいながら地球を狙えるリーブラの主砲や、バルジ砲に比べるとどうしても見劣りしてしまう。
あくまでもピースミリオンは、MSの運用母艦という考えでいた方がいい。
居住性という意味だと、バルジやリーブラ並か、それ以上の能力を持っていると思うんだが。
ともあれ、リーブラはまだ建造されておらず、バルジは俺の空間倉庫の中に収納されている。
そうである以上、連合軍がピースミリオンを見て、それを欲したとしてもおかしくはない。
元々連合軍で建造した以上、その所有権を主張してもおかしくはないのだから。
「……なるほど。今の連合軍がそんな強引な真似をするとは限らんが、それでも何かあった時の為に対処は必要か。よかろう。幸いと言うべきか、ガンダムの改修作業を含めて暫くは儂だけでやれる。お主が好きに使ってくれて構わん。ピースミリオンを操作する為の方法も教えておく」
「助かる。……けど、本当にいいのか?」
予想外にあっさりとこっちの要望を呑んでくれた事に驚き、思わずそう尋ねる。
俺達に手を貸してくれるのは嬉しいし、ピースミリオンの運用にも手を貸してくれるのは嬉しい。
だが、何故そこまで……と、そう思ってしまっても仕方がないのは事実なのだ。
「ふむ、儂は何だかんだとお主とは一番付き合いが長い。トールギスの件からじゃからな。だからこそ、お主達が……そう、何かを隠しているのは分かるが、それでもOZと比べるとマシじゃと思うし、ある程度ではあっても信頼出来ると思っておる」
「ハワードがこうまで言うのは珍しいな」
俺達の話を聞いていた老師Oが、面白そうにそう告げる。
色々と理由はあっても、こうして俺を信じてくれるというのは嬉しい限りだ。
「……そうか。なら、その信頼を裏切るような真似は出来ないな」
取りあえず、それだけを告げる。
ハワードの方も、先程のは口が滑ったようなものなのか、どこか照れくさいように顔を背けていた。
「とにかくじゃ。アクセルは儂の部下を連れてピースミリオンを、そして儂はガンダムの改修作業を。……それでいいんじゃな?」
無理矢理話を戻したな。
いやまぁ、こっちとしてはそれはそれで助かったけど。
「ああ、それでいい。それで、いつ出発出来る? こっちはいつでもいいし、現在の宇宙の状況を考えると、少しでも早く行きたいんだけど」
「……ふむ、そうじゃな。今すぐと言いたいところじゃが、月の裏側まで向かう足がなかろう?」
「だろうな」
ハワードの言葉に頷きを返す。
勿論連合軍には幾つも宇宙船の類は存在している。
だが、それを動かすのは当然のように連合宇宙軍の軍人であり、そのような人物を用意して欲しいと言われてすぐにはいそうですかと準備出来る訳がない。
特に今は、バルジが再び現れた件もあって、連合軍全体がその警戒に忙しい。
……まぁ、何らかの現象で消えたと思っていたバルジがひょっこり姿を現したかと思えば、未知の勢力に占領されており、おまけにその勢力は通信に応じようともしないばかりか、トーラスを楽に撃墜出来るような炎獣という存在もいる。
もっとも、炎獣という名前はOZも連合軍も知らないんだろうが。
ましてや、そのバルジは再び唐突にどこかに消えたのだから、それを警戒するのは当然だろう。
そんな中、ちょっと月の裏側まで行きたいのでMSを運用出来る宇宙船を貸してくれと言われて、すぐにはいそうですかと用意出来るとは思えない。
これは、セプテムが俺達に対して友好的であってもの話だ。
「そうだな。この後すぐにセプテムに話を通してくるけど、多分今すぐには無理だと思う」
「うむ。それに、奴等もシャトルに乗って宇宙にやってきたばかりじゃ。少しは休ませてやりたい」
「いや、宇宙船で移動しているのなら、その時点で休んでいるも同然だと思うんだけどな」
「その辺は気持ち的なものじゃよ」
サングラスを掛けたままのハワードがニヤリと笑ったのを見て、俺は小さく肩を竦める。
取りあえず今はこれ以上ハワードと話をしているのも何なので、セプテムと話をする必要がある。
「じゃあ、ちょっと話を通してくる。ハワードはそっちの2人と協力して仕事を進めていてくれ」
「全く……奴等だけではなく、儂も休ませて欲しいところなんじゃがな。久しぶりの宇宙は老骨に堪えるわい」
「嘘をつけ。お主のどこを見ても、そんな風には見えんぞ」
プロフェッサーGが、どこかからかうようにハワードに告げる。
この辺り、昔馴染みの気安さがあるからこそのものだろう。
そんな2人を老師Oは少し離れた位置で黙って見守っていた。
……何だか、老師Oがこの2人の父親に見えるのは俺の気のせいか?
いや、父親というのはちょっと言い過ぎかもしれないが。
それでも責任者的な立場というか……
それを口に出そうとかとも思ったが、もしここでそれを言ったら色々と不味い事になると判断し、老師Oの事は置いておいてセプテムとの交渉をする為に部屋を出るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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