夢幻水滸伝
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第三話 都へその十一
「そやから自分はこれからうちの武の要になる」
「主力か」
「文字通りな、よろしゅう頼むで」
「ほなな」
「さて、巫女の間までもうすぐや」
案外広くしかも曲がり角が多い廊下を進んでいってだった、途中十二単のみらびやかな宮女や官服の官吏達がいて挨拶をしてきた。こちらも平安の趣だ。庭は奇麗に整い池も木々も見事な美しさがある。
「そこに入ろか」
「今からやな」
「そうしよな」
こう話してだ、そしてだった。
三人でその中に入った、するとそこには数人の男女がいた。
彼等は三人を見てだ、すぐに一礼した。そうしてだった。
綾乃がだ、中里に言ってきた。
「ほな自己紹介からしよか」
「それなら僕からな」
新入りということもありだ、中里は自分から名乗った。
「中里雄一、神勇星や」
「うわ、遂に来たわ」
「神星の人もう一人かいな」
「これでこっち神星の人三人」
「これ強いで」
芥川と同じく忍装束の男女が話をした。
「ええ感じかな」
「これでかなりちゃうわ」
「僕等最強になったんちゃう?」
「ああ、日本統一が見えてきたで」
「そこちょっと静かにな」
芥川はその二人に笑って注意をした。
「そうした話をする時やないで」
「あっ、すんません軍師」
「そこは注意します」
「ああ、けど自分等が言い出したし丁度ええやろ」
芥川はその窘めた二人に笑ってこう言った。
「自分等が次自己紹介せえ」
「はい、佐藤忠志人走星です」
「佐藤香菜人巧星です」
二人はそれぞれ名乗った、見れば二人共非常によく似た顔立ちだ。目が大きくはっきりとしていて口元は微笑んでいて鼻の高さは普通だ。髪の毛も同じ黒で先に名乗った方は短くしていて後に名乗った女の方は長い髪をポニーテールにしている。そして男の方は背は一七〇位で女の方は一六〇程度だ。
「あっちの世界やと八条学園の一年です」
「同じ漫才部に所属してます」
「僕が双子の兄です」
「双子の妹です」
「神具は村正です」
「風魔手裏剣使ってます」
「この連中は僕の弟子でもあるねん」
芥川は中里に二人のことを話した。
「落語部と漫才部の付き合いもあるしな」
「それで先輩には何でも教えてもらってます」
「こっちの世界でもそうです」
「こっちの世界に来て最初に先輩に会いまして」
「それで両方の世界でお世話になってます」
「こっちの陣営やど忍者の棟梁やってます」
「先輩の下にいてます」
二人で中里に話した、そしてさらにだった。二人は中里にこうも話した。
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