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オズのアン王女

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第九幕その一

                 第九幕  カリフ王の来訪
 カリフ王はこの時うきうきとしていました、そのうえで皆に言うのでした。
「では今から」
「はい、ウーガブーの国にですね」
「行かれますね」
「訪問という形で」
「そうしてくるよ、こうして他国と交流をするのも政治で」
 そしてというのです。
「友達とも会えるからね」
「アン王女もそうで」
「ドロシー王女達もそうですからね」
「そして何か外の世界から子供達もいますし」
「彼等にも会えますね」
「さて、一体ね」
 ここでこうも言ったカリフ王でした。
「どんな子達なのか詳しく知りたいね」
「地下には来ていますが」
「ダークエルフ族とは交流があったそうですが」
「それでもですね」
「我々とはです」
「まだじっくりとお話をしていません」
「というかまだ会ったことすら」
 その時点でというのです。
「ないですから」
「全てはこれからですね」
「外の世界から来ている子供達とのことも」
「我々の場合は」
「だからね」
 そのことが一番というのでした。
「楽しみにしているんだ」
「これからウーガブーの国に行かれることを」
「そうなのですね」
「そうだよ、ではウーガブーの国までは」
 地上にあるこの国に行くにはといいますと。
「車で行こう」
「あの車で、ですね」
「行かれますね」
「そうされますか」
「そうするよ、これからね」
 ノームの皆にこう答えてでした、カリフ王は姿見の鏡で自分の身なりもチェックしてでした。そのうえでなのでした。
 その車に乗りました、車はといいますと。
 黒いキャデラックです、少なくとも外見は。大きくて席も広いです。
 そのキャデラックの後部座席に入って座ってです、運転手の人に言いました。
「ウーガブーの国までね」
「わかりました」
「いや、こうした時の車はね」
「王様はキャデラックがお好きですね」
「他の車よりもね」
 キャデラックだというのです。
「好きだよ」
「左様ですね」
「それにね」
 さらに言うカリフ王でした。
「何といってもこの車はね」
「特別ですからね」
「だからね」
「こうした時はですね」
「この車だよ」
「それでは」
「ウーガブーの国まで頼むよ」
 こう運転手の人に告げてでした、車はウーガブーの国に向けて出発しました。この時ジョージ達はおもてなしの用意が終わって皆で敷きものを敷いてその上に座ってウーガブーの国の入口でドロシーに畑で採れた林檎や西瓜の木から採った西瓜を貰って食べていました。中には川にあった苺やパイナップル、掘って手に入れた無花果もあります。 
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