夢幻水滸伝
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第二話 世界の仕組みその七
「そうした立ち場や」
「そうか」
「戦争がない時は内政やってるけどな」
「結局戦いに勝っても内政あかんとな」
「国がよおならんからな」
「自分もやってるんやな」
「幸いうちは内政も専門家の星が揃ってるし」
綾乃を見てだ、芥川はあらためて話した。
「綾乃ちゃんは内政も得意やねん」
「ほお、それでやな」
「うちは内政充実してるで」
「それは何よりや」
「治安はええし田畑と町は見事で道も堤防も橋も整ってる」
「それで家畜とかもか」
「牧場で飼ってるし色々な作物を栽培もしてる」
この国の内政のことをさらに話すのだった。
「工房やらもあちこちに一杯あるで」
「豊かってことやな」
「お茶もお塩も砂糖も何でもあるで」
こういったものもというのだ。
「日本の室町時代よりずっと豊かなのは確かや」
「冷凍技術まであって」
「多分日本で一番豊かな精力や」
「そやろな」
「そんでこの近畿には僕等以外にまともな精力なかってな」
また戦の話になった。
「星の連中がトップにいる勢力もなくてな」
「こっちの世界の人間だけか」
「しかも悪いことばっかりしてるならず者が治めてる」
「そんな勢力ばっかりやったんか」
「そんな連中民衆の支持もないし大した戦術も戦略もないしな」
それぞれの場所で威張っているだけだったというのだ、要するに。
「ヤクザと一緒や」
「ヤクザを軍隊で攻めたらな」
「わかるやろ」
「それで勝っていってか」
「あっという間にそういった連中を皆殺しにして」
文字通りにというのだ。
「そんで関西を手中に収めて外交で出雲の勢力を引き込んで」
「今に至るか」
「そや、とりあえず今は山陰に勢力を拡大してや」
そうしてというのだ。
「出雲に着くことを目指してる」
「飛び地やなくするんか」
「飛び地やとどうしても連絡取りにくいし守りにくからな」
「内政も連絡あってやしな」
「だからやねん」
「出雲までか」
「目指してるわ」
そこまで領土を拡大していっているというのだ。
「山陰の方に進出していってな」
「そっちにか」
「ああ、あっちにな」
「山陽はいってないんか」
「そっちは結構確かな勢力があって迂闊には攻められへんねん」
山陰と対になっているその地域はというのだ。
「四国もやけどな」
「山陽と四国にはまだか」
「進出してないで、ただ淡路は押さえてある」
「ああ、あの島な」
「そやからそこを足がかりにして瀬戸内の海にも水軍を出せるけど」
それでもとだ、芥川は中里に話した。
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