女々しくて
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第六章
「もう完全にです」
「お酒抜けたね」
「はい」
おばさんに笑顔で答えた。
「そうなりました」
「言った通りだね」
「はい、本当に」
「それじゃああの子も言ってたけれど」
「俺の家に帰って」
「そうしてゆっくり休むんだよ」
「わかりました」
俺はおばさんの言葉にまた頷いてだ、そしてだった。
実際に家に帰ってお袋に今日は身体の調子が悪いから休むと言って自分の部屋に入ってだった。
俺と彼女が二人で写っている写真とかを全部捨てた、そうしてからこの日はじっくりと寝た。
そして次の日登校して心の整理に努めてからツレの誘いを受けて合コンとかに行っていた、そうしている間に俺はその話を聞いてツレに言った。
「あいつ等大変なことになってるらしいな」
「ああ、あいつが部活の後輩いじめててな」
「それでらしいな」
「それがばれてあいつは部活クビになってだ」
「あの娘もだな」
「一緒になって色々やってたからな」
付き合っている相手、その性格の悪いあいつとだ。
「それがばれてな」
「もう学校一の嫌われ者になってるらしいな」
「二人でな、元々二人共評判が悪かったんだ」
「そして評判の悪い者同士がか」
「付き合ってだ」
俺を捨ててだ。
「そしてそうなったってことだ」
「そうなんだな」
「言った通りになったな」
「ああ」
俺はツレのクールな言葉に頷いた。
「そうだな」
「ああした奴はだ」
それこそという口調だった。
「いや、奴等は一緒になるんだ」
「類は友を呼ぶ、か」
「そうだ、だから御前とは一緒にいられなかったんだ」
彼女はというのだ。
「御前よりもずっと酷い奴だったからな」
「酷い女は酷い男と一緒になる、か」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そういうことでだ」
「俺はあの時随分と思ったぜ」
「よりを戻そうってだな」
「本気でな」
「戻さなくてよかっただろ」
「そうした風に動くことか」
「そうだ、女々しくな」
ここでは強い声で言ってきた。
「そうしなくてよかったな」
「そうだな」
俺は今わかった、このことが。
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