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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五話 夜になってその二

「しっかりした味だよ」
「いい味付けでござるな、確かに」
 マルヤムさんもスプーンに持ち替えて御飯を食べてみて言った。
「美味しいでござる」
「シーフードもね」
 それも食べてみるとだ。
「いい感じだね」
「そうでござるよ」
「本当に」
 そのシーフードについてチェチーリアさんが言ってきた。
「美味しいわ」
「そうですよね」
「海老に烏賊、貝に鱈にと」
 種類も豊富だ。
「どれも美味しくて」
「いい感じですね」
「お野菜も」
 プチトマトやパプリカも食べての言葉だ。
「美味しいわ」
「むっ、確かにでござる」
 マルヤムさんもその野菜を食べて答えた。
「こちらも絶品でござる」
「そうよね」
「後は鶏肉でござるが」
「こちらも」
「香辛料、香草を効かしていてでござる」
「美味しいわ」
「そうでござるな」
「ここのパエリアは最高でござる」
 マルヤムさんはまた言った。
「まことに」
「そうだね、そして」
 僕はワインを飲んでからマルヤムさんに応えた。
「ワインもね」
「美味しいでござるな」
「うん、こちらもね」
「もうアッラーにはお願いしたでござる」
「飲むことを許して下さいと」
「そうしたでござるから」 
 だからとだ、マルヤムさんはワインも飲んで言った。
「楽しませてもらっているでござる」
「そうなんだね」
「甘口でござるな」
「うん、いい感じでね」
「だから飲みやすいでござる」 
 僕より勢いよく飲みながらの言葉だった。
「ワインはやっぱり甘口でござる」
「赤ワインも白ワインも」
 チェチーリアさんもワインを飲みつつ話した。
「甘いのがいいわね」
「チェチーリアさんも甘口派ですか」
「ワインは」
「そうですか、そういえば」 
 ここで僕が思い出した人はいうと。
 あの親父だ、親父にしてもこのことは同じだ。
「親父も甘口派です」
「噂のあの人も」
「はい、お酒は何でも好きですが」
 その中でもだ。
「甘口派なんです」
「そうなのね」
「特にワインは」
 だからカクテルも好きだ、何でもバーで女の人を口説きながら甘いカクテルを飲むことが最高らしい。 
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