Blue Rose
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第四十七話 成長その六
「身体動かしてない?前より」
「ううん、お掃除とお洗濯は毎朝早く起きてしてるけれど」
「毎朝ね」
「ええ、そうしてるけれど」
「それが運動になっているのかも知れないわね」
「そうなの、けれど」
掃除と洗濯についてはだ、優花は姉に言った。
「お料理もそうだけれど、夕方の」
「神戸にいた時もしていたわね」
「だから別に」
「それは姉さんもしてたでしょ」
「あっ、そういえば」
「けれど貴女は今は全部一人でしてるわね」
「一人暮らしだからね」
このことは当然だ、一人暮らしならば何でも一人でしなくてはならない。これは最早言うまでもないことである。
「それは」
「そうでしょ、だからね」
「毎朝お掃除とお洗濯をして」
「そしてお料理も皿洗いもでしょ」
「何でもね」
「その分身体を動かしているからよ」
そうなるからだというのだ。
「運動になってね」
「ストレス解消になってるの」
「家事も体力使うから」
これが案外だ、家事を真剣にすると思わぬカロリー消費になるのだ。
「それがいい運動になってよ」
「ストレス解消になって」
「学業にも影響しているのよ」
「そうなのね」
「あと学校での生活も順調ね」
「皆と仲良く出来ていて」
このことは優花の性格によるところが大きい、温厚でよく気が利いていて親切だ。しかも公平なので人に嫌われる筈がない。
「部活も楽しくね」
「そのことは学校と同じね」
「生活は充実してるわ」
「その充実が出ていてよ」
「成績も上がってたの」
「そうよ」
「成程ね」
優花もここまで聞いて納得した。
「だから成績が上がったの」
「そう思うわ、それと長崎は坂道が多いわね」
「そこを歩くのも運動になって」
「いいのかも知れないわね」
「身体を動かすと成績も上がるの」
「そうかも知れないわ」
「私運動しなくても変わらなかったけれど」
ストレスが溜まらなかった、優花は自分のそのタイプのことも話した。
「それでも身体を動かすと」
「成績にも影響するのかもね」
「そうだったのね、けれど」
「運動自体は」
「ええ、あまりね」
それはだった、根っからの文化系と言っていい彼女は。
「好きじゃないわ」
「けれどそれでもよ」
「身体を動かすことはいいことなのね」
「家事や歩くことにしてもね」
「そうなのね」
「何はともあれ成績が上がったことはね」
このこと自体はとだ、優子は妹に言った。
「いいことよ、入られる大学も幅が拡がったから」
「そうね、文系ならね」
「八条大学のどの学部にも入られるわね」
「そうなったわ」
優花自身も答えた。
「法学部にも入られるのなら」
「うちの大学は文系はあそこが一番だから」
「他の大学にも入られるわね」
「そうね、じゃあ」
「それじゃあよね」
「どの学部に入るか」
「よく考えるわ」
こう姉に答えた。
「進路決める時までに」
「その時までじっくり考えるのよ」
「ええ、わかってるわ」
「そういうことでね、まずは大学に行って」
そしてというのだ。
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