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Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画

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士郎カレー猛威を振るう

 空気と笑いの間を読まなかったオーギュストのせいで、夕食になったエーデルフェルト邸。
 結構な人数がいる人形達は食事をしないでも済むが、魔力補給のためには食事をするので、固有結界張ったり色々したメンバーには食べ物が必要になった。
「本日は異世界のロードエルメロイとわたくしの婚約発表をさせて頂きますわ。まだ確定していませんが、異世界のわたくしとこの世界のロードエルメロイも婚約の予定です。さあ、お客様方、どうぞお召し上がりになって下さいませ」
 ケッコンカッコカリになったルヴィアとエルメロイは、ディナーで婚約発表パーティーでもある席で異世界の自分の婚約まで発表しようとした。凜は無視である。
「「「「「乾杯」」」」」
 ルヴィア一人用の気取ったフランス料理ではなく、大皿から自分で取り分けられるよう配膳され、特上寿司なんかも人数分以上取られて配達、大量に食べそうなアレクサンダーには肉、野菜と粉モン以外食べそうにないエルメロイにもサラダが用意された。
「家族揃って食事なんて久しぶりね、あら、桜がいないわ、どこに行ったのかしら」
 両親と姉が嫌いな桜と桜人形は、先輩の愛情?麻薬カレーを食べるために家族団欒など簡単に捨てて逃亡した。
「ワシ、さっきビールとタコヤキ食ったし、弁当もあるからもうええわ」
、この世界のギル様は腹一杯で、特価198円の弁当まであるのでノーサンキュー。相方だった綺糺の霊前に198円弁当を供えて適当に葬儀の代わりにした。
 異世界のギル君が成人した方は、エルキドゥさんとイチャコラするのに忙しくて少しだけ食べて中座した。
「「ウェイバーよ、そんなガリガリでは砂漠で生きていけんぞ、もっと食え」」
「「うん。いえ、我が主君よ(イエスマイロード)」」
「「ワシとお前の仲ではないか、今まで通りで良い」」
「「はい、大将(///)」」
 エルメロイもYOU来ちゃいなYOがオッケーらしく、食事中なのに*ツの穴をモジモジさせながら食った。形式的に嫁を迎えても、元からルヴィアや女には興味が無いのかもしれない。
「まあ、こんな賑やかな晩御飯久しぶりやねえ」
 カナダ人夫妻も大勢での食事は久しぶりで、ウェイバー君のトークに笑いながら楽しい食事を楽しんだ。
「はい、シロー、ア~ン」
「あ~ん、はい、アンジェリカもア~ン」
 マナーとか関係なく、椅子を寄せ合って赤くなって目を潤ませ、これから体力を使うので栄養補給もしている二人。
 ルヴィアと凜はエルメロイとの婚約が決まりそうなので、もう邪魔はしなかった。

 衛宮家
「おう、ご主人、もう一杯行こうや」
「はあ、一杯だけ」
 離婚の危機なのに、嶽間沢のオッサンから土産の酒を無理矢理飲まされ、娘自慢に花を咲かせ、女房自慢までされる切嗣。
「うちもカミさんがガイジンでなあ、キンパツのデッカイのなんだ、そっちの奥さんはどこの出だい?」
「ええまあ、ドイツらしいんですけど、色白ですし北欧系かと」
 さすがにホムンクルスとは言えず、ドイツ人にしておくが、何でも豪快に聞いて来て話題を作ろうとする苦手な人物に絡まれて困る切嗣だった。
「あんた仕事は何をしとるんだ? 余り日本には寄り付かんようだが?」
「ええ、建物の爆破を少々」
「おお、それは凄いな、倒れる向きとかも決められるんだろ?」
 根掘り葉掘り聞かれそうで、貿易とか言って嘘を語るに落ちると行けないので、熟練の爆破仕事を言ってみた。実際に建物を倒す方向を決めるぐらいは出来たので、ボロは出さずに済んだ。
「間桐桜、何で君は二人に増えた? 双子だったのか?」
 一成は龍堂寺に帰ると、兄と年増の義姉がイチャイチャイチャイチャしていて、小姑になって「女狐、小坊主」のやり取りにも飽き、冬でも夏でも部屋の中でセイバーフィギアを作って塗装までしているキャスターがいて、シンナー臭い家が嫌で、できるだけ家に近寄らなくなっていた。
「ええ、生き別れの妹か姉です」
 適当に凜の話をして姉でも生きていた事にしておく桜。相手が生徒会長だろうと誰であろうと、士郎以外と会話する気など無かった。

「イリヤの兄ちゃんって料理上手いんだっけ?」
「ええ、上手すぎるのよ」
 自分が料理を頑張っても、何故かクロエには敵わず、兄には火入れの時間や火加減、具材や調味料の投入時期まで厳しく査定されてしまうので、優しい兄も料理にだけは優しさが存在しないので苦情を漏らす。
 客人が多数だったので、子供達はイリクロ部屋で夕食、大人は交代制になって、アイリ、セラ、リズ、桜は給仕をしながらおあずけを食らった。
 男女差別ではなく、家族を外したのと、桜の場合は「女房気取り」で「お義母様、お義姉さま」呼ばわりなので、士郎に弁当だけ渡して客として座ってしまったナナキの姉よりも魔女である。
「いいこと、子供達? シローの作るカレーは麻薬よ、食べる前に気をしっかり持って、でないとあんた達は食後には「イリヤのお兄さん、私と結婚してください」と言う羽目になるわ」
 リズの事前説明に笑い「まさかそんなはずは無い」と思っていた一同だが、似たような経験があるイリヤと美遊は、その話が嘘やホラ話ではなく、特にリズや一成まで兄に結婚を申し込む所を見せられたイリヤは、友人に兄カレーを食べさせて良いのか心配した。
 もう兄に転んでいる桜とナナキの姉は、そのまま居座って寝床に忍び込んだり、何をするか分からない。
 一階では、士郎カレーはぢめての切嗣と、もう飲み始めている嶽間沢父、ナナキ姉と雀花姉、正座待機してその場を動かなかった大河と一成とバゼット二人がまず犠牲になる。

 クロエは客人がカレー堕ちする瞬間を見るために戻っていて配膳を手伝い、子供部屋にいる数人には4日目のカレーを少し甘口にして炊き立ても混ぜたブツを、セルフサービスで渡し、大人達には禍々しい香りを発している作り立てのカレーを並べた。
「さあ、お兄ちゃん特製のカレー粉から拘ったカレーよ、召し上がれ」
「「「「「「ぎゃーーーーーーっ!」」」」」」
 既に二階の子供部屋からは悲鳴が聞こえ、雀花も龍子もナナキもミミも「本紙記者も思わず昇天、士郎兄ちゃんのカレーテクニック」で天国まで飛ばされてイた。
「んほおおおおおっ!」
 兄カレーには免疫があるはずの美遊も、いつもとは違う粉と香りで胃袋を掴まれ、今すぐこっちの世界の士郎に嫁入りするか、同じカレーを兄に作ってもらうためには、一緒にお風呂でも一緒のお布団で寝るのもイタズラされるのも自由な、何でもしてしまうメス奴隷に作り替えられた。
 その時の士郎はクロエと同じ黒い笑顔で「子供をカレー堕ちさせるのも、また楽しからずや」みたいな愉悦に浸っていた。

「ハフッハフッハフッ」
 大河はアツアツのカレーをかき込み、口が火傷寸前なのも構わず食べ、ライスはそのままで、売り切れてしまう前に三杯はルーをお代わりしようと必死になっていた。もし求められれば、士郎にファーストキスでも処女でも差し出す覚悟はできている。
「ハァハァ、士郎、オランダなら男同士でも……」
 ミミが大喜びのセリフを呟く一成も、どこかの戦時中の漫画のように「今日はカレーライスだ、お代わりもあるぞ」と言われた兵士のように、何か泣きながら食べていた。
「衛宮君、私と結婚して……」
 ナナキの姉も即堕ち、病んだ目で泣きながら願望垂れ流しで結婚を申し出たが、手は止まらずカレーを掬って口に運び続けた。
「イリヤズのお兄さん、あたしとも結婚してメシスタントやって、同人で稼いでくるからさ、また食べさせてくれるなら何してもイイよ」
 雀花の姉まで堕ちて、腐女子なのに男と関係しても構わないので今後も士郎カレーを食べようとした。
「し、士郎、いつの間にこんな技術(テクニック)を……」
 このカレーがあれば世界が平和になって戦争も無くなり、国際社会や「あの」何一つ行動を起こさない、スーダンのダルフールでジェノサイドが起ころうがどうしようが「現在起こっているのはジェノサイド的事象であってジェノサイドではない」とか新しい政治用語まで作ってでも行動しない国連でも正義が行われるのではないか?と勘違いしてしまうぐらい、強烈な味と香りに惑わされる切嗣。
「し、士郎きゅんのカレーが……」
 究極の受け技を持つ嶽間沢のオッサンも、既婚者でありながら「受け」がオッケーになった。
「「うがあああっ」」
 やっぱり口からビーム吐いて巨大化して、大阪城とかポートタワー着込んで、あらぬことを叫びながら走るバゼット二人。今度は第一宇宙速度を越えて衛星軌道に乗って地球を七周り半回ってから帰って来て、鈴鹿の1コーナーの向こうにジーザスクライストを見た。

「お、お代わりっ」
 唇と口の中を腫らしてオバQみたいになった大河は、すぐにお代わり要求。とてもマリ見ての祥子様と同じ声とは思えない感じで、ひぐらしが鳴く神社の祭具殿の中を見せて貰える女学者みたいな声と顔で叫んだ。
 暫くすると二階からも子供達が皿を持って下りて来て、病んだ目で士郎に伝えた。
「「「「「お兄さん、私と結婚してください…… お代わりも下さい(カレ-ルーだけ)」」」」」
 雀花、ミミの腐女子も即堕ち、歩く児童ポルノ龍子、色々と天才のナナキ、美遊まで即堕ちして士郎に結婚を申し込んでいたが、普通なら顔を赤らめて言うセリフも、目の下にクマを作った病的な目でガクガク震え、薬物中毒患者のように危ない表情のまま言った。
「う~ん、みんな可愛いから困っちゃうな(ニヤリ)」
 まだ犯罪年齢なので手は出せないが、将来的には考えてしまう鬼畜な士郎。ちょっとスレた感じの腐女子だが、雀花や姉の眼鏡は気に入ったり、ナナキの姉妹丼を妄想したり、純真で男との恋愛は汚いと思っているミミも堕としてみたいと思い、妹の親友をメイド姿で頂いてみたいと思う普通のどこにでもいる男子高校生だった。
「「お、お兄ちゃん…… 結婚して」」
 まだ小学生なのに人生を決める発言も平気で、頭の中ではウェディングベルも鳴らず、ボリウッド映画でインドのダンスマスターが振付を決めたダンスで、中東のアジーンにも似た曲で大量の出演者全員でエンディングのダンスを踊り狂い、象の上でも踊るパオーン九千億倍カレーの猛威にひれ伏していた。

「シロー、後でリズお姉ちゃんと一緒にお風呂入って一緒に寝ようか? ハァハァ」
 壁ドンして、もう半脱ぎして直接武力行使に及ぼうとしているリズに、イリヤと美遊がドロップキックして、絞め技とか関節技を繰り出そうとしたが逆に大人の腕力で撃墜された。
「「カレー粉と寸胴が揃えば、私と士郎の関係は完全になる」」
 セラとアイリママまで目付きがおかしくなり、どっかのソラウさんみたいなことを言い出して、切嗣も士郎とクロエがいればアイリはもう必要ないと思って離婚を決意。
 まあ恋敵が増えたが、ライバルと言うよりメス奴隷が増えて、麻薬カレーを食べさせて貰えるなら、どんな恥ずかしいオネダリでも可能になった一同を見て、ほくそ笑むクロエ。
 雀花、ナナキは姉とも共闘できず敵指定。龍子とパパまで敵。
 そして士郎カレーは衛宮家をすべてアンリマユした後、台車に乗せられてエーデルフェルトに配達されて犠牲者を増やそうとしていた。

 
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