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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜

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92部分:動きはじめた時その三


動きはじめた時その三

「くっ・・・・・・」
「前々から変だとは思っていたんだよな。妙に出る数が決まっててな。全く人の事言えんのかよ」
「それを言うならお互い様だろうがこのイカサマ師が」
「確かに・・・・・・」
「似た者同士・・・・・・」
 取っ組み合いを始めた二人をロナンとトリスタンは冷めた目で見ていた。
「いや〜〜、それにしても美味しいわあ」
 ミランダがマカロニグラタンを赤葡萄酒で流し込みながら朗らかに笑う。
「修道院じゃこんなの食べられないからねえ」
 ピザを一枚平らげるとビールを樽ごと飲む。
「そういえばコノモールさんは?いつも一緒じゃないの?」
 ラナが平べったいフェットチーネを一気に飲み込みながら聞いた。
「コノモール?ゼーベイアさんやフィンさん、後ダグダさん達と一緒に飲みに行ったわよ。あたしには戦友になる方々と存分に楽しんできて下さい、って言って」
「ふうん、だからフィンさん達いないのかあ。後ここにいないのは二人でどっかに行ったアレスとリーン、何か孤高のガルザスさん、あとはセリス様とシャナン様、レヴィンさんとオイフェさんかセリス様達は街のお偉いさん達とお話らしいわね」
「えっ、という事はオイフェさんここには来ないのね?」
 エダが蜜酒をたたえた杯を手に出て来た。
「え、ええそうだけど・・・・・・」
「やったあ、これで好きなだけ飲めるぞお〜〜〜っ!」
「ばんざ〜〜〜いっ!」
 エダとヨハルヴァが共に杯を高々と掲げ飲み干した。皆それに続く。
「うんうん、オイフェさんって口煩いもんなあ」
 ディムナが頷きながらナイフでハムを切る。
「口を開けば真面目、武芸、勉学、努力、仁愛、忠誠とかそんなのばかりだもんなあ。一体何が楽しみで生きてんだか」
 マリータが汁気たっぷりの無花果を頬張りながら不満を述べる。
「そうそう、あんなの聞く人なんてずっとオイフェさんと一緒だったセリス様だけよ」
 ラドネイがウイスキーをストレートで飲みながら相槌を打つ。
「それにしてもセリス様も凄いよな。オイフェさんのあの堅苦しい管理教育を不平どころかいつも笑顔で聞いておられるもんなあ」
 スカサハが牛のカルパッチョをフォークでつまみながら言う。
「よろしいですか、セリス様」
 パティが急に畏まって言う。
「まず主君たるもの常に仁愛を・・・・・・」
 ラーナがそれに続く。
「あはは、似てるぅ〜〜」
 フィーが口を押さえケラケラと笑う。
「それで口髭あれば本人そのもの!」
 アミッドも腹を抱えている。
「こんな風に?」
 レイリアがカリオンの口元に小魚を置く。
「そうそう、そっくし!」
「今度本人に見せようぜ!」
 レスターとアーサーがゲラゲラと笑い転げる。そのすぐ側でシヴァが真空波で骨を断ちトルードが鉄兜を両断する。
「う〜〜ん、何か凄いなあ」
 マーティがそれを見てボソッと言う。
「御前もな」
 ダルシンが突っ込みを入れる。
「ん?」
 見れば樽と骨がうず高く積まれている。
(人の事言えるのかなあ?)
 マーティは心の中でそう思った。ダルシンの周りも似たようなものだ。
 リンダが右に左に杯を飲み干す隣でデルムッドはナンナと話していた。
 
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