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ヒカリアン・フォーエバー

作者:7仔
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第二話「永遠の”のぞみ”と”ひかり”」
  引退前日

 
前書き
新聞記事
JHR東海・西日本よりお知らせ。
300系車両の最終走行は、2012年3月16日(金)の臨時「ありがとう300系」のぞみ号。10時47分東京発博多行き。
100系車両の最終走行は同じく臨時「さよなら100系」ひかり号。14時30分岡山発博多行き。
いづれも全車指定席。最終走行にあわせ、東京・岡山両駅にて出発式、並びに博多駅、博多南駅、博多総合車両基地にて引退式を開催。 

 
某所
?「ふふふ・・・いよいよ決行の日が迫っているぞ。抜かりはないだろうな。」
??「はい、総力を挙げております。絶対に彼らが無事に最後の花道を飾ることはないでしょう。」
?「ふふふ・・・見ていろ。徹底的に叩き潰してみせる。ヒカリアンとしての、そして新幹線としての誇りなど、石ころ同然だと証明してみせよう!」




「永遠の"のぞみ"と"ひかり"」




3月15日の昼前。
秋葉原万世橋にあるJHR基地。そこに来客があった。

ライトニング・ノゾミアン-のぞみはその時、宿直部屋で執務ノートを読んでいた。

のぞみ「・・・明日のスケジュール暗記はもう完璧かな。後はその場の臨機応変・・・。」

セブン「おーい、のぞみ!『西』からひかり隊長たちが来ているぞ。」

のぞみ「分かった!すぐ行くよ。」

彼の体にはラッピングがされてあった。
「SHINKANSEN SERIS300 ありがとうLAST RUN 2012.3.16」と。



ひかり「調子はどうかね。」

のぞみ「ええ、何とか胸を張って最後まで走れそうです。」

ひかり「それはよかった。それにしても、まさか同時引退になるとはなあ。いつまでもおっちょこちょ
いの小童だと思っていたお前と・・・。」

のぞみ「おちょこちょいはないでしょう。おっちょこちょいは。」

ひかり「分かっているよ、昔の話。今は掃除洗濯もちゃんとできるように・・・。」

のぞみ「そのくらいにしてくださいよ。それはそうと、ウエストなんですが・・・。」

ひかり「心配はいらん。あいつはもう子供じゃない。きっとこれから先来るであろう新入り達をまとめられる。」

のぞみ「そうですね、セブンも付いているし・・・ただもう一つ心配があるんですよ。」

ひかり「お前さんの言いたいことはすぐに分かるよ、人間の友達・・・だろ?」





AHRレスキュー「ボス、How long?いつまで落ち込んでいるんです。」

テツユキ「だってよ・・・はあ、日本で運転士になればよかったよ・・・。」

ウエスト「何言っているんだよ。頑張れば電車の運転士にいつでも戻れるって。昔から訓練しているんだから・・・。」

テツ「のぞみの運転席にはもう座れないんだよ・・・局長の椅子、早く誰かにゆずろうゆずろうと思いながら、グズグズしてその挙句・・・アア・・・。」

のぞみ「まだ後悔しているのか・・・。」

テツ「あ、のぞみ。ひかり隊長も。」

のぞみ「いつまでも落ち込んでいてどうするんだ。自分の選んだ仕事を悪い風に考えるなんて。私はこの300系をボディに選んだ以上、この引退も宿命だと思っている。」

テツ「そんな・・・のぞみは引退までに俺に運転席に戻ってきて欲しいって思っていたんじゃないのか」
のぞみ「君のことはもう仕方がないことだ。見送ってくれるだけでも嬉しいよ。
それより、君はまだまだ頑張れるだろう。後輩の運転士を育てたりとか・・・。」

レスキュー「それに関しては、ミーがうちの後継者をfinding、探しています。それが見つかったら、ボスはJHRに戻る。で、捨てた夢を取り戻せばOK。」

7「それに、ケンタも西日本で運転士目指しているんだ。先輩として、運転のイロハを教えてやれよ。」

テツ「ハア・・・みんな楽天的だな・・・。」

W「楽天さ捨てて、悩むばかりの生き方をしていたんじゃ、誰も幸せになれないよ。」

ひかり「ウエストの言うとおりだ。それより、ほら、指定席券だ。」

テツ「・・・ありがとうございます。」

のぞみ「テツユキ君、それじゃあ、後で運転席、座ってみるか?」

テツ「・・・ああ。」



下町中華374庵

ミナヨ「そんなに落ち込んでいたの・・・。」

ひかり「うん。後でサービスしてくれないか。代金は私が払うよ。」

ミナ「・・・でも、テツユキ君、まだ・・・。」

神田父「・・・まだ?まだ仲たがいしたままなのか?この前よく話し合ったんじゃ・・・。」

ミナ「その話とは別よ。前に比べれば、ここで食事したり、出前を取ったりした時は愛想良くなったわ。
でも、私が『どっか行こうか?』って誘ったりすると『他の誰かと行け。』って、途端に態度が冷たくなるの。」

W「さすがのテツユキ君も警戒しているんじゃない?またワガママに振り回されて・・・。」

ミナ「私はもう大人よ。テツユキ君のこと・・・もっと大事に・・・。」

W「どうだか・・・。」

7「ウエスト。ミナヨちゃんをいじめるなよ、ケンタもケンタだが、お前もお前だ。」

神田父「ケンタ君も変わったよな。前は気弱だったのに・・・。」

W「運転士を目指している分、責任感が強いんだよ。いい加減な人間を許せないのさ。」

ミナヨはまたあの一件‐アオバに怪我をさせた事故を思い出した。
あの時、ミナヨは峠一家にとってかけがえのない宝物だったプジョーを大破させてしまった。

ケンタからは
「あの自転車が直ったとしても、ミナヨ姐ちゃんが許されるとは限らない。さて、どうしてくれる?」
という言葉を食らった。

反省のための試練を乗り越えた後も、ケンタとは未だに折り合いが悪い。
彼はJHR西日本の学校に入る前は、アオバと仲が良かったという。

神田父「はあ・・・せっかくカレー屋を復活できそうなのに、昔の常連さんがこれじゃあなあ・・・。」

W「カレー屋って・・・ヒーヒーカレー?」

神田父「ああ、この前東京駅内の・・・ひょんなことから前の店の跡地の権利を再取得したんだよ。
ミナヨが独立したら、またカレー屋を復活させて経営させようかと思ってね。私はこっちで頑張る代わりにね。
それでな・・・実はそろそろかなって思っているんだ。」

W&ひか「何を・・・。」

ミナ「・・・お婿さん。」

W&ひか「!?」

神田父「いや、ちょっと恥ずかしい話なんだが、ミナヨももう年頃だし、跡取りを確保したいなと。
それで候補なんだけど・・・私としてはテツユキ君がベストかな、と思っているんだが・・・。」








テツ「ブヘーックシュッ・・・またミナヨが俺のこと・・・で、のぞみ、どうなんだ?」

のぞみ「何が?」

テツ「とぼけるな。明日、俺だけじゃなくて必ずミナヨも乗るだろう?」

のぞみ「・・・ああ、当たり前だろう。」

テツ「あいつの席の番号は?」

のぞみ「・・・いや、私は聞いていないよ。」

テツ「何を言うんだよ。お前なら、どの席を確保するかぐらい、緑の窓口に指示できるだろう?」

のぞみ「・・・。」

テツ「大体見当はつくよ。車両は博多方面の先頭車、つまりお前自身。席は・・・おそらくミナヨと俺は隣同士。そうなるように席を空けておいた。違うか?」

のぞみ「・・・君、そんなにミナヨちゃんと一緒が嫌か?」

テツ「悪いか?。せっかく自分を取り戻せたと思ったら、今度はあいつのキチママに散々振り回されて・・・だから俺は結局日本を捨てて、アメリカに戻った。今まで帰れなかったのは・・・。」

のぞみ「ミナヨちゃんから逃げていたんだろう?」

テツ「逃げたんじゃない。」

のぞみ「いや、逃げていた。好きだと思い続けていた相手だけじゃない、運転士になる夢からも。」

テツ「く・・・俺は・・・。」

ピピピ・・・。

のぞみ「・・・通信だ。はい?」

?(鈴木勝美)「・・・調子はどうかね、のぞみ・・・。」

のぞみ「あっ!」

テツ「あんた・・・まだ生きていたのか?」

?「ムカッそういうお前さんはテツユキじゃな、あとでちょっと来い。」

テツ「・・・ゴメンナサイ」

?「ほほほ!ジョークじゃよ。ひかりにも連絡しとくわい。司令室に来ておくれ。」

のぞみ「了解・・・話の続きだが・・・。」

テツ「分かっているよ。どうせ俺は・・・。」

のぞみ「ちゃんと聞いてくれ。それでも君は一度は戻ってきてくれた。アオバちゃんとの事故を起こした時・・・。」

テツ「あれはアオバがチェンさんやケンタと知り合いだったから、二人に申し訳ないと・・・。」

のぞみ「それだけか?本当はこの手でミナヨちゃんを改心させたくて帰ったんじゃないのか。」

テツ「・・・。」

のぞみ「まあいい。また後でじっくり話し合おう。」 
 

 
後書き
えーと、2話スタートです。

 
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