オズのアン王女
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第六幕その十一
「もうね」
「私の国への道もよね」
「わかるわ」
何処に何があるのかもです。
「だからね」
「貴女の場合はね」
「安心してるわ」
アンもにこりと笑って応えます。
「何しろオズの国一の冒険者だから」
「そうなったわね」
「長い旅の中で、だからわかるわね」
「明日には」
実際にこう言ったドロシーでした。
「着くわ」
「そうね、景色を見たら」
「明日の夕方かしら」
「この調子で歩いていけば」
「その頃ね、ただ」
「ただ?」
「アン王女の歩く速さだともっと速いかしら」
その速さに皆も合わせています。
「そうなるかしら」
「どうかしらね、そこは」
「貴女の調子次第かしら」
「そうかも。私も歩くのが遅い時もあるわ」
「そうなの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「わからないわよ、ただそれでも明日の夕方までにはね」
「着けそうね」
「そうだと思うわ」
そうだというのだ。
「私もね」
「じゃあ明日の晩御飯は」
「ウーガブーの国でよ」
そこで食べることになるというのです、そうしたお話もしてでした。皆でウーガブーの国へと歩いていきます。勿論途中でティータイムや御飯も忘れていません。
そしてその中で、でした。お昼過ぎになってアンは目の前を指差して皆に言いました。道を歩くその中で。
「あそこがよ」
「ウーガブーの国ですね」
「いよいよよ」
ジョージにも笑顔で答えます。
「見えてきたわ」
「何かウーガブーの国は」
ジョージはしみじみとして言いました。
「久し振りに行きますね」
「久し振りというか」
それこそとです、恵梨香は言いました。
「この前ウーガブーの国にお邪魔したのはかなり前で」
「申し訳ないですがあまり覚えてなくて」
ナターシャもアンに言います。
「懐かしい感じさえします」
「いや、はじめて見た感じです」
カルロスの口調はしみじみとさえしています。
「今は」
「これからウーガブーの国に入って」
最後に神宝が言います。
「何が起こってもいい様にしますね」
「そうよ、私頑張るわよ」
意気込みさえ見せているアンでした。
「ウーガブーの国の主だからね」
「では今から」
大尉はアンのすぐ後ろから応えました。
「お国に戻りましょう」
「さあ、帰ったら」
意気込んで帰る為準備体操さえしそうな状況で言うアンでした。
「皆をまずおもてなしするわね」
「晩御飯でだね」
「ウーガブーの国の果物やお野菜のお料理でね」
トトにも言うのでした。
「勿論お肉もあるわよ」
「凄く楽しみだよ」
「それーーでは」
チクタクは何も食べる必要がないですがアンに応えました。
「今からーー行きーーましょう」
「それじゃあね」
アンは自分が先頭に立ってそのうえでウーガブーの国への道をあらためて歩きはじめるのでした。皆と一緒に。そして何と三時にウーガブーの国に着きました。
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