Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画
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色々呼び出されて凜も士郎も補完
「パパ……」
あの凜からも、綺麗な涙がスッと流れ落ち、悪魔に魂を売り渡した。
その後はもう、時臣さん出て来ちゃって凜タンガチ泣きで「パパー!」とか言いながら、幼い頃の呼び名のままパパさんに抱き着いちゃて補完。
時臣は裸ではなく、上下赤のスーツに胸に薔薇とか、舞台上のマジシャンかアメリカ南部の正装である上下白のスーツのフライドチキンのカーネルサンダースぐらい、日本の日常ではあり得ない恰好そのまま出た。
小さい頃に死に別れてしまったので、凜は「パパのお嫁さんになる~」がまだ残っていて、ちょいファザコン入ってたので、もう顔中グッチュグチュのヌレヌレ。
そこでまだアンジェリカが光って浮いているのを見たクロエが、
「お兄ちゃんも切嗣パパと、本当のパパとママ呼び出して欲しいんじゃない?」
と言い出して、士郎キュンもっかいメダマドコー?状態。
「シロー、お前にも呼び出して欲しい人がいるのか? 一緒に異世界に行こう(///)」
になって、ギル様を誘拐するのにも手間取らなかったアンジエリカが時間と手間暇かけて呼び出して「お、親父、親父~~~っ!」「シロー、これで良かったのか? 次は本当の父と母だな(一応儀式)」「とっ、父さん、母さんっ!」「ああ、良かった、私の置換魔法も役立つ事もあるのだな」「アンジェリカ、ありがとうっ、ありがっ、ぐうううっ(ギュッと抱き締めて号泣)」「ああ、シローだめだ、ご両親とキリツグが見ているではないか、だ、だめ、う~~~(口を塞がれる)」みたいな感じになって実家で「ご休憩」シしているらしく帰ってこなかった。
「クロエッ、ありがとう、ありがとうっ」
「い~のよ、良かったわねえ」
いつものキッツイ性格でツンツンしまくりだったはずの凜が、心の装甲板とか取り外されてしまって、綺麗なジャイアンならぬ綺麗で優しい凜にされてボロボロになって、パパさんと一緒にクロエの手を取って感謝。
「「天使様、ワシらの事は下僕と呼んで好きなように使こうて下さい」」
「まあ先生、頭を上げて」
明らかに悪魔の羽根が生えて角が出て尻尾も見えているクロエに感謝し、ウェイバー君二人も下僕忠誠して大王以外の二君にまみえる状態になった。
「「おじょうちゃん、ええ子や、もうおっちゃんの跡継ぎになって二代目ギルガメッシュ亭?襲名して、宝物庫も名前も全部相続してくれ」」
「オジサン、もし死んじゃっても人形にしてあげるから戻って来てねぇ」
こうしてクロエは、名前の後にフォン(ドイツ貴族の称号)・アインツベルン、ロード(英国貴族の称号)エルメロイ・ギルガメッシュ(神話の半分神様)を名乗れる立場になった。
後はエーデルフェルトかフランス貴族の家督でも継いで「ド(フランス貴族の称号、例:ジル・ル・ド・フェラン)」でも付けば完璧である。
「アラ、そんなに喜んでもらえて光栄だわ~(ヒッヒッヒッ)お兄ちゃんもアンジェリカとシッポリ濡れてる頃みたいだし~」
まだ雀花達に、くすぐり拷問を受けているイリヤと美遊が知らない間に、切嗣と両親公認で恩人のアンジェリカさんと結ばれちゃってると思われる傷あり士郎。
これでキスだけで帰って来たりする玉無し野郎なら、自分が押し倒してでもお兄ちゃんを卒業させる(何を?)つもりでいた。
「凜、時臣さん、葵ママにも会わせてあげないとダメじゃない、連れて来てあげるわ」
次の犠牲者を出すために、パパとの感動の再会で動けない凜に代わってママさんを呼びに行くクロエ。桜も呼んで修羅場?にするのは言うまでもない。
凜は「何でお父さんとお母さんの名前まで知ってるの?」と一瞬思ったが、母の病状や養子に出した妹まで知られているよりは大した問題ではないので、天使(悪魔)クロエの超能力だと納得した。
凜と時臣(人形)の前に、車椅子の葵、カレー待ちしていた桜と桜人形もクロエwifiで呼ばれて、遠坂家勢揃いになってしまった。
「「お、お父さん……」」
小さい頃に養子に出され、こちらも「パパのお嫁さんになる~」と言ってしまい姉に一方的に虐められた桜も、子供の頃に「いらん子」扱いされて養子に出されて両親を憎んでいたが、学校の男先生を必ず好きになったり、す~ぐ先輩が好きになったり、自分を指導する立場の相手がどうしても好きになってしまう、ファザコンで父や年上の男の愛情が欲しくて欲しくて堪らない、西洋で言う「神父の恋人」に育っちゃっていた桜ちゃん達も集合した。
「桜? 桜なのか?」
多少記憶障害だが、桜人形みたいに人格障害とかヤンデレ方向にぶっ壊れたりしてない時臣に話し掛けられ、おずおずと近寄って手を取る桜二人。
時臣は記憶障害なので、何で二人もいるのか、双子なのかは追及されなかった。
「あら貴方、お帰りなさい、今度の出張は長かったわね」
適度に壊れている葵も夫の帰還を喜んだ。短期記憶用の低酸素に弱い海馬体が損傷していて、記憶は毎日更新で昨日の事や事故以降の出来事は覚えられず、夫を失ったとか死んだという重い記憶は無いので、凜の嘘に騙されて「お父さんは出張中よ」で通され、そのまま信じていた。
「ああ、葵、凜、桜」
「パパッ」
「お父さん…」
「貴方」
幸せそうな家族を見て、ちょっと雁夜オジサンと虫の怨霊が出たが、ギル様の宝具で黙らされた。
「もしこれで凜のママの葵さんも治ったら幸せよねえ~?」
クロエが悪魔の笑顔のままオネダリして周囲を見渡すと、早速エサに飛びついた愚かな生き物が二人。
「「はいっ、天使様の仰る通りに」」
治療魔術は専門外だったが、学校の教頭か校長になるほどの術者で、アイオニオンヘタイロイに加入するため、治療魔術も学んでいたエルメロイ二人が天使様のご要望に応えた。
「え? 先生」
凜やルヴィアのような生徒に対しては、あの強面のエルメロイ卿が完全にクロエの軍門に下って、凜や桜の依頼や合意があろうが無かろうが、天使様に恩返しして、お褒めの言葉を賜るためテキパキと床に魔法陣を描き始めた。
「「よっしゃ、オッチャンがお供え物出したろ」」
ギル様は対価に出すお供えとか酒とか魔術を媒介する高価すぎる宝石とかガンガン出し、エルキドゥ様まで空気読んで二人で精霊を呼んだ。
「「今こそ我らの恩に報いよ、アイオニオンヘタイロイッ!」」
「「「「「「「「「「然りっ! 然りっ! 然りっ!」」」」」」」」」」
アレクサンダー達まで固有結界開いてアイオニオンヘタイロイ全員で祈らせたり(万人が二倍)魔力を供出させたり(万人の二乗)、ちょっと英国本国でも受けられない治療環境が設定された。
「「ファkghrhjdtphペアsjf;ハア@g;rjhsthクァ3イjf、病に倒れた哀れな者を救いたまえっ、エイメンッ!」」
ちょっとクロエが予想した禁呪20~30個とか暗黒魔法とか呪いで地獄の底から呼び出される方向では無かったが、ホワイトマジックで綺麗な葵さんに修復された。
「「これで、何か刺激になる事があったら、記憶とか体の方も快方に向かうはずや」」
まあ、この後士郎の麻薬カレーを食わされるので、やっぱりハンバーガー食った味皇様みたいに口からビーム吐いて車椅子のまま坂道を山の上まで激走して、巨大化して大阪城着込んで立ち上がって水の上を走るのは言うまでもない。
「ああっ、貴方っ! そこにいるのは凜と桜なの? こんなに大きくなって」
「ママーーーーーーーーーーーッ!」
「お母さんっ!」
葵は車椅子からは立ち上がれなかったが、低酸素状態で海馬体が破壊されていたり、認知障害をおこしていた脳がオドで満たされ解放に向かっていた。遠坂一家補完完了である。
「「吉本やのに松竹みたいや」」
「「三波春夫で御座います」」
「「なんでやねんっ」」
ギル様も二倍に増えていたのでツッコミが足りなかったが、ゆがんだグラサンの下も少し湿っていた。
誰かのネタみたいに「トシちゃんの頭の上には新車のソアラが一台乗ってる(現在レクサスブランド)」ぐらいの金額なので、薄毛の頭頂とデコを隠すズラは外れなかった。
(計画通り!)
ちょっと予想とは違ったが、シャーレイみたいな死徒にもならず、ニワトリ踊り食いとかしなかったが、まあ復活した葵を見てほくそ笑むクロエ先生。
もし凜が逆らったら、ディルムッドに魅了されたセイバーさんみたいに「私に魅了を使ったな(///)」とか、旧エルメロイ卿の嫁のソラウさんみたいに、葵が「令呪を渡しなさい」とか言って時臣の小指から順番にへし折ったり「令呪が揃えば私とディルムッドの関係は完全になる、ハァハァ」みたいな寝言を言いだして一家離散、マイヤに気絶させられた上で肘から先をナイフ切り落とされて拳銃で腕ごと令呪を粉砕されて人質になって切嗣に脅迫されたエルメロイが契約結ばされてからディルムッド自決してソラウ射殺されるぐらい悲惨な目に逢う。
「まあ、良かったわねえ凜。先生二人にそこまでして貰ったら、もう結婚するしかないんじゃない?」
「は、はい、そうします。グスッ、先生、私も立候補します。グスッ、こっちの世界の先生のお嫁さんにして下さいっ」
もうクロエには敬語、歯向かう気力も一切なくし、天使様(悪魔)が言う通りにすれば幸せになれると思い込んで、パパとママにも囲まれ、妹まで揃って補完された凜は、ルヴィアと同じようにエルメロイに求婚した。
「ああ、君さえ良かったらそないしよか、何せクロエ様と大将のお達しやから、ご命令通り幸せにならんとなあ」
「あら、ごちそうさま、お幸せにね、クックックッ」
また一名減ったライバルを見て、ほくそ笑むクロエだった。
「「そや、シロー君も養子に貰て、魔術師も継いで貰お」」
その場合「義母ルヴィア」とか「義母、凜」みたいな同い年の義理の母がいる「どこのAVだよ!」と言われそうな家族編成になる。
エルメロイも主君に与えられたファミリーの処女性には拘っていないので「はぢめてだけは士郎と」みたいな感じで孕んでも「シローくんならオッケーや」で済ませてくれる。
工房で凜が号泣して求婚している頃、綺糺はとっくの昔にエーデルフェルトに到着して、高級なコーヒーなど出されて愉悦していたが、自分を呼び出したギルガメッシュまでいないので、気配がする工房まで来た。
「遠坂…… 時臣?」
自分が後ろから挿して?あの世に送ったはずの人物が生きていて驚く、人形もアンジェリカの置換魔法も知らない、この世界の綺糺。
「おや、君も来てくれたのか、言峰君」
弟子とか綺糺とも呼ばず、出会った当時の呼び方で呼ばれ、冷や汗をかきながら逃げ出す準備もして、涼しい顔で対応する綺糺。
「おや…… 先生、お久しぶりです、どのようにして現世に?」
魔術師なので地獄で取引でもして下生したか、何か術でも使って受肉したようなので警戒する。
「私にも分からないのだが? 娘たちが苦労してくれたようだ」
「クッ、クロエとアンジェリカが… うっ」
泣いているので説明できなかった凜だが、嫌いな後見人にも話そうとしてしまうぐらい機嫌が良かった。
「あら、来ちゃったのね? 言峰綺糺さん。犯人はお前だっ!」
いきなり名探偵になって、じっちゃんの名に懸けて、黒縁眼鏡もかけて蝶ネクタイをして、綺糺を指さしたクロエ。
本来時計に付いている麻酔針で切嗣を刺して、眠らせた上で声色を使って昏睡探偵?として喋るはずだが、時間節約のためにすぐさま犯人を指名した。
「な、何の事かな? 私が犯人などと……」
身に覚えがあり過ぎて、目を泳がせながら後退する綺糺、何か相方のギル様まで敵に回りそうな雰囲気で、何組か二人づついるのも目を疑ったが、とりあえず逃げようとした。
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