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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百三話 ハウステンボスその八

「毎朝です」
「これを千回二千回ですか」
「そしてスクワットもです」
 ヒンズースクワットもというのだ。
「励みますので」
「そっちも千回二千回ですか」
「そちらは数を決めています」
「どれだけですか?」
「四千回です」
 それだけというのだ。
「しています」
「毎日ですか」
「足腰も重要なので」 
 それ故にというのだ。
「木刀を振るだけでなく」
「スクワットもですか」
「しています、むしろです」
「足腰の方がですね」
「重要ですので」
 武道でもというのだ。
「スクワットも欠かしていません」
「そちらは四千回ですか」
「そうです」
「レスラーみたいですね」
「若し足腰が弱いですと」
 畑中さんはその巨大な木刀を見つつ僕に話してくれた。
「こうした木刀もです」
「振れないですか」
「持つだけではないので」
「ああ、振る時に動いて」
「足腰で踏み止まないとならないので」
 素振りはそうしたものだからというのだ。
「足腰も鍛えています」
「そうですか」
「はい、常に」
「そこまでしないとですね」
「あの木刀は振り続けられません」
 足腰も鍛えてこそというのだ。
「本来の直新陰流の鍛錬にスクワットはないですが」
「加えたのですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「一生。この木刀を振る為に」
「スクワットもされていますか」
「若い頃、直新陰流をはじめてから」
 それからというのだ。
「そうしています」
「大変ですね、一生剣道を続けていくことも」
「いえ、大変ではありません」
 穏やかな声でだ、畑中さんは僕に答えてくれた。
「特に」
「そうなのですか」
「これが楽しみなので」
「鍛錬が、ですか」
「汗をかきいいストレス解消になっています」
「だから毎日ですか」
「毎朝行っています」 
 そうだというのだ。
「そしてその鍛錬の後で」
「シャワーを浴びてですか」
「身体を清め」
「そしてですね」
「一日をはじめています」
「だからですか」
「苦ではありません」
 むしろその逆という言葉だった。
「私にとっては」
「左様ですか」
「では翌朝もです」
「素振りとスクワットからですね」
「一日をはじめます」
「そしてそのうえで」
「観光をはじめます」
 言うまででもなく朝食を摂ったうえでだ。 
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