オズのアン王女
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第五幕その八
「見事だよ」
「いえ、これはね」
「当然だっていうんだね」
「だって私がウーガブーの国の国家元首よ」
こう言うのでした。
「だったらよ」
「こうしたこともなんだ」
「当然よ」
「そういうことなんだね」
「そう、それとね」
「それと?」
「これまではね」
アンはこれまでの自分の政策を振り返って言うのでした。
「私そうした備えの政策はね」
「してこなかったんだ」
「今気付いたわ」
カバキリンとお話をしてというのです。
「備えにはね」
「そうした政策はなんだ」
「してこなかったわ」
「あっ、そういえば」
ここでドロシーも言います。
「オズマはいつも万が一を考えてね」
「オズの国全体の政治をしているのね」
「そうよ」
アンにお話するのでした。
「この大陸全体のね」
「そうよね、けれどね」
「アン王女はっていうのね」
「そこまでしていなかったわ」
悔やむものをそのお顔にも見せています。
「迂闊だったわ」
「木樵さんもですね」
大尉は主君であるウィンキーの皇帝のことを思い出しました。
「災害、不測の事態はです」
「起こるものとよね」
「そう考えておられて」
「政治をしているのね」
「はい、かかしさんやジャックさんと相談しながら」
「三人共オズの国の政治にも関わってるわよ」
ドロシーは木樵を軸とした三人がウィンキーだけでなくオズの国の政治全体にも関わっていることをお話しました。
「あらゆる不測の事態を考えて」
「そうなのね」
「だからウーガブーの国も」
「オズの国の中にある国だから」
「何かあったらね」
その時はというのです。
「ちゃんと備えは出来ているわよ」
「いえ、それでもね」
「ウーガブーの国としてなの」
「ちゃんとしていくわ」
こうドロシーに言うアンでした。
「私もね」
「そうなのね」
「だって自分達で何とかしないと」
「駄目だから」
「やるわ」
こう強い決意をです、ドロシーにお話しました。
「そうしないと何もならないから」
「うん、その意気だよ」
トトはアンのその心意気を受けて彼女に言いました。
「やっぱりまずは自分でもね」
「そうよね」
「気付いたらすぐにね」
「気付くのが遅かったかしら」
「いや、何かあってから気付いたら遅いけれど」
「何もないうちにから気付いたら」
「いいんじゃないかな」
これがトトの考えでした。
「だからね」
「それでなのね」
「アン王女は遅くないと思うよ」
「だといいけれど」
「じゃあ政治頑張ってね」
カバキリンはまたアンに言いました。
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