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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第二章 Lost Heros
  二神VS漆黒&薄緑


蒔風が獅子天麟を突き立て、それの上にまるで天使の輪のように龍虎雀武を浮遊させた。


「剣の一薙ぎ、拳一発すらも放たずに、完全なる全快状態のみに発動できる技・・・・二神召喚。顕現せよ二柱!!!!」



ゴォッ!!!と風が渦巻いて、剣が輝き、とてつもない光を放って二つの剣が姿を変えた。


その光景に、真ん中に蒔風が指を合わせて遊んでいる。
背には翼が輝き、顔はニタニタと歪んでいる。


その左に青い髪をした、人の姿となった「応竜」が立つ。
手には解放組立状態の龍虎雀武が。今は朱雀槍の先端に青龍刀がついた薙刀のような形になっている。

そして、右には赤い髪をした「鳳凰」が。
手には獅子天麟。大地に突き立て、腕を組んで敵を睨む。



「ふむ・・・この状態は本当に久々ですな」

「だが、この相手ならば納得だ。して主。どのように?」


「生死は問わん。倒せ」



「「御意」」




蒔風が土惺で地面を椅子に作り上げてそこに座る。
そして応竜、朱雀はそれぞれ理樹、クラウドのもとへと剣を構えて突っ込んでいった。




「これ以上手間とらせんなよ?二人とも」



蒔風が笑う。
その笑みは、悪の者のそれだった。






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ドゴッッ!!!!


クラウドの剣と、朱雀の獅子天麟が衝突し、クラウドが弾かれて地面を転がり、そこから受け身を取って立つ。一方朱雀は弾かれながらも踏ん張り、足が地面を滑るにとどまっていた。


「グっ・・・・強い・・・・」

「あなたも相当ですよ。まさかこの形態の私とまともに戦えるとは」



そういいながら、朱雀が獅子天麟を両手で握りしめ、身体を右に思い切り捻った。
腕の筋肉がメキメキと音を立て、眼光がクラウドを射抜く。


「フンッッ!!!!」

「ッッッ!!!!」




そして、地面にそれを叩きつけると、叩きつけた場所から三つに切れ目が走り、そこが赤く光って爆発した。
それを上空に飛び上がって回避したクラウド。そこから着地とともに朱雀に剣を振り落としてそこから回転して後ろ蹴りを顔面にたたきつける。

朱雀はクラウドの剣をバックステップで躱したが、顔面へのキックは躱せなかったのかまともに命中してしまう。
だが、そんなものは全く効いていないかのようにその顔面に当たった足を左手でつかみ、地面にクラウドを叩きつけた。


ゴカッ!!!という音を立てて、彼の体が地面を()ねた。
しかし、それでも宙で体制を整えて、剣を地面に突き立てストッパーにして両足で着地したのは流石だ。




「あまりこの体を傷つけないでもらえるかね」

「それは・・・断る!!!」



ブンブン、ゴカッ!!



クラウドが剣を振り上げて突っ込み、朱雀に向けて横薙ぎ、そのまま振り抜けてしまう。
鳳凰はしゃがんで躱し、振り抜けて背中を向けたクラウドに向かって剣を振り下ろす。

が、クラウドは振り抜いた剣をに上空へと「握ったまま投げ放った」。
その勢いに引っ張られるように跳躍、さらに地面に振り下ろされた獅子天麟を踏みつけて地面にめり込ませる。

そうして一瞬動きを止められた鳳凰めがけて、宙で体ごと剣を振り回し、その剣に青い魔光のオーラを纏わせて叩きつけた。

それを鳳凰は獅子天麟を地面にめり込んでしまった麒麟を残し、「獅子天」のみを引き抜いて回避した。
だが、地面にぶち当たったクラウドによる衝撃は凄まじく、朱雀の体がはじけ飛ぶ。









一方、理樹のほうだが応竜の変幻自在な攻撃に防戦一方だった。
朱雀槍の先端を次々と変えたり、両手に青龍刀と玄武盾などといった武器を以っての二刀攻撃などで全く先が読めないのだ。

だが、それでも理樹はそのすべてを防いでいた。
ひっかくような刃、引き裂く斬撃、重く鋭い打撃。それらすべての攻撃を、最小限の防御で防ぎ切っていたのだ。


防御とは、ある意味で攻撃よりも高等なスキルだ。


いくら防壁が頑丈だからと言って、ずっとバリアを張っていればいいというわけではないからだ
そんなことをすればいくら頑丈なバリアでも、いずれは疲弊して打ち破られるし、大きなバリアほど隙が大きい。

その分、理樹が現在行っている防御は素晴らしいものだった。

最小限にして最硬のバリアで防ぎ、決して無茶な大振りはしない。

ゆえに、一見一方的に見える応竜の攻撃なのだが、実際のところ彼は攻めあぐねていた。



いくら攻めても、この防御壁が破られる気配がないのだ。



通常、こういった手合いが相手の場合は一点を集中して攻撃して破壊するのがセオリーだが、このバリアはただ張っているように見えて、実は表面上は流動的になっている。
バリアが理樹の意志によって変則的に動いているため、一点集中などできるはずもないのだ。

つまり、彼のバリアはそこに壁を作るのではなく、それがベルトコンベアのように動き続けているということ。
それはまるで川の一部を切り取ったかのようで、どこから来てどこへ流れるといったものではない。


そんなバリアではもはや打ち破るとかの話ではない。
もともと何もしなくてもあの雷旺砲を受け耐えうるものだというのに、それがこんな力まで働いていては破壊するだけでも相当の労力である。


そうであっても応竜には攻撃するほかない。
大振りや小振りな攻撃で攻めていくが、その一瞬を見切った理樹によって武器がバリアの回転に呑まれ弾かれる。



と、同時にクラウドの衝撃で鳳凰も弾き飛ばされてきた。




吹き飛ばされながらも、その二人が視線を交差して一瞬で意思を疎通させる。



そして二人がすれ違う時、そのまま互いの足の裏を踏みつけ、鳳凰は理樹に、応竜はクラウドに向かって飛び出していった。




こうして、相手が入れ替わる。




しかも、獣神体となってだ。


標的が大きくなったものの、その脅威は数倍に上がったと思ってもいいだろう。



応竜の姿は東洋の龍に翼が生えた姿で、鳳凰は通常の鳥型に、二股に分かれた尾がさらに一対の翼に見えるという形だ。



巨大な姿をうねらせて、クラウドと理樹をその通過した風圧だけで吹き飛ばしてひとまとめにした。
二体は上空でぐるぐると回って滞空している。まるで二人を見定めているかのように。



その彼らが何をするのか。どんな攻撃をしてくるのか。
理樹とクラウドは各々身構え、攻撃に備えた。

しかし、彼らの攻撃は単純明快にして強力だった。


そう、ただその巨体に有り余る膨大なエネルギーを全身から吹き出すだけだ。


身体のいたるところからレーザーのように噴出したエネルギーが周囲を駆け廻っていく。
その隙間を走り抜け回避していく二人だが、相手は上空なのだ。このままではいずれ潰される。



故に、理樹がバリアを張って上空に突っ込み、その後ろにクラウドがぴったりとついた。
理樹のバリアに何本ものレーザーがぶち当たっていくが、その程度ではバリアは何ともない。勢いに押し返されそうにもなるが、後ろからはクラウドも後押ししているのでその勢いが衰えることはない。


そして、理樹がついに到達した。
バリアという弾丸になった理樹がその勢いのまま鳳凰の腹部にめり込んでそのまま押し上げ、クラウドが応竜の尾を掴んで振り回し、同じく上空に投げ放ってその後を追っていった。








「・・・・グふっ・・・・・ペッ・・・・・・あと・・・二分かな・・・・」



それを見上げ、蒔風が口から吹き上げてきた血を地面に吐き、口元をぬぐって腹を押さえる。
見ると鼻からは鼻血でも出ていたのか真っ赤になっていた。






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雲の上
そこで空中戦が繰り広げられていた。


薄緑と漆黒の翼が舞い、それに襲い掛かる二体の巨大な怪物。
応竜がとぐろを巻いてクラウドに襲い掛かるが、クラウドも弾丸のように回転してその鱗を削り、すれ違いざまに髭を切り落とす。

が、後ろに抜けた瞬間、応竜の尾がクラウドの横っ腹に衝突し、ゴキゴキと嫌な音を立てていく。
クラウドは下方に吹き飛ばされ、雲に突っ込みそうになるがその寸前で体制を立て直してその上を滑空して距離を取る。



一方、理樹は自らをバリアに包んで弾丸のように鳳凰へと突っ込んで行っていた。
しかし、鳳凰もその巨体からは想像もつかないような旋回や急降下を見せ、理樹の体当たりを避けていく。

だからと言って、鳳凰のターンかと言えばそうでもない。
鳳凰はその口から炎を吐き、理樹を包み込んでいくが表面の回転しているそのバリアには当たったところでかき消されていってしまうのが関の山で、いまだ焦げ目の一つも付けられていない状況だ。

薄緑の翼。最高防御を誇る翼人は、いまだ攻撃と言えるような攻撃を一切食らっていないのだから。



「理樹!!離れろ!!!」




そうして理樹が鳳凰と超高速の空中戦を演じていると、クラウドの叫びが耳に届いた。

見るとクラウドが頭上で剣を振り、そこにエネルギーが溜まっていっていた。




「メテオ・・・レイン!!!!」




ゴッ・・・・ヒュッヒュッヒュッヒュ!!!!!



『ヌぅう・・・・!!!!』

『これ以上のダメージは主に・・・・!!!!!』




ドドドドドドドドドドドッッ!!!!!




天空から降りかかる無数の岩石が炎を纏い、応竜と鳳凰に落ちていった。
それを旋回や急降下、身体をよじってなどして回避するが、その数はまさに星の数ほどあるのではないかというほどのもので、八割という実に多くの隕石群が命中していった。


しかし、その攻撃に二体は耐えた。
とはいっても形状は人神体に戻っているし、最初にあったような神々しさすら思わせる畏怖、威圧感はまったくなくなっている。



「さすがは翼人という事か・・・・」

「我ら二人で・・・倒せぬとは・・・・・」



無論、この二体とて弱いわけではない。
この二体はかつて、五体満足、全開状態だった「奴」をその体当たりと衝撃波で粉砕し、打ち負かし、死に体だった蒔風を勝利へと導いた二体だ。



今回の相手は翼人二人。それが悪かった。
ただ、相手が強すぎたというだけの事。


しかし、その二体の身体には傷らしきものは一切なく、このまま戦闘は続行できそうな様子だ。



だが




「・・・・!・・・・・・聞こえたか?」

「うむ・・・・目的は達された。我らはもう戻るか」




鳳凰が何かを感じとり、応竜が応えて頷く。


すると二人の身体が輝き、応竜は四つ、鳳凰は三つの光に分かれてその場からバラバラに離脱し散ってしまった。



『全員このまま離脱。主の元で再集合だ』

『捕まるなよ!!』

『『『『『応!』』』』』





そうして、七体が飛んで行って消えてしまう。
その跡を追おうとする理樹だが、クラウドはハッ、と何かを思い出して真下を見、真っ直ぐに降りていった。







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『こちら、白虎だよ。まずい事になった』

『どしたよ?』

『とちったんじゃねーだろうな?』

『理樹っちが僕のこと追っかけてきてる。このままじゃ舜のところ戻れないよ』

『・・・・クラウド殿は?』

『誰の方にも向かってないのう』

『追われてるのは白虎だけですか。あなたは追いかけっこになるとホント不運ですね』

『七分の一だからな』

『そんなのいらないよ~』

『我らで引きつけるしかなかろう』

『・・・・タイミングを見て、主の元へ。我々では封印はできない』







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クラウドが大地に降り立つ。
そして、ある方へと視線を向けた。


そこにはさっきまで真人、謙吾、往人がいたはずの場所だ。
しかし、今はすでに誰もなく。



彼らがやられたことを物語っていた。




そしてまたほかの方に視線を向ける。



そこには血だまりができていた。
さっきまで蒔風がいた場所だろう。




あの応竜、鳳凰を召喚する代償。



それは「二体が受けたダメージをすべてフィードバックする」




故に、あの二体が受けたダメージはすべて蒔風が背負ったのだ。


だから彼は戦闘に参加しなかった。





しかし、あれだけの大技をして狙いはクラウドたちではない。
むしろすべてはあの三人を何の苦もなく潰すために二人を引き離したにすぎないのだ。



「やってくれるな・・・・」



そうして、理樹が飛んで行った方向を見るクラウド。



その方向に、自分のバイクに跨って走り出した。







銀白、まんまと逃げおおせる。










to be continued

 
 

 
後書き

と!!言うわけで超久々に出ました「二神召喚」!!!



三人
「俺らがやられた描写は!?」

キック!!パンチ!!チョップ!!だよ!
固有結界には固有結界で討ち破ったよ!!

マーク
三人とも各作品のロゴ


三人
「説明がヒデェ・・・・・」



さて、かなり佳境に入ってきましたね。

これからは敗者復活戦になりそうです。
つまり、一度負け、敗走した者たち+αで行きますよーーー!!!







真人
「次回、オレの筋肉が!!!」

謙吾
「違うだろ!!俺たちのリトルバスターズが・・・・」


往人
「はぁ・・・次回、神に近しい者との戦い」


ではまた次回






リスト残り



キョン
長門有希
べナウィ
泉戸裕理
泉戸ましろ
クラウド・ストライフ
古手梨花
古手羽入
小野寺ユウスケ
海東大樹
野上良太郎
モモタロス
ウラタロス
リュウタロス
ジーク
デネブ
直枝理樹
乾巧
衛宮士朗
セイバー
遠坂凛
ランサー
ギルガメッシュ
剣崎一真
左翔太郎
フェイト・T・ハラオウン
シグナム
ヴィータ
リィンフォースⅡ

 
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