ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜
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265部分:エピローグその三
エピローグその三
ードズルー
ランゴバルト、ダナンと二代に渡って悪名高い当主を出したドズル家であるがブリアンはその悪名を完全に消し去った。
高潔で勇猛な武人として知られる彼は叔父レックスを宰相とし自らの補佐役としてヨハン、ヨハルヴァの二人の弟達を側に置いた。
兼ねてより犬猿の仲と言われてきた二人であったが兄の為ドズルの国民の為協力し合って働いた。彼等の妻ラクチェ、ラドネイ、イザーク以来の部下であるダグダ、タニア、ロナン、マーティ、オーシン、ハルヴァン等有能な人材にも恵まれ二人はドズルの両輪とさえ言われるまでになった。
主君である兄弟達に負けず劣らず仲の悪かったオーシンとタニアであったが驚いた事に結婚した。当主ブリアンが仲人となりかっての仲間達が一同に会した式で花嫁の父はオイオイと大きな声を挙げて泣いたという。
ーフリージー
フリージ家の当主には政戦両略で知られる嫡子イシュトーが就いた。以前より恋仲であったライザを妻に迎え名将ラインハルトを軍の総司令とした。その下にオルエン、フレッド、アマルダ、イリオス、ダルシン等が集った。陰険な謀略家として悪名高かったレプトール、厳格な法治主義により圧政を敷いたブルーム等フリージには重苦しい印象が強かったが彼等の手によりそういった暗鬱な影は一掃された。
主であるイシュトーが愛妻家だったせいか家臣達にもそういった話が多い。とりわけ二組のカップルが有名である。
まずはオルエンとフレッドである。二人がレンスターでイシュトーの下にいた頃より噂が絶えなかったがコノートでの戦いでフレッドが自らの危険をも顧みず彼女を沈みゆく船から救出するということが決め手となった。オルエンの親友かつ宿敵であるパティが面白おかしく言い回ったこともあり話は一同が確信するところとなったのである。ちなみにオルエンはフレッドにいつも子猫の様に甘えていたという。
もう一方は喜劇であった。酒癖が極めて悪いアマルダがイリオスに絡みそんなことが続くうち気が付くと二人共酒の勢いで深い仲になっていたのである。式でもそれは同じであった。式の後泥酔した新婦が自分の部屋で高いびきをかいていたのである。ちなみにこの話で特筆すべきことは山の様な料理と湖の如き酒を全て平らげたいつもの面々であろう。
ーヴェルトマーー
二度の大戦とその原因となる一連の謀議の首謀者として永遠に消えぬ罪を背負ってしまったヴェルトマーはアルヴィスも主立った将達も軍も全て失い後に残ったのは拭いきれぬ悪名と完全に崩壊した国家であった。
そのヴェルトマーの新たな主となったのがアーサーであった。四天馬騎士の一人フィーを妻とした彼は帝国の宮廷司祭であったサイアスの助けを借りつつ国家の名誉回復と国力振興に務めた。自らの運命と歴史に最後まで弄ばれ続け炎の中に落ちていったアルヴィスを生んだこの国は見違える程明るくなった。
若き主の下でその才を遺憾なく発揮したサイアスも後に妻を娶った。相手は何と元アルスターの王女ミランダであった。気の強さで知られる彼女であったが夫を支える彼女からはそんなことは微塵も感じられなかった。コノモールもそれを見て安堵の息を漏らした。
ーシアルフィー
二つの大戦の主役となったシアルフィは主セリスがバーハラで大陸を統べるグランベル王に即位した為セリスの軍師として常に側にあったオイフェが当主となった。
セリスは彼をグランベルの宰相に任じ今までと変わらぬ全幅の信頼を寄せ続けオイフェもそれに応えた。ノィッシュ、アレク、アーダン等シグルド以来の家臣達も主君をよく助けシアルフィはグランベル王国の発展にとりわけ大きな働きをした。それはまるで英雄シグルドの志をその子セリスが実現するのを導くようであった。シアルフィの青は正義の証としてユグドラルに知られることとなった。
口髭で知られるオイフェであるがその整った容姿から美髭公と称されるようになった。当然の様に女性の黄色い声を集めたが彼は一人の女性に対してのみその愛情を注ぎ続けた。
その女性とはシグルドとディアドラの子であり主君セリスの妹でもあるユリアであった。
オイフェの妻となった彼女はその穏やかで心優しい人柄と小柄で神秘的な容姿で知られ夫オイフェと兄セリスによく尽くした。意外なことに政治手腕にも長け福祉に大きな業績を残した。尚あののんびりとした性格は地でありこれにも多くの逸話を残している。
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