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レッツゴーKY

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第二章

「お家に入れないから野宿しなさい」
「おい、野宿なんかしたら死ぬだろ」
 正直今の季節は寒い、そんなことをしたら凍死してもおかしくない。
「息子に死ねっていうのかよ」
「それが嫌だったら早く帰ってきなさい」
「きついなおい」
「きついじゃないわよ、お父さんは定時に帰ってきてるじゃない」
 公務員でだ、親父は本当に真面目だ。
「そこまでとは言わないけれど」
「九時までにかよ」
「帰ってきなさい、いいわね」
「仕方ねえな」
 俺も凍死したくない、それでこう答えるしかなかった。
 しかし俺はくじけない、部活の空手部でだ。
 黒と銀色の何処かの黄金樹王朝の配色の空手着を着て出た、すると。
 三年の部長が俺に両足でのドロップキックを浴びせてきた、それから俺に言ってきた。
「御前何考えてるんだ?」
「銀河帝国仕様の空手着ですが」
「そんな空手着着ていいと思ってるのか?」
「最近カラーのあるじゃないですか」
 柔道着でもだ、これはある。
「それに俺ファンキーに空気は読まずって決めたんで」
「それでか」
「はい、この空手着で」
「御前の言いたいことはわかった」
 ここまで聞いてだ、部長はまずは頷いた。
 しかしだ、ここで俺にこう言ってきた。
「今度そんな空手着着てきたら没収だ」
「没収ですか」
「赤褌一枚で稽古してもらうからな」
「褌一枚って寒いですよ」
 ちなみに俺の下着はボクサーパンツだ、フィット感が最高だ。
「そんなのでやったら風邪ひきますよ」
「それが嫌ならそんなふざけた格好するな」
「ファンキーで空気読んでないんですよ」
「そんなの知るか、幾ら何でもアウトだ」
 こう言われてだ、空手着もアウトになった。しかし俺は諦めない。
 授業ではだ、紅白の長ランで出てやった、卒業式の時に着ていくつもりで用意していたやつだ。うちはブレザーだが空気は読まなかった。
 だがその俺にだ、その時の授業の物理の先生は。
 ジャンピングバックブリーカードロップの後で卍固めをかけてだ、俺にその見事な卍固めの中で聞いてきた。
「死にたいのか?」
「暴力反対です」
「愛の鞭だ」
 そのブルーザー=ブロディに生き写しの外見で言ってきた。あの人の生まれ変わりじゃないかと思ったことがある。
「これはな」
「愛の鞭ですか」
「そうだ」
 こう言ってきた。
「これはな」
「そうなんですか」
「何考えてるんだ」
「俺はファンキーに生きることにしたんですよ」
「その馬鹿な格好がか?」
「はい、そうです」
「そんな格好は卒業式にしてこい」
 これが返事だった。
「いいな」
「俺はファンキーになったんですよ」
「ファンキーか」
「はい」
 俺は胸を張って答えた。
「空気を読まないで」
「そうしてやっていくのか」
「そのつもりです」
「御前の言いたいことはわかった」
 先生は卍固めをかけたまま俺に答えてくれた、完璧に入っていてかなり痛い。 
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